萩から、津和野へ。
盆地にレンガ色の屋根の家々が肩を寄せ合うように並び、鷺や鴨が舞う川が流れる津和野は、
日本のふるさとの原型と呼びたくなるような町。
「うーさーぎ追ーいし、かのやーまー」と思わず口ずさみたくなります。
まず、報道写真家の桑原史成写真美術館へ。
展示スペースは1室のみ、この時は1980年代アフガニスタンの写真が展示されていました。
次に向かったのは、写真美術館の向かいにある安野光雅美術館。
「あ」のロゴマークがおしゃれでかわいい。
私にとってこれまで安野光雅はエッセイストとしての印象が強く、
挿絵やイラスト、デザインをよく知らなかったのですが、
もっと早く作品に触れておけば良かった!と後悔するほどすばらしい作品がたくさん。
安野光雅が子ども時代を思い出しながら描いた、昭和初期の津和野。
生まれ故郷への温かい思いが絵全体から伝わってきます。
館内では「仮名手本忠臣蔵」、「ABCの本」、
津和野の風景を描いた「いずれの日にか国に帰らん」などの作品が展示され、
一番好きだったのはウィットにあふれ、それぞれの絵の額縁に花や動物が美しく描かれた「ABCの本」。
館内には、学校の教室、図書室が再現されていました。
図書室には安野光雅だけでなく、いろいろな作家の絵本やエッセイが並んで、
読み始めると出られなくなりそう。
安野光雅のアトリエの再現も。
海外の文化や街に親しんだ人にしては、意外なくらい和風テイストでした。