70年ぶりの働き方改革 | 猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

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やっと明るい未来を語る政治家が総理大臣になりました。しかし、闘いはまだまだこれから。子や孫が希望を持てる国になることを願うおやじのブログです。


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高度成長の真っただ中の大阪万博の前年に就職した時、社員の平均年齢は20歳を少し超えるくらいだった。大卒新入社員が平均年齢とあまり変わらないのである。
当時の企業には集団就職で大阪に出てきたばかりの若い社員が大勢いた。

製造業などの二次産業が経済成長をけん引したこの時代、彼ら彼女らは我が国の高度経済成長を支える大きな存在だった。ところが、経済成長と共に高校や大学への進学率も上がり、金の卵といわれるほど人材確保が難しくなったころ最初のオイルショックが起きた。

私の世代は高度経済成長時代を満喫したと思っている人も多いようだが、就職してからだと数年しか経験していない。オイルショックの波をまともに受けた工場は一気に活気がなくなり、残業も休日出勤も激減した。作れば売れる時代は終わりを告げたのである。

そして、モノが売れないならこちらから売りに行こうということになり、工場の各部門から選ばれたメンバーが全国に散らばって営業まがいのことをする。もちろん、適性があるものが選ばれるが、まったく違う仕事を知らない土地でやるのだから大変だ。

大阪弁ネイティブの友人は長期の東京の営業応援から帰ってきたとき、言葉が通じず困ったと妙ちきりんな標準語で語った。いまでこそテレビで大阪弁が飛び交っているが、当時は奇異な目で見られることも多かったそうだ

この出張で認められてそのまま営業に引っ張られた社員もかなりいたし、中にはその後に幹部になった人もいた。しかし、行った者も残ったものも、それまで経験したことのない苦労を強いられることになったのである。

そして、普通のサラリーマンには特にいいことがなかったバブルが崩壊し、消費増税などでデフレに突入すると状況はさらに悪くなる。組合があるから解雇はないが、長く同じ部門で頑張ってきた技術者が他事業所や、ひどい場合は営業やサービス部門に回される。

以前よりも経験も適性もない仕事に回される人がさらに増えたのである。
管理職として仲間を送りださねばならず、仕事は価格競争に対応するためのコストダウンばかり。個人的には精神的に一番しんどい時期だったように思う。

リーマンショックが起きたのは退職後だが、それまでの悪い流れはさらに加速し、希望退職、早期退職を採用する企業が続出した。
このように、企業とそこで働く人たちを取り巻く環境は戦後変わり続けてきたのである。

さて、ここで次のグラフを見ていただきたい。
一次(農業、林業、漁業水産業)、二次(製造業、建設業、電気・ガス業)、三次(一次、二次以外すべて)産業別就業者数の推移である。



オイルショックを境に二次産業の就業者増は止まり、高度経済成長を支えた地方から都市部への大量の人材流入も一段落する。さらに、バブル崩壊、消費増税、海外との競争激化や人手不足を背景に海外生産増などもあり、就業者は減少に転じたのである。

このグラフから、ここ60年の間、産業構造が大きく変わってきていることが分かるだろう。
冒頭から書いてきたようなブログ主の個人的な経験も、このような産業構造の変化に伴って起こってきたことなのである。

しかし、これほど産業構造も社会も大きく変わってきたのに、政府や労組の対応は後追いばかりだった。

 

デフレの継続、リーマンショック、民主党政権の経済無策などが重なり、雇用環境はさらに悪化した。
生産年齢人口は大きく減少に転しているのに、派遣切りが起こり、就職活動を諦める人も出てきたのである。
 

しかし、アベノミクスの登場により状況は大きく変わった

景気回復と共に雇用環境が大きく改善し、就職をあきらめてきた人が復活し、主婦が働きに出はじめ、高齢者が仕事を続けても、まだ足りなくなりつつある。
不景気に隠れていた潜在的な人手不足が一気に表面化してきたのである。

今回、70年ぶりに労働法制を大改正することになった背景には、そのような現状がある。
上記に述べたような大きな変化が続いてきたのに、これまでは後追いばかりで将来を全く見て来なかったが、やっと前向きな改革が進み始めたようだ。


労働法制70年ぶり大改正=改革法成立、「長時間」に懸念-TPP11関連法も
 安倍政権が今国会の最重要法案とした「働き方改革」関連法が29日の参院本会議で、自民、公明両党と日本維新の会、希望の党などの賛成多数で可決、成立した。1947年の労働基準法制定以来、約70年ぶりの労働法制の大改正。長時間労働を助長するとの懸念を残しながら、日本の労働慣行は大きな転機を迎える。

(以下略)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018062901226&g=pol


安倍総理はこの法案成立に関し、次のようにコメントしている。


「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」についての会見-平成30年6月29日
「70年ぶりの大改革であります。長時間労働を是正していく。そして、非正規という言葉を一掃していく。子育て、あるいは介護をしながら働くことができるように、多様な働き方を可能にする法制度が制定されたと、こう思っています。これからも働く人々の目線に立って、改革を進めていきたい。もちろん国会で様々な御議論があった、これを受け止めながらそういう視点に立って改革を進めていきたいと思っています。」

https://youtu.be/09TjQIc-sBI


これまで、法律的には青天井だった残業時間に上限を設け、正規と非正規の格差を是正し、職種によっては本人が希望すれば自由な時間の使い方もできる。
一部には評判の悪い「高プロ」だが、もし私が現役の技術者だったらこちらを選びたい。

70年もの間、後追い気味の手直しだけで維持してきた制度でも、変えることで不都合な点も出てくるかもしれない。安倍総理が「これからも働く人々の目線に立って改革を進めていきたい」と述べているように、実施後の状況を的確に把握しながら改善し続けることが重要だ。

(以上)
 

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