あくび@TOKYO-idemitsu

19日まで開催されている、「山田常山の世界」展に駆け込みで行ってきました
@出光美術館。

人間国宝の陶芸家、三代山田常山の急須、煎茶具、花入れ、水指、壺。
今年が常山の七回忌にあたることから、今回の特別展が企画されたそうです。

どれをとっても人間国宝のいかめしい肩書きとは無縁な、のびのびとした作風。
朱泥のすべらかな表面のものにも、常滑のざらりとしたものにも、土と火と対話を       
重ねた人らしい、自由自在さがあふれています。

展示されていた作品は煎茶用の急須が多く、手のひらにおさまりそうな、ころんとした
形がなんとも愛らしい。シンプルそのものの洗練されたシェイプに、りんごやみかんの
へたを模したつまみを付けたりする遊び心が素敵です。

どれもすばらしかったのですが、特に気に入ったのはまあるいりんごの形をした急須
「常滑藻がけ窯変茶注」と、「常滑自然釉つる手花入れ」でした。

この人のすごいのは、作品一つ一つが完成されているだけでなく、実際に使ってみたい
と思わせる「用の美」を備えているところ。
この急須でお茶を淹れたらおいしいだろうなぁ、この花入れに菜の花を投げ入れたい
なぁ…と、お茶の味や、花のイメージなど使っているシーンが自然に浮かんできちゃう
のです。器は、こうでなくちゃね♪