先日、府中美術館で開催していた
Beautiful Japan 吉田初三郎の世界 展
へ行ってきました
今月の7月7日(日)まででしたので
終了後のレポートとなります
よかったらお付き合いください
◾️展覧会 エントランス
◾️吉田初三郎(1884-1955)さんとは
大正から昭和初期に、日本各地の名所などを鳥瞰図で描き出した画家です
見ていくと、その場所に行ったつもりになる、飽きない鳥瞰図
観光とか地誌などの面から紹介されてきたのはわかりますが
最近は純粋に絵として評価されてきた作家さんです
◾️作品紹介
会場内は全て撮影禁止でしたので
会場のエントランスの看板から
●《富士身延鉄道沿線名所鳥瞰図》 昭和3年 堺市博物館蔵
真っ直ぐに走っている鉄道
本当はそうではないのですが
それによって、名所の位置関係がはっきりわかるのですね
▼部分
展覧会カタログの表紙から
右上に富士山があります
真ん中の部分に、紙のように薄い山があって、そこに扉のようなトンネルが描かれています
▼部分
曲がりくねった川の流れ
富士川の上流部分ですね
周辺がデフォルメされていて
それでいて位置関係がはっきりわかる作品
室町時代の画家であり僧侶であった
雪舟の国宝《天橋立図》(京都国立博物館蔵)を思い出しました
それにも周辺の風景は視点が違った場所から描かれていたり
お寺や名所の地名の書き込みがあったり
川ではありませんが、天橋立の内と外の海が描かれていたりします
◾️双六(持ち帰り自由)
自由に持ち帰れれる京王沿線のすごろくがありました
●《京王沿線すごろく》
見ずらいけれども
左上の四谷新宿駅(現在はありません)から府中までの双六となったいます
元の作品は《京王電車沿線名所図絵》1930年(昭和5年) 個人蔵
からです
画像はありませんが
大きな地域をまとめて描く鳥瞰図がとても面白い
中国四国地方、九州全体や
中部地方の観光図など本当に見飽きません
何かをデフォルメさせて大きく描いたり
湾曲させたり、拡大したり、縮小させたり
何んでこうなるの?というものも
よくよく見ると理由があったりして、、、
特に
●《全国野菜生産地之図》1929年(昭和4年)頃 タキイ種苗株式会社蔵
などは全国の地図なのですが
この地図が、昭和4年(1929年)に朝鮮博覧会に出品するために描かれたということと
注文主のタキイ種苗株式会社が京都にあることから
画面の中心を京都にして
朝鮮半島までまっすぐに鉄道の線が伸びていたり
日本列島を大きく湾曲させて描いていたりしています
またタキイ種苗さんが野菜の種などを扱う会社ですから
東京の練馬大根、京都の聖護院蕪、鹿児島の桜島大根などの
有名野菜の産地もそれぞれ書き入れがありました
会期は終わってしまいましたが
カタログをゲットして、拡大鏡と一緒にいまだによく見ています
年をとって目が悪くなるってイヤね
苦労ばかり多くて