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(何故、息子の大事故の事をブログに書いたか)
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⑪の続きからです
 
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腕の複雑骨折の手術は、プレートを埋め込む事で無事終了しました
 
骨が腕の筋肉から出てしまうほどの、大変な骨折でしたが、意識不明が続いていたり肺が潰れてポンプで血を吸い出していたり
 
辛い状態を毎日毎日、側で見ていたので
複雑骨折の手術は、命に関わる手術ではない

という事で、手術が終わるまで安心して待っていられました
 
少しずつ、まるで積もった雪が溶けるかのように、息子も小学生の頃の記憶・態度から
 
中学生の頃の記憶や態度へと変わっていきました
 
この頃には、紙にアルファベットやひらがなを書いて見せれば、
 
指で指して単語などは間違いなく言えるようになっていました
 
私たち家族も毎日、色々なメッセージを書いて息子に見せました
 
 
特に元夫は、
自分が大学の合格祝いでオートバイをプレゼントしたために、息子が事故に遭ってしまったと思い込んでいたため、
 
息子へのメッセージには、普段口数が少なかった彼の最大級の想いがいつも込められていたと思います
 
時間がかかっても、事故前の大学生の記憶に戻り、大学生の言動をして欲しい、絶対大丈夫
 
と、思って看病をしていた毎日
 
そんな時、ドクターから大切な話しがあると言われました
 
多分、意識が戻り命の危険がなくなったので、もうICUではなく別の病棟か病室に移れるのではないかと、少し嬉しく期待する気持ちでドクターのお話しを家族揃って聞きした
 
そこでまずドクターからされた話しは、
 
ICUを出て、ICUに一番近い病棟にはなりまだ24時間モニターでチェックする感じにはなりますが、そこで気管切開のチューブを外し、声を出す練習と、物を食べられる練習をしていきましょう
という、嬉しい話しでした
 
 
次に、
息子さんは、脳挫傷からくる高次脳機能障害です
 
と言われました
 
私は元夫の大事故のときに、脳のことは随分勉強しました
 
言葉をきいて、すぐにどういう意味かは理解できました
 
中学生のままとまる、大学生の脳には戻れない

と直ぐに頭に過ぎり、一瞬、絶望的な気持ちになってしまったのを覚えています
 
ただ、ドクターが続けて…
 
脳というのはご存知の通り、一度壊れた部分は元には戻りません
 
ただし、17〜22歳位の脳はまだ完成されていない子供の脳とも違い、既に老化が始まった脳とも違い、元気な部分で壊れた脳を補う力があります
 
また、息子さんは事故に遭う直前まで、相当脳を使って沢山勉強して記憶し、IQも相当
高かったのではありませんか
 
と言われました
 
そういった息子の事故前の状況を考えると、壊れた部分をカバーできる可能性があるというのです
 
そして、
 
息子さんの場合は、根気よくリハビリを重ねる事で、元気な脳が壊れた脳をカバー出来るようになるかもしれません
 
と、言われました
 
IQは分かりませんが、事故に遭う前、大学では毎日山ほど色々な事を暗記させられたり、夜中まで宿題で大変だと言っていました、大学生なんだから当然、脳は使っていたでしょう
 
可能性があるなら、やるしかない
 
と思いました
 
もう季節は秋、事故に遭ったのは8月の初めでしたから、息子の同級生はみんな大学に戻り勉強を続けています
 
元夫の意識不明の大事故の経験から、
将来には不安ばかりでしたし、そんな簡単に元気な脳が壊れた脳をカバー出来るようになるとは思いませんでしたが、
 
先ずは中学生から高校生の脳になって貰わなくてはいけません
 
 
 
早速病室を移動し、気管切開のチューブを取れるようにしましょう、とドクターから説明を受けました
 
 
病室が移動できて良かったのは、
ICUは死と隣り合わせで、特に息子がいたICUの病棟は、事故や事件の被害者など、病気ではなく怪我で運ばれてきた人だけのICUで、
 
個室とは言え、入り口は大きく開けてある場合が多く、慌しい廊下の様子や、
 
家族の急な生死を彷徨う事故で動揺し、泣き出す家族の声など、近くの病室の様子がわかり、聞いていて辛い気持ちになったり
 
刑務所の喧嘩か何かで運ばれてきた囚人が2つ先の病室に入った際には、
 
ICUの廊下に常に警官が2名立つようになり、いつも物々しく落ち着かない場所でしたので
 
私たち家族は、病室が移動し精神的に少し楽になりました
 
また、移動した病室には、ソファーベッドとシャワーがあったので、
 
ソファーベッドで夜は寝て、シャワーまで病院で浴びられるようになり、ICUの椅子と床で寝る生活からやっとさよならする事ができ、肉体的にも看病がしやすくなりました
 
 
ここからは、長期戦…
あの頃は母親としては、いつになったら話せるようになるのか、歩けるようになるのか…
 
大学に戻れる日なんてくるのか…
 
という思いと、
 
なんとしても元の身体に戻す
という思いが交錯した毎日だったと思います
 
 
 
 
 
to be continue …
 
 
Have a good afternoon