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和製ミュージカル長編映画『蝶~ラスト・レッスン~』
角川裕明監督インタビュー


撮影現場レポートに続き、ミュージカル映画監督 角川裕明氏に、この作品にかける思いや撮影秘話をインタビュー。キャストとの絆やご自身の役者人生の中での転機についてもお話いただきました。


●これまで『ユメのおと』、『埼玉家族』の中の一作品『父親輪舞曲(ちちおやロンド)』と短編作品を手がけてきて、今作が初の長編ミュージカル映画となりますが、製作に至った経緯を教えてください。
角川 
二作品を経て、次はいよいよ長編作品への挑戦を!ということで、一から共に作品を作り出してくれる仲間に声をかけ、2014年の5月から週一ペースでワークショップを開催しました。

ワークショップには、園香役のAKANE LIVさん、咲役の宮本京佳さん、鳥居泉希役の桜乃まゆこさんが毎回参加してくれていて、途中から慎次役の染谷洸太君にも加わってもらっていました。

脚本が完成したのは同年の秋頃ですが、ワークショップとリンクする形で今回の作品『蝶~ラスト・レッスン~』が生まれました。


●映画はクラウドファンディングという手法での製作支援を採用されていますね。
角川 
この作品を作りたいと考えた時に、今回は映画が出来るまでのプロセスに於いても新しい形にトライしたいと考えました。

ワークショップで僕の作品作りに賛同してくれた人たちと一緒に、また、クラウドファンディングというシステムを使いながら資金を募り、告知もしていくというのは僕にとって初めての試みです。


●『蝶~ラスト・レッスン~』のストーリーはどのようなきっかけで生まれたのですか。
角川 
脚本はこれまでも作品を共に製作している中井ゆりこさんが担当してくれているのですが、初稿の段階でかなり僕自身が描きたい内容と一致しました。それは脚本家であり演出家でもある彼女自身が日頃感じていることや抱いている思いでもあるからだと思います。

役者が一つの舞台(作品)に対峙するときに必要なこととは何か、演じるとはどういうことなのか、脚本に込められたメッセージは共感できることばかりだったので、その後の曲作りも自然にイメージがふくらみました。

「演じるとはこうあるべきではないのか、役者は自分と向き合い、自分をさらけだすことが必要なのではないか」僕自身が役者として、また演出家として思うことなのですが、これは「演じる」ことに限りません。生きていく上でも、自分と向き合い、さらけ出していくことは必要だし、それが人間としての魅力なのだ、という思いを作品に込めています。


●ワークショップやリハーサルを通して、役者自身に考えさせる場面も多かったようですが、監督として演出面で特に意識したことはありますか。
角川 
今回に限らず、僕はいつも作品の中で役者の嘘を描きたくないと思っています。もちろん役者は役を纏うのですが、その感情が嘘ではないというところをとにかく引き出したい。だから毎回、役と本人が重なった瞬間を映像で切り取ることに集中します。

今回は特に設定が自分たちに近いものなので、自分だったらこの時どう思うか、どう動くかを役者自身に徹底的に考えて欲しいということを繰り返し言いました。僕自身もこれがリハーサルなのか本番なのかは意識させないようにしていたと思います。演出時も、一人の役者に対して指示をしたり、提案する際には、同時にまわりの役者たちに何かを感じてもらえるように注力していましたね。これはワークショップを開催した経験が大きかったと思います。


●作品を作る上で迷いが生じる場面はありましたか。
角川
 映画製作に関することでは迷いだらけですね(笑)。とにかくタイトなスケジュールでしたし、こうすればもっと段取り良く出来たのにと思うことも多くて。助監督の中泉君やスタッフにとても助けられました。タイトなスケジュールという意味では、撮影期間中は役を見ながら、その奥の役者本人をいつも見て進行していました。役者と見えない会話を常にしていたという感じでしょうか。


●角川さんはご自身が役者でもあるわけですが、表現者として転機となった作品やきっかけはありますか。
角川 
一番の転機となったのは自分が映画監督・演出家を経験したことです。それまでは役者というフィルターでしか考えていませんでしたから、求められるものを履き違えていたこともたくさんありました。監督を経験したことで、役者に必要なものや、こういう役者だったら素敵だなという理想像を知ることが出来た気がして、役者としてだいぶ楽になりましたね。

作品としては、『ファントム』というミュージカルに出演した時の演出家 鈴木勝秀さんが印象的ですね。僕はアンサンブルとしての出演でしたが、スズカツさん(鈴木さんの愛称)はアンサンブルにもアイデアを求めてくださるんです。自分の好きなように演らせて、それを整理していくというスタイルでした。いろいろ考えてトライしたものをちゃんと見てジャッジしてもらえたことはとても刺激的で、やりがいもありました。
最終公演が終わった時に、スズカツさんに「演出家として、どういう役者がいい役者だと思いますか」と質問すると、「自分の予想外のことをしてくれる役者、予想を超えてくる役者とはまたやりたいと思う」と答えていただきました。これは自分が演じる上でも、映画監督として演出する上でも大切にしています。もちろん、予想を超えるためにはしっかりと準備が必要ですから、結果的に自分にとっても作品にとってもプラスになるわけです。なんでも型にはめてしまうとショボいものになってしまう、演技だけでなく人生そのものもそうですよね。


●今作の撮影中に予想外のことや驚きはありましたか。
角川 
映画は台本がしっかり出来上がっていて、監督は出来上がりのイメージが頭にあって、それに沿って作り上げていくのが本来の製作過程なのかもしれません。

しかし僕はその時に出てきた空気やアイデアをキャッチして作品に生かしていきたいと思っています。そして、それが出来た時の快感はなにものにも代えがたいですね。今回、園香が歌うラストソングは、当初予定していたトーン(発声)とは違うものになりました。それはまさに役者が役を生きていたからこその反応で、とても人間らしい心の表れでもあったので文句なく採用しました。またこれによってキャスト全員で歌うタイトル曲も、歌い方や演出を変えました。

予想を超える、計算しきれない何かが生まれたわけですが、これはミュージカル映画だからこそ起きたことだと言えるかもしれません。


●8名のキャストについて印象をお聞かせください。
角川 
いい意味で映像慣れしている役者がいなかったので、皆がすべてに対して新鮮な気持ちで取り組んでくれたのが良かったと思っています。

チャレンジ精神を持って現場に来てくれたし、何かしら「とまどい」があるところが今回の作品には必要だったので、結果的にとてもいいものが生まれたのではないかと思います。

撮影後も皆、この作品とそれぞれの役を愛してくれていて、とても素敵なキャストに恵まれたと感じています。


●改めて今、ミュージカル映画を作ることについて、そしてミュージカル作品の魅力についてお聞かせください。
角川 
ミュージカル作品というのは、時に「ベタ」といわれるストーリーも多いと思います。

きっと脚本だけ読んだら「なんてありきたりな物語なんだ」と言われるものも少なくありません。

でもそこに歌が乗ることでバランスが取れたり、音楽があればセリフを言わなくても観ている人の心にしっかり届くということもたくさんある、まさしくそれがミュージカル作品の魅力で、僕が和製ミュージカル映画を作りたい、広めていきたい理由のひとつでもあります。

まだまだ日本ではミュージカル映画は根づいているとは言えませんし、誤解も多いですが、ミュージカルという文化とエンターテインメントの力をもっと広めていくために、作品を生み出し、発表していきたいと思います。ミュージカル映画『蝶~ラスト・レッスン~』にどうぞご期待ください。



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和製長編ミュージカル映画『蝶~ラスト・レッスン~』

クラウドファンディングプラットフォーム「Motion Gallery」 において出資を募り、webによる映画配信サービス「LOAD SHOW」での6月先行公開予定


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