香港に住んで六年近く。
大好きだからというよりは、都合が良くて求めてる物がそこにあるから、となんだか居着いてしまいました。

英語が通じ、経済環境が整っていて、仕事があり、税金が安く、日本人に寛容で、欧米文化とアジア文化が日常生活にバランス良く混ざり合って、暖かく(暑く?)、自然もあり、安全。
住宅事情ビルはゲンナリする程よろしくありませんが、全体的には住みやすい。

中国に属しますが、イギリス統治が長かったので医療事情も金銭面に拘らなければ、今の所、欧米と東アジアの良いとこ取りで充実しています。

多くのドクターがイギリスやカナダ、オーストラリアなどでも学位を取得しており、日本で研修活動をしたとか日本のドクターと働いたことがあるいうドクターも沢山います。

総合病院病院は大きく分けて二種類。
公立病院と私立病院。大学病院というのは一箇所香港大学と提携している公立病院だけ。のハズ。間違ってたらごめんなさいね。
この他に沢山の専門医個人クリニックが存在します。

日本でガン専門医の先生方は一般的に総合病院にいらっしゃることが多く、そこでは所属する病院の方針に従い設備を利用して診療することになりますが、香港では腕の良い先生方の多くは外科医も含めて個人クリニックに。
病院所属のドクター達も方針は様々。部屋と設備を借りてるだけ、という感じ。
個人クリニックドクターの場合、手術や大きな設備が必要な検査、治療は個人ドクターそれぞれが登録している総合病院どこでも時間と金額に合わせて選んで予約できる仕組みです。ドクターが出かけてきてくれるんですね。

機器類は私立病院なら日本と同等、あるいはより最新鋭の物が並んでいます。
緊急飛び込み以外は、ほぼ完全予約制で待ち時間も30分から手違いで1時間、その程度。
このシステムの素晴らしい所は、場所に拘束されない為、患者にとっても病院側にとってもドクターにとっても、効率的にスケジュールが組めること。簡単な術式であれば翌日にでも出来てしまう。
長くても何ヶ月も待つということがありません。

検査結果が戻ってくるのもとても早く、人間ドックのような多岐に渡る検査事項に対する長めのレポートが必要でない限り、3日以内には最低でもドクターの元に最終レポートコピーが届きます。

色々な理由があって日本とは違うのでしょうが、診察待ち時間、手術を待つ期間、結果を待つ期間、短いに越したことはないですね。

こんな香港の事情に飛び付くのは、やはり中国本土のお金持ち。
医療行為を受けるためなら比較的簡単に国境を越えてやってこれるようです。
やはり医療の質、ホスピタリティのあり方が根本的に違うのでしょうね。そして、それを分かって香港にやってくる。地元でなんて手術受けたくない、と。
…普段からもう少し他を思い遣る様にすれば良いのに、サービスって何かを考えれば良いのに、と思わずにいられない。。。
やはり、香港人からは、実は看護師の方も含めて、本土の方の生活習慣や規則違反の多さがあるらしく極めて不評ですが。

この点、日本人は英語が通じればウェルカムの嵐です。他の国の方達から比べると格段にお行儀良く静かな国民性が受けの良い理由でしょうね。

難点があるとすれば、ふたつ。
一つ目は経済的負担。
当然ですが、保険に入っていないと全額負担ですから一財産お金あ~っという間になくなります。  

ふたつ目は治療の種類。
香港でのガン治療は基本、標準治療になります。手術、抗がん剤、IMRT•サイバーナイフを含む放射線、ですね。
漢方薬など伝統中国医療はOKですが、所謂代替治療は医療行為として法律で認められていません。温熱療法、免疫細胞療法は受けられない。細かい定義がアヤフヤなのでまた調べてみますね。

それぞれのメリットデメリットを考慮して、母国、居住する国、長期滞在出来る国、何処で治療を受けるのか選択肢が確かに広がります。但し、通常の生活軸は誰しも一箇所なわけで、その軸と同じでない場所で治療を長期に渡り受けるということは、かなりのチャレンジでもありますね。

どうか沢山の病気と戦う方達に優しい医療が何処でも手に入る世の中になります様に!












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