家を出るのが遅れて中入り後から。
今日もなかなかの入り。
真山隼人       「刃傷松の廊下」
神田紅佳       「振袖火事」
木村勝千代   「まつり浴衣」
天津ひずる   「瞼の母」
隼人さんの演題は真山のお家芸。5月21日の国立文楽劇場での浪曲錬声会でも今日と同じ三味線とオーケストラの伴奏を併用しての歌謡浪曲の形式で。吉良上野介のいじめに耐える内匠頭。登城時刻も嘘を教え、畳替えの指示を知らせず、服装も嘘を教えられる。家のため家臣や妻のため忍耐を続けようとするが、ついに刃傷に及ぶ。しかし梶川大力に邪魔され恨みを張らせず田村邸で切腹となる。文楽劇場ではもっと大きく派手な動きや仕草を見せてくれたが今日は控えめ。今日も人物の描き分けの確かさと素晴らしい声が印象的だった。
紅佳さんの振袖火事は本郷本妙寺で燃え上がった振袖に込められた念を巡る話と火事の経過を交えたお話。
勝千代さんの演題は清水一朗作「化かされ侍」所収の「まつり浴衣」が原作。まだまだこれから色々整理され磨かれていくのだろうと思う。頑張ってほしい。
ひずる師匠の瞼の母。忠太郎が水熊屋前での老婆との出会うシーンから、そこで水熊の女将お浜のことを教えられての忠太郎の訪問と口説き、お浜の拒絶、娘お登世に言われてお浜が考えを改め忠太郎の後を追うエンディングへ話が進む。「忠太郎かもしれないが私の息子の忠太郎ではない」というお浜の台詞が印象的。ひずる師匠も歌謡浪曲形式で。