古典的なホラー系都市伝説をひとつ
アメリカでの話。
あるカップルがドライブ中、
車の調子が悪くなってしまいました。
このままの運転は難しそうです
間の悪いことに日は沈み、人気もない田舎道。
しかも携帯なんてない時代の話
俺行って電話借りてくるわ」
そう言って彼は道の脇の
大きな木の下に車を止めました。
彼女もついて行こうとしましたが
「外は寒いし、すぐ戻るから待ってて」と
彼は一人で車を降りていきました
残された彼女はひとり、
車で待っていたけれどそのうち完全に
日が暮れ、窓の外も見えないくらい
真っ暗になりました
ずいぶん時間がたったのに
彼氏は戻ってこない…。
不安な彼女の脳裏にふと、TVで見た
殺人鬼の噂がよみがえりました。
まさか…ね?
キ・キ~
「きゃ!」
金属をこするような音が聞こえ、
彼女は座席でしゃがみこみました。
不安はいよいよ頂点に達します。
だってTVで見た殺人鬼の凶器は
カギヅメって噂なんだもの!
キ・キ~
殺人鬼がすぐそばにいるのかもしれない!
でも、どうすることもできず、
彼女はただ、じっとしゃがんでいました
どれくらいたったのか。
ドアをたたく音に彼女は顔をあげました。
見ると警察官たちが朝日の中、
車を囲んでいます👮👮♀️👮👮♀️
「もう大丈夫!」
ひとりの警察官が優しく微笑みかけました。
助かった!
彼女はドアを開け警察官にしがみつきました。
「ずっと金属を擦る音がして…!
きっと殺人鬼よ!」
「大丈夫、もう安全です」
彼女は興奮して捲し立てます。
「わたしのボーイフレンドも近くに
居るはずなの!彼は?彼も保護してる?」
そんな彼女を警察官は
落ち着いて優しくなだめます。
「今はあなたもお疲れです。
まずは、ご自宅までパトカーでお送りします。
ゆっくり休んで、落ち着いたら改めて
話を聞かせてください」🚓
いいながら警察官たちは彼女を
パトカーへと誘導しました。
「さ、中へ。振り向かずに」
警察官にエスコートされ乗り込むと、パトカーはすぐに出発。彼女はやっと一息つきました
けれど、少し引っ掛かります。
なんで彼のことを何も
答えてくれなかったの?
なんで「振り向かずに」なんて
言ったのかしら?
彼女は衝動的に振り返ってしまいました。
パトカーの中から彼女が見たものは
何かを引きずったような地面の跡、
血痕、
そして、
彼女がさっきまで乗っていた車と
その上の
木から吊り下げられた、
ズタズタにされた
愛しい彼の無残な姿。
彼女が一晩中聞いていたあの音は、
吊られた彼の靴が車の屋根を擦る音
だったのです…
夜の単独行動ダメ!
死亡フラグだから!