とーとつですが、何を隠そう私め、長年カトリック教育を受けまして、
旧約・新約聖書についても学びました。

旧約聖書に出て来るモーゼの生涯(出エジプト後、40年にわたってヘブライ人を率いて
荒れ野をさまよった苦難にかかわらず、自らが犯した過ちを神に咎められて
約束の地カナン(現パレスチナ)を目前にしながら亡くなった)も勉強(?)し、
「40年も苦労した挙句、しかもカナンがすぐ目の前だって言うのに、そこに
入っちゃならんと言うのは、いくらなんでもモーゼがかわいそすぎる! 
神さま、ちょっと厳しすぎるんじゃ!?」と思ったもんです…。

えー、前置きが大変長くなりましたが、
今回ご紹介するのは、そのモーゼの終焉の地「ネボ山」です。

あくび@NY→ロンドン-nebo path
ネボ山頂には4世紀にモーゼを記念した教会が建てられ、その教会跡に向かう
参道をたどります。

「山」と言っても頂上のそばまで車で行けるし、その先の参道もゆるやかで、
大きな丘に散歩に行く感じでした。

あくび@NY→ロンドン-statue
参道の途中にある、ヨハネ・パウロ2世が訪問された際の記念碑。

あくび@NY→ロンドン-nagame
あっという間に山頂へ。

もちろん道路や町は見えるものの、パレスチナを臨むと岩山と砂漠がはるかに続いて、
旧約聖書の時代にタイムスリップしたみたい。

あくび@NY→ロンドン-sign
ネボ山から旧約聖書に出て来る場所までの距離を示した表示板。

これによるとエルサレムまではたった26キロ! うわ、近ーい。
今は和平協定が結ばれたとはいえ、この距離ではイスラエルとの戦争、緊張関係が
続いていたときの緊迫感は大変なものだっただろうな、と実感しました。
もともとは「聖なる土地」で一つだったのにね…。

あくび@NY→ロンドン-nebo mount church
山頂にある教会跡は現在修復中で入れませんでしたが、別に設けられたテント内で
教会の写真やモザイクを見学できました。

ネボ山は、目を奪う華やかさはまったくなかったものの、独特の穏やかで静かな「気」に
満ちていて、あわびも「ここはいい所だねぇ」としみじみと申しておりました。
ここって日本でよく言われるパワースポットなのかも、笑。

これまでは約束の地に入ることを許されなかったモーゼをかわいそうな人とばかり
思っていましたが、こんなに平和な場所だったら、ここで一生を終えたのも悪くなかった…
どころか、かなり心安まることだったかもしれないなぁ、と思いました。

あくび@NY→ロンドン-greek church
ネボ山からちょっとドライブすると、マダバの町へ。

この町には5世紀くらいから残る教会がたくさん残っているそうですが、
私たちの行ったのはギリシャ正教の聖ジョージ教会。

あくび@NY→ロンドン-map
この教会には、6世紀のパレスチナの宗教絵地図がモザイクで描かれています。

素朴な絵柄ですが、歴史的な意義はとても大きく、この絵地図のおかげで
イエス・キリストが洗礼を受けた場所などの史跡が特定できたそうですよ。