個人で不動産賃貸をやっている父母から、息子さんに賃貸不動産を移転するには、通常、贈与をするか、遺言するか、信託するかが選択肢としては浮かんでくる。

 

 財産のおおよその金額、財産構成、親族構成、収益状況及び借入金の有無、管理能力などが条件になっていずれかを選択することになる。もちろん、父母の意思を第一として。

 

 収益物件としての賃貸不動産。今回は贈与と信託を簡単にみていくことにしましょう。

贈与の場合。贈与税がかかりますし、不動産取得税がかかってきます。ただ、登記するか否かは自由に決められます。

 

 これに対して信託をした場合。贈与税の課税しはない。不動産取得税の課税はない。ただし、登記については必ずやらなければならない。

 

 これだけでみると、確かに、信託の方が良いと思われるかもしれない。しかし、相続財産が大きく、贈与することによって相続財産が減る効果を考える必要は当然でてきます。それに加えて、父名義の不動産だった場合、贈与をすることによる所得税の減少も考慮しないといけない。

 

 とすると、一概には結論を税金関係だけでは決められないけれど、プランニングをして、贈与でも対応できるか、どうかを確認する必要はあります。とはいうものの、信託財産を息子さんの名義にして、管理等を任せ、少し報酬を支払うということにすると、お父さんの負担が軽くなります。この、経済面には表れないことを父母がどう考えるかによって、もちろん、客観的年齢で、そろそろ認知症対策とはいわないものの、息子に任せて、事業に慣れてもらいたいという意図があれば、同じくらいの税金の負担であれば、信託が適切だと言えるでしょう。

 

 認知症対策、事業承継といった観点から財産管理・財産承継を適切に図り、安定した経営と老後の安心できる生活などのメリツトも考慮して総合的に判断しないといけません。その前提としては、概算での税理士によるプランニング欠かせませんね。

  

 

一般社団法人家族信託・空き家協議会 代表理事 安村 雅己
 
千代田区二番町1  209号
☎ 03-6272-3962  
 
 財産管理・承継のための家族信託に関する相談から問題解決に至る一連の業務
財産の中でも金額が大きい、空き家の有効活用のための賃貸、売却等のコンサルティング業務
空き家問題に関連する税務・法務等のコンサルティング業務等を行っています