新丸ビルヌーベル・エール&高円寺ライブレポート | New 天の邪鬼日記

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小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

 毎日いろんなことがありすぎてブログが現在に追いつかないよ。
 時差かよ!
 日本にいて時差かよ。
 今回は美味いもんの写真がいっぱいでてくるから、許せ。

 6月16日(土)
 広島&関西ツアーの荷物も片づかない我が家に、仙台のグラフィティーアーティスト・SWICK、デザイナーのテツ、ピロウをアートプロデューサーのユミと同僚ヤスが連れてきた。
 SWICKは仙台のグラフィティーシーンを背負うすばらしいアーティストである。友人たちとウオールペインティング・デザイン・アパレルの会社を立ち上げ、ロスアンジェルスでも壁画を描きまくってきた。
 SWICKは巨大ネアリカを見た瞬間、立ちすくみ、食い入るように見つめていた。アーティスト同士は網膜に作品が映った瞬間にその人のすべてを見抜くのよね。
 その瞬間、オレの頭に閃光がひらめいた。
 そうだ、はなびからたのまれていた絵をSWICKとネアリカでつくろう!
 16歳で事故に遭い何度も手術を繰り返してきたはなびと、オーストラリア北部カカドゥの森で浮かんだ「Rainbow Serpient(虹の蛇)」に、参加者全員で手をつなぎ祈りを捧げた。オレが中央に虹の蛇を描き、SWICKが独特の文字でまわりを彩る。さすが文字のムーヴメントと配置は見事としかいいようのない。一瞬で絵の本質をつかみ取るSWICKのおかげで、虹の蛇が回転しはじめた。
0706スウィックネアリカ

 せっかく仙台からきてくれたんだから、美味しいもんを食べさせなくちゃ。
 じゃーん、むっちゃデリシオッソなAKIRA流ワタリガニとムール貝のパエリャ。巨大コンキリオーニ(貝殻パスタ)のイカ墨和え。
0706パエリャ

 6月17日(日)「ヌーベル・エール」&高円寺パチカ村「Dai写真展」ライブ
 朝までネアリカ&ジャー・ガイダンス(コイバナ=濃い話)をしていたんで、2時間ほど仮眠をとって9時56分の快速に乗る。
 待ちに待ったフレンチだぜい!
 オーストラリアにいくまえ、新丸ビルにはいるフレンチレストラン「ヌーベル・エール」に絵を描いた。(3月3日のブログ参照
 オーストラリアにいっている4月27日に「ヌーベル・エール」はオープンし、各界から称賛を浴びている。そこで今日はじめてオレは自分の絵が飾られているレストランへいくのだ。
 東京駅を降り、まちがって丸ビルにはいってしまった。おっとこっちは前回絵を描いたイタリアンレストラン「エッセンチア」だった。
 それにしても丸ビルと新丸ビルを代表する両方のレストランに絵が飾られているアーティストってオレだけじゃん。こんな華々しい経歴のアーティストが年収50万とかで生きているってさらにすごい。しかも食いぶちは音楽だし。
 日頃はスーパーで半額シールをあさり、粗食に耐えているのに、今日はゴージャスフレンチだぜ。レストランの壁を彩る絵を描いた「画家先生」として堂々とごちそうしてもらえる。
 5階の「ヌーベル・エール」へいくと、入口で着飾った「マダム」たちが溜息をついて引き返してくる。
「本日は予約で満席のため、またのご来店をお待ちしています」
 噂には聞いていたが、「ヌーベル・エール」はすごい人気なのね。
 そんな「マダム」たちを横目に胸を張って入店する「画家先生」の快感!
 ドレッドにライブ器材のつまった小汚いバックパックでカウンターに座るオレをマダムたち羨望と憎悪が入り交じった目で見る。
「ねえ、どうしてあんな年収50万の貧民が、年収5億のブルジョアを差し置いてヌーベル・エールにはいれるの?」
 ふぁっふぁっふぁっ、そんな声が聞こえてきそうである。
 前面ガラス張りの店内からは東京駅が見下ろせる。
 おおっ、ある、ある、ある。
 黒い壁にいぶし茶のメタルフレームで飾られた木炭デッサンは、屋根が飛ばされる築80年のおれの家で描かれたものだ。
0706ヌーヴェルエール1
窓の外は東京駅真っ正面。

 この写真じゃ作品がよく見えないから、これを見よ。(ドローイング1ドローイング2ドローイング3
 もう優雅に食事をする人々に絵を指さし、「ねっ、ねっ、これオレが描いたの!」と言いそうになる衝動をぐっとこらえた。
 オーナーとこの仕事を紹介してくれた「ヴァンサンカン」の編集者亜希子ちゃんが歓迎してくれる。おまかせメニューで芸術的なディッシュがつぎからつぎへと運ばれてくる。
 またこれが天国の味なのよ!
0706ヌーヴェルエール2
「コショウ鯛と帆立のポアレ」

0706ヌーヴェルエール3
「エピスをまとった仔羊背肉のロティ」

0706ヌーヴェルエール4
「白桃とジェリーのデザート?」

 どう、やばいっしょ?
 この芸術料理がランチ3500円、6000円で食えるってすごいお得だと思う。ディナーは7000円と12000円だからね。
 オレは腹を満たすだけの料理にはケチるけど、芸術体験としての料理には金を惜しまない。AKIRAのデッサンと東京駅を見おろしながらぜいたくな時間に浸ってみようぜ。
オーグードゥジュール ヌーヴェルエール(Au gout du jour Nouvelle Ere)
千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング 5F 。電話03-5224-8070(ランチでも予約していったほうがいいよ)

 さてさて、今日の本命である親友ダイの写真展ライブがある高円寺へむかう。
 ゆったりとフレンチ気分に浸って30分も遅刻してしまった。高円寺南口のローソンを右に曲がった地下にパチカ村はあった。
 アフリカ関係の本屋パンフレットが並び、エスニックアートで彩られた店内はじつにくつろげる雰囲気である。オーナー夫婦の智太さん&晶(あき)さんもあたたかい笑顔で迎えてくれる。ううん、新丸ビルのフレンチから高円寺のアフリカへトリップするギャップにひとりで笑ってしまった。
 ダイが「僕はエチオピア専門の写真家になります」と宣言したくらい、すばらしい作品が並んでいる。聖地に巡礼する人々、子どもたちの笑顔、剥き出しの自然など、どの作品も深い精神性と人間への信頼が満ちている。この一瞬でダイの旅がどれだけ豊かでエチオピアの懐深くもぐっていったかがわかる。
 なんとこのイベントに、エチオピア大使館が動いた。エチオピアを代表する料理インジェラがふるまわれる。エチオピア特産の穀物テフを水と練って焼いたクレープのような生地で、独特の酸味がある。そこにマメのソースとピリ辛のチキンシチューがかかっている。
 これがまたむっちゃ美味いんだわ!
0706ダイ個展インジェラ

 たぶんオレの胃袋もフレンチとエチオピア料理のミックスに驚いているだろう。
 コーヒーセレモニーはまるで茶道のようだった。香を焚き、ていねいに豆を煎り、一杯一杯を優雅な動作でいれていく。
 ディジュリドゥーとマンドリン、ビリンバウ(ブラジルの一弦楽器)、タンボレーロ(タンバリン)などを自在に操る「WAWAWA」の演奏にみんなが踊りはじめる。
 ダイとオレがステージにでて「トラヴェラーズ・シェアリング」を語り合う。これはみんなで「旅の実りを分かち合おうという」とオレが発案した。

 旅は最高の教師であり、
 世界がオレの学校だった。

 路地裏の乞食からグル(賢者)にいたるまであらゆる人間がそれぞれの生き様をとおして豊かな知恵を与えてくれる。個人的な旅の経験でさえ普遍的な価値をもっている。ガイドブックにはのらない生身の体験と精神世界をダイと語り合い、みんなでシェアした。
 寿司づめ状態のお客さんに手をあげてもらうと、50ヵ国以上旅した人が5人もいたのには驚いたね。さすがダイの友だちは強者ぞろいだ。
※これからも定期的に「トラヴェラーズ・シェアリング」はつづけていこうと思う。そのうち立ち上げるミクシコミュの管理人になってくれる人はオレにメールして。(オレが忙しいので、なるべくマメな人希望)。

 オレのライブはいきなり「Traveling man」からはじまった。
0706ぱちか村


すべての大人を軽蔑し
すべての人間を憎んでた
手当たりしだいに噛みついた
狂犬のような19歳
無謀なあやまちくりかえし
無力な自分に涙した
ひとつだけわかっていることは
ここにいちゃだめだっていうことだ

I am a Traveling man
なにがいったいしたいんだ
I am a Traveling man
わからないから探すんだ
I am a Traveling man
なんでそんなに急ぐんだ
ここでくたばるか
さもなくば 逃げるかだ


アメリカっていう怪物の
剥きだしの牙を見たかった
世界を牛耳る化け物に
愚かにも挑む20歳
サンフランシスコからバスに乗り
巨大な亀の島を横切った
NYブロードウエイの安宿で
ゴキブリと祝う
Happy birthday

I am a Traveling man
なにがいったいしたいんだ
I am a Traveling man
わからないから探すんだ
I am a Traveling man
なんでそんなに急ぐんだ
ここでくたばるか
さもなくば 逃げるかだ

ヨーロッパっていう変態に
目がくらむほどあこがれた
世界を惑わすメス犬に
発情していた21歳
ロンドンパリからローマまで
あらゆる公園で野宿した
アムスの娼婦にぼったくられ
立ちションかけたベルリンの壁

I am a Traveling man
なにがいったいしたいんだ
I am a Traveling man
わからないから探すんだ
I am a Traveling man
なんでそんなに急ぐんだ
ここでくたばるか
さもなくば 逃げるかだ

インドはオレを打ちのめした
すべての価値が崩れ落ちた
バックパックを売り払い
裸足でさすらう22歳
焼かれる死体に反吐を吐き
母なるガンガーに飛びこんだ
病に倒れて死にかかり
三途の川までさまよった

I am a Traveling man
なにがいったいしたいんだ
I am a Traveling man
わからないから探すんだ
I am a Traveling man
なんでそんなに急ぐんだ
ここでくたばるか
さもなくば 逃げるかだ


ゴミための都ニューヨークへ
違法滞在で住みついた
思いきり絵を描き殴った
自由に目覚めた23歳
コカインを売りヘロインを買い
地獄の底まで堕ちてった
ホームレスから泥棒へ
どん底の極上を味わった

I am a Traveling man
なにがいったいしたいんだ
I am a Traveling man
わからないから探すんだ
I am a Traveling man
なんでそんなに急ぐんだ
ここでくたばるか
さもなくば 逃げるかだ


シルクロードからヨーロッパへ
地球を半周かけぬけた
爆弾降るなかはじめての
小説を書いた28歳
ギリシアの娼婦と恋に落ち
ジプシーに命を狙われる
パルテノンにつづく坂道で
似顔絵屋をして生き延びた

I am a Traveling man
なにがいったいしたいんだ
I am a Traveling man
わからないから探すんだ
I am a Traveling man
なんでそんなに急ぐんだ
ここでくたばるか
さもなくば 逃げるかだ


イタリアの墓場で寝泊まりし
狂った絵ばかり描いてた
ダビンチを越える天才に
なれると信じた29歳
スペイン娘に失恋し
焼チン自殺を試みた
モロッコ セネガル エジプトと
追われるかのように旅をした

I am a Traveling man
なにがいったいしたいんだ
I am a Traveling man
わからないから探すんだ
I am a Traveling man
なんでそんなに急ぐんだ
ここでくたばるか
さもなくば 逃げるかだ


すべての自由な魂へ
オレはこの歌を捧げたい
すべての夢追い人たちを
旅立たせるためここへきた
世界は豊かで果てしなく
笑えるくらいに愚かしい
世界はせつなく愛おしく
泣きたいくらいに美しい

I am a Traveling man
なにがいったいしたいんだ
I am a Traveling man
わからないから探すんだ
I am a Traveling man
なんでそんなに急ぐんだ
ここでくたばるか
さもなくば 逃げるかだ


1, Traveling man
2,愛を知らない子供たち
3,だいじょうぶマイフレンド
4,雲のうえはいつも晴れだから
5,ソウルメイト
6,家族
7,Hello may mom!
8,祝福の歌
9, 祈りの歌
10,旅立ちの歌

 「旅立ちの歌」にWAWAWAがくわわり、ダイが自らの詩を朗読する。
 日本在住のエチオピア人女性ジェニーさんの歌やエチオピアンダンザーズの踊りに盛りあがる。
 ダイの写真の視覚、インジェラやコーヒーセレモニーの味覚、オレの歌の聴覚、ダンスの肉体と、全身でエチオピアや旅を体感できるすばらしいイベントだった。
 ダイの感想はミクシで。
 前半であるエチオピア北部の写真から後半6月21日(木)~7月1日(日)エチオピア南部の写真にいれかわるので、こちらもお見逃しなく。
0706ぱちか村
 
★6月23日(土)開場18:00開演18:30 大宮「アルカスカフェ」
オペラ「虹の輪」主演:川島加蓮 助演:AKIRA
1500円。
〒330-0854 埼玉県さいたま市大宮区桜木町2-177-10 フラワーストリート(順 駅を背にして真っ直ぐ進んでドトールソニックシティ前店を右に曲がって直線で100m行った漫々停の隣)電話048-641-3395
前回ライブをやった大宮のアルカスカフェは最高にいい雰囲気だし、絶品のカレーもあるので、楽しみにしておいて。プロの舞台女優加蓮の演技と歌もお見逃しなく。
オペラ終了後にAKIRAのミニライブもありますよ。
予約メール(加蓮)

★6月24日(日)12:00~ 横須賀汐入(京急本線)
斎藤文武くんの自宅で追悼ネアリカ&ミニライブ
参加無料。
フミちゃんの自宅でネアリカを制作します。
 ネアリカに11回も参加してくれたフミちゃんこと斎藤文武くん(36歳)がなくなりました。フミちゃんといっしょにネアリカに参加した人や、いろんなイベントでフミちゃんに会ったことがある人はぜひ参加してください。
●都道府県入り
増田勝俊(東京)、貝塚克子(東京)、あゆこ(東京)、君野倫子(東京)、 里佳子(東京)、河村真友子(東京)、西久保美和(京都)、大野香奈(兵庫)矢口明子(東京)、ヤスコ(日光)、小嶋剛成(日光)、やじろべえ(東京)、吉井三智(東京)、からくり半蔵(東京)、
西沢純子(神奈川)、木村真実(東京)、真下竜介(東京)、大瀧ちか(岡山)、米木太一(千葉)
●都道府県なし
増田勝俊、貝塚克子、あゆこ、君野倫子、里佳子、河村真友子、西久保美和、大野香奈、矢口明子、ヤスコ、小嶋剛成、やじろべえ、吉井三智、からくり半蔵、西沢純子、木村真実、真下竜介、大瀧ちか、米木太一
 ネアリカに参加していない人も、フミちゃんを知らない人も参加オーケーです。
 死者は生者を出会わせるのが仕事だから。
 参加希望者はこちらにメール(美雪まで)してください。詳しいアクセスを送ります。