ドラマ「アンチヒーロー」(最終感想)
この前の日曜日に最終回を迎えたドラマ「 アンチヒーロー」の最終感想です。
※多少のネタバレを含みます。すでに放送終了していますが、配信などでこれから観る予定の方はスルーしてください。
TBS・日曜劇場枠で放送。全10話。
出演は、長谷川博己、北村匠海、堀田真由、大島優子、林泰文、山下幸輝、近藤華、緒形直人、岩田剛典、神野三鈴、細田善彦、藤木直人、吹石一恵、木村佳乃、野村萬斎、他。
殺人犯をも無罪にしてしまうアンチな弁護士が主人公の逆転パラドックスエンターテインメントです。
明墨弁護士(長谷川博己)が依頼者を強引に無罪にする1話完結の法廷エピソードに縦軸として死刑囚・志水(緒形直人)の冤罪事件を描く構図かと思っていたら、中盤で1話完結だと思われていたすべての事件が冤罪事件に繋がっていることが分かってこのドラマの見方が変わりました。
政治家の息子の事件とか詳細は忘れてしまっていたので録画を消さなければ良かったと思いましたよ…。
殺人犯の緋山(岩田剛典)を無罪にしたのは志水の冤罪を決定づける証拠映像を手に入れるため。あと一歩のところで検察に先を越されて映像の入ったHDDを破壊され八方塞がりかと思ったら桃瀬(吹石一恵)のファイルから毒物の鑑定が偽造されていると目星をつけて、最後は明墨逮捕という奇策からの逆転劇は爽快感がありましたね!
かといって逆転劇の爽快感を描きたいがために無理やり強引な筋立てにすることもなく、正義とは何か、人が人を裁くことの危うさ、などといったテーマを軸に最後まで筋の通った自然な展開だったのは良かったです。そして、思ってたより社会派のドラマでした。
最終回の明墨と伊達原検事正(野村萬斎)の顔芸対決は見応えがありましたね〜笑
長谷川博己のダークな雰囲気もさすがでしたが、野村萬斎の悪役っぷりも見事でした!
瀬古判事を演じた神野三鈴さんは存じ上げなかったのですが実に良かったですね。最初キムラ緑子さんかと思いましたわ…苦笑
非常に良く出来ていたドラマで満足度は高かったですが、一つだけケチをつけるとすれば、明墨の仲間たちに色に関する名前が付いていたことで、白木(大島優子)は裏切ってないことと緑川(木村佳乃)が味方につくことが推測できてしまったのは残念でした。単なるお遊びのつもりだったかもしれませんが、そのせいで一番の見せ場である逆転劇の展開がある程度読めてしまっては本末転倒ですね。全く余計なことをしてくれたものです!(←最初は単に主要登場人物に色の名前がついてるだけかとも思ったけど、伊達原、倉田、瀬古などは違うのでね…)
最近ハズレの多いTBSのドラマですが(←個人の感想です)、たまに「VIVANT」とか本作とか傑作を放ってくるので今後もとりあえず観ないわけにはいきませんわ。笑