パリ翌日は、ランスに初めて行ってきました。
「歴代フランス王の戴冠の地」だけあって古都らしい、落ち着いた佇まい。
まず向かったのは、800年の歴史を持つランス・ノートルダム大聖堂。
上から下まで彫像がびっしりですが、中でも目を引くのが正面入口の左扉上の
「微笑みの天使」。ランスのシンボルとして長らく愛されているそうです。
表情やしぐさが画一的な他の像に比べるとにこやか、しかもちっちゃいガッツポーズ?
までしていて、親しみやすいですよね。
フランス革命時、教会はおおがかりな略奪や破壊の被害にあいました。
この大聖堂でも彫像の多くが頭を砕かれた無惨な姿のまま残っていますが、民衆もこの
天使像には手をつけなかったそうです。
もうひとつの微笑みの像、正面入口の右扉上の「ガブリエル」。
細かいところまで写っていないのが残念ーー。
このステンドグラスはシャンパン作りで名高いランスならでは、ワイン作りの過程を
描いた珍しいもの。
後陣中央にはシャガールのステンドグラスもあります。
聖堂内には、シャルル7世のランスでの戴冠に貢献したジャンヌ・ダルク像がひっそりと。
華々しい活躍の後、19歳の若さで異端者として火刑に処せられた彼女への鎮魂の思いが
こもった、静けさをたたえた像でした。
この大聖堂は後ろ姿もすばらしいのです!
彫像の配置といい、ゴシック建築特有の飛梁(フライング・バットレス)のシルエット
といい、手抜かりなし。
大聖堂見学の際は、後方チェックもお忘れなく。