『田茂神家の一族』で感じる懐と器 | 拝啓、ステージの神様

拝啓、ステージの神様

ステージには神様がいるらしい。
だったら客席からも呼びかけてみたいな。
観劇の入口に、感激の出口に、表からも裏からもご一緒に楽しんでみませんか。

拝啓、ステージの神様。

懐の深さと器の大きさ、感じました。

 

 

とある村、えぶり村は、村長選挙を間近に控えていた。

 

 

開演前から場内には、選挙前の合同演説会の開催告知がアナウンスされている。

劇場の紀伊國屋サザンシアターのトイレの列に並びながら、

「あらやだ、どこかのアナウンスがこんなに筒抜けじゃないの!」と一瞬思ってしまったのは、

そのアナウンスの音量が絶妙だったからだ。

 

劇団東京ヴォードヴィルショー第70回公演、

 

そして創立40周年記念興行第五弾(実のところ、もう今年は創立42年くらいになるらしい(笑)

三谷幸喜作、山田和也演出の『田茂神家の一族』を観た。

 

 

立候補者の苗字は、みーんな田茂神。

 

 

田茂神さん! と呼ばれるとみんな立ち上がって返事をしてしまうのはお約束。

でもお約束なのに笑えてしまうのは、役者の絶妙な間のせいだなと感じる。

客演は伊東四朗さんと角野卓造さん。

もう、難しいことは考えずに、ただ笑いたければ笑う、

ちょっと退屈な時は、欠伸をかみ殺す(失敬)

 

そんなことが許されちゃう懐の深さとでも言おうか。

 

ただし、座席が前から一、二列目の場合は、座長のB作さんの唾が飛んでくるかもという

若干の緊張感もついてくるのでお忘れなく(笑)。

 

さて、田茂神家一族の選挙の行方といえば、

 

実にバカバカしく幼稚なやりとりがいい大人たちの間で展開されていく。

そして、角野さん演じる一番理性的に見えた田茂神茂が実は・・・・・・。

 

ちょっと、いや明らかに何かをほうふつとさせる台詞や結末が待っていた。

 

それでもなんでも、終わった時には、「あー、何も考えなくていいや、この後お茶してから帰ろう!」

と言える感じなのは、作品の器の大きさなのかな。いや、大きさというより器の深さかな。

 

伊東四朗さんは今作でも最高の存在感。

 

カーテンコールで幕が閉まるギリギリまで、客席をあの眼でギロッギロッと見つめる感じが

とても印象に残った。

四朗さんの出演する舞台は、次もきっと観るぞ! と改めて思った次第である。




四朗さんの表情最高! あ、でも石井さん(左下)の表情も捨てがたい・・・。


いや、もう敢えてコメントはいりません。

 

<公演日程>

2015年3月7日(土)~8日(日)

福島テルサFTホール

2015年3月13日(金)~29日(日)

紀伊國屋サザンシアター