薄青色に濡れた老婆。 | 憂いのゴキブリ

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日記の内容は全て著者の妄想です。

出来の悪いCGの草原だった。
幾重にも折り重なった黄緑色の草が、吹いていないはずの風に揺られている。


・・・僕は後ろからゼシカを犯していた。
喘ぎ混じりにマダンテを唱えようとする、小さな口を左手で押さえながら。


左を見れば、首を吊ったヤンガスの死体がぐったりと木からぶら下がっている。
しなった枝は今にも折れそうだ。


少しずつ腰の動きを僕は速めて、小さな声でべギラマと呟いてみたが何も起こらなかった。


もう少しで絶頂に達するところだったけれど、
どうのつるぎで襲い掛かってくる主人公を安物のトカレフで撃ち殺したところで、夢から醒めた。




起きてから30分もすると、見た夢はもう思い出せないくらい不透明に褪せて。
くたびれたTシャツに着替えて街へ出かけた。


電車を乗り継いでラバナスタのファミリーマートで、今流行りのポーションを買ってみた。


自動ドアを出ると、薄汚い浮浪者が身体を丸めていた。
良く見ると老婆のようだ。


僕は、

「良かったら、おひとついかがですか」

と声をかけ、手を伸ばしてきたそいつに頭から薄青色の液体を浴びせかけた。


目を丸くして少し潤ませた彼女は、怯えたハムスターのように小刻みに震えていたけれど、それ以外、別段変わった様子は無く。


「なんだ偽物か・・・」


空き瓶入れの隣にある燃やせるゴミの中へ、僕はそっと投げ入れた。