散桜
残る桜も
散る桜
良寛
僕が知る、
彼女の花への接し方は...
一輪一輪の花の顔を覗き込み...
やさしく声をかけています。
それは、
懐かしい友人と出会い
会話でも交わすように。
阿蘇のサクラが満開になりました。
ところどころに灯る外灯に、
鮮やかなピンクが
浮かびあがっています。
曇った空からはらはらと
サクラの花びらが
舞い落ちてきました。
ああ、と思わずため息が洩れます...
この春を前に、
この花を見ることも
かなわずに逝った
多くの命があることに...。
散桜
残る桜も
散る桜