東京恵比寿にある、東京都写真美術館で開催中
記憶 リメンブランス 現代写真・映像の表現
▪️展覧会 エントランス
先日お亡くなりになった篠山紀信さんの作品もあったのですが
残念ながら撮影禁止でした
とはいっても一番の目的は米田知子さんの作品
こちらは撮影可能
この写真家は推しなので、ぜひご紹介させていただきます
▪️展示風景
綿密な取材によるジャーナリステっクな視線からの作品は
歴史的背景を知れば知るほど、心に刺さってきます
だから撮影をして、記録して
その後、家や図書館などで、その写真の周辺の歴史的や地理的なことを調べると
さらに理解が深まり
またこの写真を見たくなり、またその美術館へという
蟻地獄に陥っていきます
●《サハリン島》北緯50度、旧国境 2012年 東京都写真美術館蔵
ここは、日露戦争後の日本とロシアの条約によって、
樺太島の南部が日本の領土となったため
ロシアとの旧国境の地点
旧ソ連やロシアとの第二次対戦後の政治的な流れの中で、微妙な立ち位置の存在です
一言で言えないのですが
それを何気ない風景の写真一枚で表現している気がします
●《Scean》 プラットフォーム ー伊藤博文暗殺現場、ハルピン 中国 2007年
東京都写真美術館蔵
伊藤博文という、明治の元勲が暗殺された場所
伊藤博文という人物も、国や立場によって全然違う評価をされているようですが
ここが、その暗殺された場所
何気ない風景に、時代の流れを感じさせる一枚
きっと歴史って、事件が起こったその事実より
その影響の方が大切なのでしょうね
●《DMZ》絡まった有刺鉄線と花 (非武装地帯近く・チョルオン・韓国)2015年
非武装地帯なのですが、そこには誰もいない何気ない風景と有刺鉄線
それがなければただの草の生い茂った場所
こんなところにも国際的な歴史が刻まれています
ここはこれから大きな歴史の転換点を待つ場所なのでしょうね
米田知子さんの作品は
心に刺さる作品ばかり
どんな場所にも、歴史は宿っていて
誰かにそれを見出されることを待っているようです
この人の作品には本当に心を揺さぶられます
会期は6月9日(日)まで
よかったらぜひ