娘あっこから父ひろしへの手紙 3通目
お父さんへ
今日は、私がとても辛い話を切り出したね。
お父さんが最期をどう迎えたいか確かめなきゃいけなかったから。
それによって、ホスピスや往診の出来る先生を
紹介してもらわなくちゃいけないから、
避けて通れない話だったの。
「お父さんは、これからどうしたい?もし調子が悪くなったら、
病院の方が安心?それともなるべく家にいたい?」って聞いたら、
「なるべく迷惑かからない方法でいいよ。往診ってお金かかるんじゃないか?」って。
お金の心配はしなくていいから。
お父さんは、今のところは家がいいと思っているんだね。
じゃあ、ホスピスと往診の先生を探すよ。
お父さん、私は全然迷惑なんて思ってないからさ。
あれが食べたい、どこに行きたい、ここが痛いって、
今まで一切ワガママなんか言わなかったんだから
こんな時くらい言えばいいのに。
お父さんはいつも自分を後回しにするね。
それが余計悲しいよ。
栄養が取れないのと貧血で体温が落ちているのかなあ、
寒いって言ってたね。足に触ったら冷たかった。
毎日湯たんぽ入れるから、暖かくして寝てね。
今日も、生きていてくれてありがとう。