癒しへの準備

 

 

 

たとえば、あなたが今、身体的にも、感情的にも、人間関係や財政的な面でも、なんらかの痛みを抱えているとしたら、私はこう聞くでしょう。「あなたは癒されたいですか?」と。

するとほどんどの人は「はい」と答えるにちがいありません。

しかし、実は、あなたが思うよりも、健康と病には、あなた自身の選択が大きく関わっているのです。

 

ADHDと診断を受けたある男性をコーチングした時のことです。

「私は完全にはADHDではないと思うんです」と彼は言いました。

「自分がそうしようすれば、ちゃんと集中できるし、きちんと最後までやれるから」と。

なので、私はこう尋ねました。

「じゃ、常にそうすればよいのではないですか?」

「もし何かを完了して、それを周囲に見せたら、たぶん批判されると思うんです。だから、ADHDにとどまり続けるほうが気楽です。終わらせないでいれば、周囲からのジャッジを恐れずに済むと思っています」

 

また別のこんな例もあります。

そのクライアントは、自分が慢性的にやるべきことを遅らせるタイプだと不満を言っていました。

そのせいで、家を片付けられないと言うのです。

「家を片付けるよりも、それを先延ばしにすることで、あなたが得ているものは何ですか?」と私は尋ねました。

「私の父は完璧主義で、私に完璧になるように求めていました」と彼女は話し、続けました。

「ですから、着手するのが怖いのだと思います。もしそれが完璧でなかったら、失敗したような気持ちになるから」

 

この二人の人たちは、変わるよりも古いパターンに留まり続けるほうが、より得られると思っています。

私たちはうまく行かない時、自分自身を周囲の人々やままならない条件の犠牲者だと感じているかもしれませんが、意識していなくても、自分の選択によって、その状況に留まっていることが多いのです。

なぜなら、私たちは常に、自分にもっとも有益なものがもたらされると信じることを選択しているからです。

しかしながら、多くの場合、その有益なものは、単に一過性のものであり、「もっとも有益」ではありません。

 

私の「コーチングルーム」という無料プログラムに参加した一人の女性の話をしましょう。

彼女は数年前にとてもひどい離婚経験をしました。そして、それからずっと体重がかなり増え続けているのだと言いました。

彼女はいろいろなダイエット法を試したらしいのですが、どれもうまくいかなかったそうです。

 

「体重を維持することで、自分にとって何か良いことがあると感じていますか?」と私は彼女に聞きました。

彼女はしばらくじっと考えて、こう答えました。

「私はもう二度と離婚を経験したくはありません。もしかしたら、その意識レベルで、太っていれば、男性にとってそんなに魅力的にならなくて済み、もう大変な人間関係を味わわなくて済むとおもっているのかもしれません」

 

彼女の正直さに感謝を述べた後、私はもう一度聞きました。

「体重を増やして男性を遠ざけるのではなく、男性に対して『ノー』を自分で直接言えると思いますか」と。

 

それから私たちは、どうしたら彼女がコミュケーションにおいて率直になれるか、健全な境界線をひけるか、そして、ありのままの自分を愛せるかについて、とても役に立つ話し合いを続けました。

彼女が真の選択をすることができれば、体重の影響を受けることはなくなるのです。

 

どうしたらより良くなるかを問うことなく、「そんなもんだよ」と答えるのは簡単です。

自分の今の限界を、「小さな頃思い込まされたから」と言って終わらせるのも簡単です。

ですが、あのスピリチュアルの師であるエイブラハムに、生徒の一人が「老いた犬に新しい芸は教えられませんよ」と言った時、エイブラハムは見事にこう返しました。

「自分がどれだけ老いた犬であるか、あなたはそもそも知らないでしょう」と。

 

この言葉は、私たちはスピリチュアルな存在であり、私たちの本質は、どんな幼少時代に埋め込まれたものにも影響されない位、深い場所にあるのだと教えています。

なぜなら、私たちは、人間として存在しているだけではありません。むしろ、より魂として存在しているからです。

私たちが魂としてのアイデンティティへと深く触れていけば、人間のレベルにあるあらゆる条件をシフトさせる力を得ます。

 

多くの人が、「自然回復」と科学で言われるところの「癒し」を体験しています。

しかし、その癒しは、無秩序に起こるわけでも、自然発生するわけでもありません。

それらは、私たちが魂のレベルで行う選択の結果なのです。

 

私の友人のコリーンは、舌癌と診断されました。

それを受けて、彼女はキリスト教のヒーリンググループに参加した時のことです。

そのグループのリーダーが、コリーンにグループの中心に立って、祈りを受け取るように促しました。

その瞬間に、彼女は自分の舌の癌に侵されたところに向かって、稲妻のような光が飛び込んできたのを感じ、その後、深い内なる平穏に包まれました。

 

その後、手術前に彼女の舌をX線で診た医師はとても驚きました。

そして言ったそうです。「癌の兆候がまったくありません」と。

 

これは、三十三年前に起こった出来事ですが、それ以来、コリーンは完璧に健康で、人生を恵みと感謝で過ごしています。

 

私たちが何か選択をし、高次の力とパートナーシップを組む時、奇跡の扉は開きます。

しかし、「癒される」という私たちの誠実な意図が、まずは最初の一歩です。

私たちが自分のやるべき部分さえやれば、あとの詳細部分のすべては、宇宙が調整してくれるでしょう。

 

アラン・コーエン

 

「くつろぎレター」6月号より