名古屋ライブレポート6 | New 天の邪鬼日記

New 天の邪鬼日記

小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。


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※下の「名古屋ライブレポート1、2、3、4、5からお読み下さい」
0511名古屋02photo by Jah P
 ここでヤオさんとリエちゃんとタクヤのセッションがはじまる。オレはステージから降りて聴いていた。いつもは楽屋なので観客として聴いたことがなかったので、あらためて驚いた。ヤオさんはタクヤのディジュリドゥーの呼吸や一音一音を逃さぬように見つめ、リエちゃんのパーカッションに耳を澄ます。相手ももてる以上の力を引き出し、足し算ではなく掛け算によって増幅させ、未知のグルーブへと導いていく。ヤオさんは心理学者のように観客の心の状態まで読みとる。彼らが今なにを求めているか、閉じこもった殻をどう破らせるか、眠っている野性をどう呼び覚ますか。
 北米インディアンのシャーマンは太鼓をつかって胆石を砕いたり、歌や祈りで治療する。ヤオさんは万物とcorrespondence(照応)をくりかえし、みんなを歓喜へといざなうシャーマンだったのだ。ONSENSがわずか半年でたくさんの人の心をつかみ、自分たちでさえ予想できないパワーを手にいれたのは、このヤーマン、じゃないシャーマンが導いてくれたからだ。そう気づいたとき、背筋がさわめき、熱いものがこみあげてきた。
 タケちゃんとリュウがステージにもどり、オレも立ちあがる。いよいよ名古屋のフィナーレを飾る後半戦がはじまる。
 いままで「ええじゃないか」という歌はたくさんのミュージシャンがつくってきた。どれもこれも「自由バンザイ」とか「Power to the people」とか、反戦歌みたいな生ぬるいものだ。
 ちまたに氾濫するラブソングもいいが、「愛を逃避につかってはいけない」。ヒリヒリするほど残酷な現実に瞠目し、自らの痛みをとおしてしか愛に到達できないのだ。
 時代がこの怪物のような歌をオレに産み落とさせた。
 
 「Eejanaika」

おれはあいつを殺してえ
ぶっ刺して ぶち割ってなんで悪い
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないか よいよい
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないかよ

あたし弱虫イジメたい
つっかかってぶっつぶしてなんで悪い
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないか よいよい
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないかよ

ハレハレEverything gonna be all right
Let's dance dance to the happy end of the world

おれはあの子をレイプしてえ
おっぴろげて ぶちこんでなんで悪い
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないか よいよい
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないかよ

あたし我が子を虐待したい
ひっぱたいてぶってけってなんで悪い
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないか よいよい
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないかよ

ハレハレEverything gonna be all right
Let's dance dance to the happy end of the world

おれは学校つぶしてえ
こんな檻ぶちやぶってなんで悪い
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないか よいよい
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないかよ

あたし会社を燃やしたい
あんなクズ灰になってなんで悪い
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないか よいよい
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないかよ

ハレハレEverything gonna be all right
Let's dance dance to the happy end of the world

おれは豪勢に遊びてえ
おやじ狩ってガキ強請ってなんで悪い
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないか よいよい
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないかよ

あたし豪華な買い物したい
体売っておべべ買ってなんで悪い
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないか よいよい
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないかよ

ハレハレEverything gonna be all right
Let's dance dance to the happy end of the world

おれは母さん犯してえ
かつていた子宮にもどりてえ
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないか よいよい
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないかよ

あたし父さん罰したい
かつていた睾丸むしりたい
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないか よいよい
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないかよ

ハレハレEverything gonna be all right
Let's dance dance to the happy end of the world

おれは誰かを愛してえ
ぬくもりが欲しくてなんで悪い
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないか よいよい
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないかよ

あたし誰かに愛されたい
そっと抱いてもらってなんで悪い
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないか よいよい
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないかよ

ハレハレEverything gonna be all right
Let's dance dance to the happy end of the world

ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないか よいよい
ええじゃないかええじゃないか
ええじゃないか よいよい

 いつものステージはタケちゃんにMC(話)を禁じられているのだが、なにしろタケちゃんはステージがはじまってからさらにビールを2リットルも飲んでいる。演奏が終わると「トイレいっていい?」とかけこむ。そのあいだにリュウやリエちゃんのMCを聞ける。このライブは貴重である。オレたちも「はじめて自分で演奏が楽しめた」と言っていい。
 オレはリハもいれて5ステージ分くらい歌っていたので、ヤオさんが「喉にいい」と言ってたショウガを歌の合間にかじっていた。声が枯れるどころか、歌えば歌うほど、どんどんボリュームをましている。
 全国から来てくれたみんなも、来られなかったみんなもそれぞれ事情があっただろう。その決断はささやかな一歩だけど、この伝説に参加したか否かでは100歩くらいの差ができる。
 今のONSENSはミュージシャンとしていちばん幸福な場所にいる。地元でライブを主宰してくれるスタッフやお客さんひとりひとりとコミュニケーションがとれるし、参加したみんなも大切な仲間ができる。
 これは奇跡なんだ。
 1回でも見逃すとONSENSはどんどん進化していくし、このように幸福なバランスがいつまでつづくかわからない。このスピードで大きくなっていけば、おそらくそう長くはつづかないだろう。
 これから東京、横浜、福岡、そして仙台、沖縄、関西とつづくが、マジで全部に参加してほしいし、実際全部に参加してる者もたくさんいる。オレたちが成長していくプロセスの目撃者になってほしい。
 「いつか~したい」という言葉は「今は~できない」という意味だ。時間は直線でなく、過去も未来も存在せず、連続する今しか存在しないとすれば、「永遠に~できない」ことになる。
 オレたちに明日はない。今自分で動かなきゃ世界はなにも変わらないんだ。

「Be here now」

まにあわないかもしれない
でも走らないではいらんない
Wake up be here now
今ここしかない

かなわないのかもしれない
でもやってみなくちゃわからない
Wake up be here now
今ここしかない

すりむいた傷
風が乾かし

ずっとずっと待っていたよ
きっときっと出会えるって
Wake up be here now
今ここしかない

過去も未来もありゃしない
あるのは連続する今
Wake up be here now
今ここしかない
be here now

とどかないのかもしれない
でも歌わないではいらんない
Wake up be here now
今ここしかない

愛されないかもしれない
でも愛さないではいられない
Wake up be here now
今ここしかない

あふれる涙
大地に沁みる

ずっとずっと待っていたよ
きっときっと出会えるって
Wake up be here now
今ここしかない

昨日の鎖をふりほどけ
明日に夢を預けるな
Wake up be here now
今ここしかない
Ah be here now

空間を超え
時間を超え

ずっとずっと待っていたよ
きっときっと出会えるって
Wake up be here now
今ここしかない

君とめぐり会えた奇跡
この世に偶然などない
Wake up be here now
今ここしかない
ずっとずっと待っていたよ
きっときっと出会えるって
Wake up be here now
今ここしかない

 静岡から来たハナちゃんがこんな感想をくれた。

ドジ選手権、安易な考え選手権日本代表級の私でも、気を張らないで自然でいれる空間でした。変に気を使わず、話したい時に話し、みんなの顔を見てるだけで暖かくなって、幸せ!!って感じでした。
寂しさに勝てない、劣等感がだらけなのに見せたくないので大きく見せ噛み付く。
それでもいいよ、大好きだよ。大丈夫だよ!!と殆どの歌を通して言ってくれている気がして、あたたかいものに包まれている気がしました。
帰りに、AKIRAさんが『いってらっしゃい』って言ってくれた意味すごくわかりました。うれしかったです。
AKIRAさんという家に帰って、出かける時は立ち上がる時。今ここしかない。
『なんでオ-ストラリアに、なんで旅にでるの?』という愚問も『旅に出たいから』と言えるようになってきたこのごろ。
この夏のはるかちゃんを遠くから見ていて、実家に帰ってからが本当のはるかちゃんの旅なんだなっと思った。旅に出ることだけが旅じゃないんですね?
旅立ちの日が待ち遠しいけど、今日は今日ってゆう、プチ旅なんだ!!大切にしなきゃ。

「犀の角のように」

犀の角のようにひとり歩め
赤く燃える大地踏みしめて
誰より孤独な獅子であれ
誰より自由な鳥であれ

雨と風と寒さと暑さに
打ちのめされひとり歩め
飢えと渇きと虻と蛇を
恐れないでひとり歩め

淋しくって淋しくって
ふるえる夜は
会いたくって会いたくって
君を思うよ
僕のわがまま許しておくれ
好きだ好きだ大好きだ
この地球を抱きしめたい

犀の角のようにひとり歩め
赤く燃える大地踏みしめて
誰より荒ぶる川であれ
誰より火を噴く山であれ

貪ることなく 偽ることなく
群れをはなれひとり歩め
濁ることなく迷うことなく
友を残しひとり歩め

悲しくって悲しくって
泣きたい夜は
ふれたくってふれたくって
君を描くよ
僕の想いをわかっておくれ
好きだ好きだ大好きだ
この世界とセックスしたい

犀の角のようにひとり歩め
赤く燃える大地踏みしめて
誰よりやさしい花であれ
誰より無邪気な蝶であれ

犀の角のようにひとり歩め
赤く燃える大地踏みしめて
誰より輝く星であれ
誰より大きな空であれ

汚れ 傷つき 唾を吐かれても
ただ無言でひとり歩め
笑われ見下され 罵倒されても
ただ微笑みひとり歩め

疲れ果て疲れ果て
倒れた夜は
せつなくってせつなくって
君を求める
僕の涙をぬぐっておくれ
好きだ好きだ大好きだ
この宇宙を呑みこみたい

犀の角のようにひとり歩め
赤く燃える大地踏みしめて
誰より裸の人であれ
誰より自分のままであれ

犀の角のようにひとり歩め
犀の角のようにひとり歩め
犀の角のようにひとり歩め
犀の角のようにひとり歩め

 オレたちはここに集まったみんなと なにか飛んでもないことを成し遂げようとしている。大げさに聞こえるかもしれないが、ひとりひとりが時代という怪物の触覚となって世界を造りかえていく。そのためには「地球を救う」んじゃない、まず「自分を救う」んだ。
 以前沖縄から聖地巡礼の人たちがきたときにオレはこんなことを言った。
「聖地は自分と場のハーモニーを教えてくれる。それを学んだオレたちはそれぞれ生活の場に帰り、すべてが聖地だと知る。さらに自分自身のなかに聖地があるということに気づくために聖地巡礼をするんじゃないかな」
 自分の居場所を求めて旅をすることは、ONSENSのライブにくることは、聖地巡礼に似ている。自分とちがう人々や価値観と出会うことによって、本当の居場所は自分自身のなかにあることに気づく。高崎ではオープニングを飾ったこの曲でフィナーレを迎えよう。

「ぼくの居場所」

ぼくの居場所
世界のどこかにあるかな
ぼくの居場所
いったいどこにあんだろ

ここじゃないどこか
ずっとずっと探してきたけど
ここじゃないどこか
ずっとずっと見つからなかった

ぼくの居場所
世界のどこかにあるかな
ぼくの居場所
いったいどこにあんだろ

まちがった居場所
いつだっていたたまれなかった
ぼくだけがちがう
なんで人に合わせられないんだろ

逃げてばかりいた
友だちも親も恋人も
わかりあえない
醒めたふりしてひとり落ちこんだ

ぼくの居場所
世界のどこかにあるかな
ぼくの居場所
いったいどこにあんだろ

心地いい居場所
それもたしかにあったはずだけど
なにかちがうんだ
どうして落ち着けないんだろ

認められるほど
自分じゃないってビビるんだ
慕われるほど
愛に値しないってこもるんだ

ぼくの居場所
世界のどこかにあるかな
ぼくの居場所
いったいどこにあんだろ

ささやかな居場所
君のとなりに見つけた
いつまでつづくかな
誰もわかりはしないけど

君がいればいい
いっしょにいるだけでいい
君のままでいい
ぼくがぼくのままいられるから

ぼくの居場所
世界のどこかにあるかな
ぼくの居場所
いったいどこにあんだろ

ぼくの居場所
世界のどこかにあるかな
ぼくの居場所
いったいどこにあんだろ

ここじゃないどこか
ずっとずっと探してきたけど
ここじゃないどこか
ずっとずっと見つからなかった

ぼくの居場所
世界のどこかにあるかな
ぼくの居場所
君のとなりにあるかな

ぼくの居場所
世界のどこかにあるのかな
ぼくの居場所
君のとなりにあるかな

 アンコールは鳴りやまず、引っこむ楽屋もないので、最後の最後まで温存していたこの曲をやることにした。
 オレという生を支えているのは、死んだ父や母や祖父母たちや猫たちである。みんなひとりひとりのうしろにも無数の祖先たちが連なる。祖先たちも同じように家族との葛藤に悩みながら、命の聖火バトンを手渡してきた。あたりまえに聞こえるが、オレたちの親が愛し合わなければ、オレたちはいない。毎日うんざりするほど顔を見てる親でも、一生許せない親でもいいんだ。やつらがプレゼントしてくれた命を抱えて、オレたちは今至福の時間を分かち合うことができた。

「背中」

父よ 永遠に追いつけぬ孤独な背中よ
不器用で臆病で淋しい背中よ

なぜ愛よりもひとりを選ぶの
母も僕もみんな あなたを求めてた
なぜ現実より夢を選ぶの
微笑みだけ残して

煌めく真冬の雪山
あなたは火を運びつづける
極め極めるほど
遠ざかる頂めざして

父よ 永遠に追いつけぬ孤独な背中よ
不器用で臆病で淋しい背中よ

なぜ家族よりも仕事を選ぶの
母も僕もみんな 愛してほしかった
なぜ生きるより死を選ぶの
さよならも言わないまま

燃え立つ紅色の森に
あなたは風を巻き起こす
散れば散りゆくほど
想い出は心に降りつもる

父よ 永遠に追いつけぬ孤独な背中よ
不器用で臆病で淋しい背中よ

もう一度生まれ変われたら
あなたとまた暮らしてみたい
あなたを許すときが
自分を許す日と気づいた

父よ 永遠に追いつけぬ孤独な背中よ
不器用で臆病で淋しい背中よ

憎んでも憎んでも愛していたんだ
愛してた それだけを言い忘れたんだ

愛してた 愛してた
愛してた 愛してた

 いったいなにが起こったか、自分でもわからなかった。世界中でいろんなバンドのライブにいったが、こんな異常現象を目撃したことはない。しかも自分のバンドでこんな奇跡を目の当たりにするとは予想だにしなかった。
 会場全体がすすり泣いているのだ。
 それも声をあげて。

「おやすみ」

ぼくのうででおやすみ
みんなわすれて
くろいまつげぬらして
あらいながそう

おやすみ
ひとりぼっちじゃないよ
ひとみとじればあえるよ
ここにいるよ

おやすみ
あしためざめたらきっと
あたらしいいのち
そっとだきしめるんだ

ぼくのむねでおやすみ
かおをうずめて
ひえたゆびをくるんで
うたってあげる

おやすみ
おもいださなくていいよ
ゆめだったんだ
すべておわったんだ

おやすみ
あしためざめたらきっと
あたらしいいのち
そっとだきしめるんだ

 きれいな涙だった。
 なにか途轍もなく神聖なものにふれた気がした。
 それは神とかじゃなく、
 みんなひとりひとりの「想い」だ。
 日常では思い通りにならないことばかりで、もがき苦しみ、つらいことなんか数え切れないほどあるだろう。
 それでもオレたちは運命の糸に導かれるようにここに集まり、最高の瞬間をつくりあげた。
 ミュージシャンと観客、男と女、知人と他人、あらゆる壁が溶解していき、
 裸の魂が出会ったんだ。

 ありがとう、ありがとう、素敵な仲間たち。
 また還ってくるよ。
 また還っておいで。

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