神様のコスプレ@ウナワトゥナ スリランカ | New 天の邪鬼日記

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小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

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むっちゃ嫌なやつだった。
オレのホテルから80円弁当を買いにいくのに、どうしてもそいつの前を通らなくてはならない。
屋台のアクセサリー売りである。
推定年齢50歳くらい、白髪の坊主頭で、見るからに頑固そうな顔をしている。
毎日顔を合わすので、オレもにこやかにあいさつする。
完全無視。
オレのかんちがいかなと思ってふたたび大きな声であいさつする。
完全無視。
スリランカは世界一の微笑み国なのに、こんなやつもいるのか。
こいつひとりのためにスリランカの印象が悪くなる。
「こんなやつ、いなくなればいい」
すると翌日からやつの姿が消えた。
屋台も閉まったままだ。
次の日も、次の日もいない。
ちょっと心配になって、むかいの売店に聞いてみた。
「ああ、彼なら病気で寝こんでるよ」
マジでー!
いやいや、オレのせいじゃない。
オレには人を呪いで病気にするような魔法の力はない。
オレまでくらい気持ちになった。
やつが気の毒になって、「病気が治りますように」と祈りながら歌った。
それを3日くらいつづけていると、やつがあらわれた。
屋台を開け、ちょっとやつれた姿で座っている。
オレがあいさつすると、ほんのちょっとだけ微笑んだ。
ふつうの人にかすかな微笑みだが、無愛想なやつにとっては爆笑だったのかもしれない。

こいつからオレは二つのことを学んだ。
1.どんな人にも魔法の力がある。
魔法というと迷信に思えるが、人はみんな見えない磁場をもっていて、想念は物理的な影響を他者に与えている。
海の水を抜けば、孤立した島々が陸でつながっているように、オレたちの想念も普遍的無意識によってつながっている。
だから人を憎んだり、恨んだり、嫉妬したりすれば、その悪意が他者に影響を与えてしまう。
同じように、人をほめたり、尊敬したり、好感をもてば、他者にいい影響を与える。
しかも他者に与えた影響はそっくりそのまま自分に返ってくる。
すぐじゃないかもしれないし、別の人からかもしれないので、みんな気づかないが、自分に起こるできごとはすべて自分が他者に対してやったことなのだ。
だから意識的に、人に対してなるべくいい感情をもつことが大切だ。
そうは言っても、当然自分を批判する人や好感をもてない人もいる。
そこで二つ目の学びだ。
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2.自分の前に現れる人は、全員神のコスプレだと知る。
「ライフシアター」という考え方をすると、肉体の衣装を脱げば純粋な魂がでてくる。まばゆいばかりに光り輝く魂こそが神であり、それこそが人の正体である。
どんないやなやつも、彼は自分の学びと他者に学ばせるために今世では悪役をかってでた偉い神様なのだ。
どうしても嫌なやつが現れたときのために、魔法の呪文を教えよう。
「あんた何者?」
そう心の中で唱え、そいつの肉体を透かして、魂をのぞきこむ。
「あんた何者?」という呪文は、「あんたはわたしに何を学ばせようとしてるの?」という意味でもある。
そいつのやっていることは悪いことでも、そいつは悪人じゃない。
世の中には悪人も善人もいない。
それぞれが演じる「役」だけがある

昨日はとなり町ゴールにあるスーパーマーケット「キールズ」に買い出しに行った。
トゥクトゥク(3輪タクシー)はいつも300ルピーなのに、その運転手は500とふっかけてきた。
「神様はいつもおまえを見ているぞ。いろんな人に化けておまえを試しているんだ。オレから500ルピーぶんどってもいいが、おまえがあの世で裁かれるは見るに耐えない。はい、だから300ルピー!」
振り返ると、運転手は300ルピーを握りしめ、口をあいたままこっちを見つめていた。



ライブスケジュール
幻冬舎文庫「COTTON 100%」発売記念AKIRA絵画販売中(No1.2.3.5.8が売れたので残り5点早い者勝ち)
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