いただいたメールは考えさせられるものでした。

 

『30代くらいから毎年乳ガン検診を自費で受け、石灰化があると言われたことから、ずっと不安で熱心に病院に通っていました。2年前に米粒くらいの硬いしこりがみつかり、不安で生検を希望しましたが、乳腺外来三件全て、良性だろうから必要ないと相手にされませんでした。

 

 心配性なので半年おきくらいに、この三件の病院に通い、ずっと良性だろうと生検してもらえず、今年夏、しこりがさらに大きくなったけど三件はやはり良性と判断されましたが、信じられない私は、MRIが撮影できるクリニックで乳ガンドックを受けました。

 

 MRIで良性には見えないと言われ、その画像をもらって六件目の乳腺外来のクリニックで生検をやってもらえ、乳ガンと診断されました。

 

しこり発見から二年間放置されたため、広がりがあり、右側全摘手術を予定しています。

 

30代から乳ガンの早期発見に力を入れて、沢山通院したのに、三件のクリニックに二年間見落とされたため、全摘出になった悔しさで、手術や治療に前向きになれません。

 

早期発見のための検診で、これだけ沢山誤診されては、何のための検診なのか。私のような例は氷山の一角なのではと恐ろしい限りです。周りの人たちからは、誤診医への恨みより、今は治療に専念しなさいと言われます。

 

このような乳ガン検診の悲惨な現状を改善しないと、ピンクリボン運動で検診率は上がっても、乳がん発見率は上がらないと思います。』

 

 乳房健康研究会の20周年の記念セミナーでは検診はどういう人にどうやれば有効なのか、ということを海外の事例も合わせて紹介されていた。

 

高濃度乳腺、デンスブレストの方や、遺伝性乳がんの方など高リスクである方をどう見つけ出すか、というお話。この方が見つかったのはMRIだそうだが、海外ではMRIもプラスして検査しているのが一般的な国もある。

 

日本では、造影剤を入れた形のMRIは手術前はあるけれども、定期的に行うのは身体へプラスではないとされ、通常はやらないクリニックが多い。

 

 乳がん検診は15年位前はマンモグラフィを受けましょう、、的な啓発活動だった。

 

その後、私の取材した患者さんが見落とされて、2件目でようやく見つかって治療していると放送。

 

この時期ぐらいから、マンモグラフィで真っ白に映る人の乳腺からがんなどの病変をどうやって見つけ出すのか、という議論が起きるようになった。

 

マンモグラフィは読影の技術は必要ですが、撮影にはそこまでの技術は必要ない、でもエコーはその技師さんの能力によって発見率が異なり、均一化を狙う際には不適だとして、エコーのみではいまだに勧められていない。

 

二つあわせてを全員基本にしてしまうと医療費がかかる。悩ましい問題だ。

 

 札幌は先生方のご努力により、マンモにエコーを足す検診に対しての自治体の公費補助が2019年から始まっている。精度管理の上に、これが広がるといい。