‘いのち’ | Rakuenありす ~自然農園/農薬・化学肥料不使用

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孵卵器で孵ったペキンバンタムとポーリッシュの雛ダンテ。
生まれて初めて育児ノイローゼを体験したヒヨコ育て。
ダンテの娘アビーは神経質で、
乱暴者で大食いいたずら坊主の南部かしわ鶏。
棲息生物の方が運営者より強い「Rakuen」日誌です。

2023年4月15日

 

‘いのち’

 

 昨日、14日に雛は2羽増えて現在さっちゃんは3羽の雛育てをしている。

 雛たちは皆しっかりしていて、歩き回るし、朱鷺(shuro)がすり鉢で砕いてあげた米や雑穀それからえごまなどを普通に食べている。水も飲んでいる。これは、お母さんさっちゃんがちゃんとやって見せているからであろう。

 共同運営者が「良いねぇ、お母さんがいて」と、しみじみと雛たちに言ったのを聞いて複雑な気持ちになる。お母さんとは至上の存在であることを昨年イヤというほど思い知った。ダンテを育てて、ヒヨコがこんなにも「お母さん」を必要としている姿に打たれた。そして、ダンテ2号が、天ちゃんをお母さんだと思って大喜びで羽の下に入って行った姿を思い出す。

 今日は、午前中は少しあったかくて、薄く日差しのある時間があって、畝を作りながらふと気づくと、さっちゃん親子は朱鷺(shuro)がいつか雛たちが遊ぶであろうと用意していたハウス内の草地で遊んでいた。

「もう??」

 そして、未だ孵らない卵は放置されている。

 さっちゃんはもう生まれないものとして諦めたようだ。あと丸一日程度あっためてくれれば孵るのに。

 昨日の時点で、雛が3羽になったらさっちゃんは雛中心になってしまい、卵をあっためる時間が半減していた。なので、とりあえず、まだ数日あっためないと孵らないであろう天ちゃんの卵を、ナミちゃんに託していた。

 残りの2個は、あと一日か二日。なんとか孵らないだろうかと、昨日は巣の外に出ているさっちゃんを見かけたらその都度ヒヨコ毎中に戻すということを繰り返していた。

 今朝、見ると、一個の卵に中から突いた跡があり、穴が開いていた。しかし、雛たちは外なので、さっちゃんも外に出ていて、その卵はあっためられていない。ヒヨコは外へ出るのを途中で諦めてしまったのか。

 中から突いたということは、もう出てくる準備が整っているものと勝手に判断し、朱鷺(shuro)はその卵を割ってみた。すると、途中で「ぴよ」と声をあげ、生きていることは確認。取り出してみると、まだへその緒がつながっており、殻の内側に血がついている。さっちゃんを巣に戻してさっちゃんの下に入れてみたが、さっちゃんはもう動けない雛には構わず、普通に踏んでいる。ピーという悲鳴を聞いて、「なんで踏むの」とさっちゃんの下からその子を取り出し、ナミちゃんに託してみる。

 午前中、11時くらいまで作業をしてさきほどの雛を確認してみると、ちゃんと生きていた。だけど、他の雛より小さい。やっぱりまだ生まれるんじゃなかったのか? 

 残りの一個の卵も、もうダメかも知れないが…と午前中にナミちゃんに託していた。

 ごめんね、ナミちゃん。さっちゃんの尻拭いで。でも、本当の親はナミちゃんなんだけどね。

 共同運営者に雌雄を見てもらっているが、雌かな、というのは一羽だけ。あとは、分からない。けど、雄っぽい。ということ。

 そして、雛たちは足に羽毛が生えている。これはペンペンの血。今後、頭にも生えるんだろうか。いったいどんな様相の鶏になるのか、楽しみ反面、恐ろしい…。

 親が見放した雛を育てる。これって、どうなんだろう…と思わなくもないが、もうヒヨコになっているのに、生まれずに死んでしまうのを見ていられなかった。しかし雄ばっかり生まれても正直困る。これも事実。

 さて、‘いのち’。

 たかが命、されど命。

 悩める春である。

ダンテの行動もよく分からない悩める春である…

 

4羽目

 

 予報通り14時から雨が降った。

 外作業(今日は畝造り)が出来ないので、ハウス内に行ってみた。ダンテのときもすり鉢を使って米や配合飼料を砕いて与えていたが、数日に一度程度で事足りていた。しかし、今回は雛が3羽、さっちゃんが1羽いるので、何度作ってもすぐに消費されてしまう。朝から5~6回はすり鉢を使っている。米も雑穀もけっこう固いのでなかなか腕が疲れる。

 朝、卵の殻を割って強制的に外に出しちゃった子は、ナミちゃんがあっためてくれたらふわふわの雛になっていた。それでも大分ちっこいのだが、それは仕方あるまい。で、天ちゃんのことがあるので、午後には4羽目もさっちゃんに戻した。

 4羽目はまだろくに歩けないので、他の子がちょろちょろしているのにまったくついていけず、更に餌を食べようとするさっちゃんに蹴とばされたりしている。4羽目はまだ餌も水も必要としていないので、ひたすらさっちゃんの羽の下に入ろうとするのだが、食事中のさっちゃんは無視。

 それでも、落ち着く姿勢を見せると、4羽目もなんとかさっちゃんの下に潜り込めているのを確認。

 午後から暗くなって寒くなって、ペンペン達も小屋に入ったので、15時過ぎにはさっちゃん達も小屋の中に入れて入り口を塞いだ。さっちゃんはまだ餌を欲しがるし、ヒヨコたちも周辺をちょろちょろして何かを探しているが、もう朝から5~6回は食べているし、今日はミミズや虫も食べたし、充分であろうと思う。

 ちょろちょろする雛たちがナミちゃんに近づくと、ナミちゃんは威嚇の声をあげる。すると、ヒヨコたちは、「あ、間違った。あれは、おばちゃんだ」とさっちゃんのところに戻っていく。ほう、なるほど、と思った。

 餌皿を置いておくと、さっちゃんがひたすた食べて4羽目が羽の下に入れないので、餌皿は撤去し、水だけ置いて、15時半過ぎにはハウスも鶏小屋も戸締りした。

 今日は、ヒヨコとさっちゃん達を見ている間、ダンテを抱っこしていたのだが、寒かったのか、抱っこされたまま眠っていた。ダンテ、赤ちゃん返りかい?