僕には一風変わった職歴があります。

それは、パチプロ。

(職と言えるかどうかは謎)

 

 

パチプロってめっちゃ自由なんですよ。

好きな時に行って、帰りたい時に帰っていい。

 

 

ただ、遊んで帰る。

一般的にはそんなイメージ。

 

 

本人としては遊びという感覚はないけど、

それで月100万円位は普通に稼げるという。

そんな話あるんかいなって思いますよね?

 

 

残念ながらあったんです。笑

 

 

ただ、当時自由もあって稼げるけど

反面「成長感が無い」

と僕はずっと感じ続けていて

 

 

こんな生活はいつまでも続けてられん!と

 

10代の終わり頃

僕は自分を変える何かを探し始めました。

 

 

 

そこで考えたのがなんと就職。笑

(考えたってなんやねん

 

 

 

ただ、まともに勤めたことがなかったから

会社に属する。という普通のことでさえも

一歩踏み出すのに「おりゃーー!!」

 

 

と叫ぶくらいの勇気が僕には必要だった。

 

 

 

そして、コンビニに置いてある求人紙を物色し

20才の誕生日の1ヶ月前、

学習教材を訪問販売する営業会社に面接に行きました。

 

 

入社当時は知らなかったけど、

その会社はイナバ物置とは大違いで

こんないわく付きのデータがありました。

 

 

 

100人入社して95人が3ヶ月以内に辞める。

(100人乗っても大丈夫!!じゃない)

 

 

 

その理由は、入社2ヶ月は基本給が出る。

でも3ヶ月目からは完全歩合、売れなければ給料「0」

 

 

なのに、ほとんどの社員は1本も売れないまま。

 

 

これじゃ辞めてって当然。

 

 

まあ怪しい会社だと思うかもですが

 

 

規模だけで見ると、全国に64支社あったし、

900人ほど営業マンのいる大きな会社でした。

(とはいえまあまあブラック)

 

 

その時面接してくれた支社長が

僕にとっては魅力あふれる方で

 

 

「営業力が身に付けば食いっぱぐれないよ!」

「どんな商品でも営業力次第で売上が変わるから」

 

 

とまだ右も左もよくわからない僕に

営業の面白さや、稼げる職業だという

「夢」を一生懸命語ってくれた。

 

 

もともと素直な僕は、それを聞いて、ではなく

その支社長の「雄弁に話すオーラ出まくりの姿」を見て

 

 

 

「こんなかっこいい大人になりたい!」

 

 

 

自信はないけど、この人の元でなら頑張れそう。

とちょっと不安を抱えながらも

その会社に入社をすることにしました。

 

 

ただ、良かったのはこの瞬間まで!

 

 

自由気ままに生きてきて

ヘタレだった19才の僕は

 

入社後、メンタル崩壊寸前まで追いやられ

地獄を見ることに。

 

 

その散々な一部始終がこちら。

 

 

入社研修後まずは商談で話すトークを覚える作業。

これが1時間30分位の台本だったため

とにかく量がハンパない。

 

これは家に帰ってから覚えること。

 

 

営業フローは、小中学生のいるお宅に

電話でアポを取り→訪問→契約という順番で行うので、

出社してからの9時~21時までは

 

 

 

終わりのない「取れない」テレアポをする毎日。

 

 

 

「取れない」というのは

当時の僕の決めつけですが、

 

 

当時、学習教材のテレアポ販売は全盛期で

一般家庭電話の名簿を片手に、

何十社という数の業者が

 

 

集中砲火のごとくバンバンと、

学生のいる一般家庭に電話をする時代。

 

 

 

営業を受けるお客さん家庭からしたら

その電話の数はたまったもんじゃない。

 

 

だから、100件掛けると

約90件は5秒以内にガチャ切り!!

 

 

「あんたどこでうちの電話番号知ったのよ」

 

 

「うるさい!二度と電話してくるな!」

 

 

「おたくこの前も掛けてきたよね?いい加減にしてよね!」

 

 

 

こんな罵声を浴びるのは当たり前田のクラッカーです。

 

 

 

常時10人以上いるテレアポのアルバイトの人も

全然取れてないし、こんなの取れないでしょ。

 

 

「こんなんどうやって取りゃあいいんだよーっ!」

 

 

毎日毎日断られ続け、

そう思うしかなかった。

 

 

まあ、今考えるとそりゃ取れる訳ない。

 

 

 

環境うんぬんの前に

スキルのスの字も無いんだから。

 

 

 

マニュアルを読むだけ。

会話もしどろもどろ。

声だけは大きく元気よかったが

 

 

良いのはこの勢いだけで

聞くからに10代という、

若い、頼りない話し方。

 

 

これでアポになったらそのお客さんの耳を、

もしかしたら節穴ですか?

 

 

と疑っていいレベル。

 

そんくらい下手くそでした。

 

 

 

そんな感じで

毎日メンタルズタズタになりながら、

帰ってからは台本を覚える作業。

 

 

 

1ヶ月経った頃には顔がゲッソリこけました。

 

 

ただ、ここで面白いというか不思議なのが

 

 

当時本当にヘタレだったのに

「辞めよう」とは一瞬も、

一度たりとも思わなかったこと。

 

 

 

なぜ、辞めようという発想すら持たなかったのか?

 

 

その理由は、ある日の出来事があったからです。

 

 

 

 

それは、入社1ヶ月後の僕の誕生日の朝礼での出来事。

 

 

支社長は、みんなの前で僕にネクタイを

プレゼントをしてくれました。

 

社員の誕生日に

誕生日プレゼントでネクタイをくれる。

 

これ自体は、どこにでもある話かもしれません。

 

でも、その朝礼で僕に向けられた支社長のコトバが

当時の暗がりに迷いこんでいた僕の意識に火を灯し、

勇気と、その後の生き方を変えるような

 

大切なことを教えてくれたんです

 

 

「みなさん、おはようございます!石田君ちょっと前に来て。」

 

「あ、、はい」

 

「誕生日おめでとう!!」

 

 

支社長がそう言ってプレゼントを僕に手渡すとと、

社員、アポインター含め25人が拍手で祝ってくれました。

 

 

「石田社員は、入社して1ヶ月まだアポは取れてないけど

トークを覚えたり大変な中、本当によく頑張ってます。」

 

 

「特に素晴らしいのは、学ぶ姿勢です。

休憩中、みんながお菓子を食べたり休んでいる間、

営業に関する本をいつも読んでいます。」

 

 

「休憩中まで仕事をしなさい。という意味ではなくて

この前向きな姿勢は、結果を出す為に必要です。」

 

 

「私は、石田社員は必ず売れるようになると信じています。」

 

 

はい。

頑張り屋さんだったのよ僕は。

と自慢したいんじゃないです。

 

 

 

今でもこの光景

心に鮮明に残ってます。

 

 

 

いったい僕はこの支社長の言葉に

何を感じたのでしょうか?

 

 

 

 

支社長から認められたことでも、

褒められたことでもありません。

 

 

 

それは、、

 

 

 

 

「他者の未来を信じるという、人へのまなざし」です。

 

 

 

 

ただ、こんな視点で理解をしたのは

 

当時の僕ではなく、何年後かの僕です。

 

 

 

実は、20才の誕生日前日、僕は当時の彼女と別れることになり、

辛すぎて会社の中でテレアポしながら今にも泣きそうな状態。

休憩中、亡霊のごとく社内をフラフラと歩いてた。

 

そんな記憶があります。

 

 

僕が仕事に打ち込みすぎて、すれ違いによる別れでした。

 

 

仕事もできない、彼女には振られる。

そんない泣きっ面に蜂のズタボロのメンタルの中、

 

支社長は、休憩中の僕の行動までよく見ていてくれて、

 

 

それを誉めてくれた。

 

 

だから、その時の喜びはめちゃくちゃ大きく

褒めてくれたことだけでも泣き出すくらいに嬉しかった。

 

 

成果に導く役割の指導者やリーダーが、

人を育てる上で、その人をしっかりと「見る」こと。

承認することや褒めること、これらはめっちゃ大切だと

 

僕は思っています。

 

 

でも、回りくどいかもしれませんが

伝えたいことはそこじゃないんです。

 

 

あれです。

 

 

 

「他者の未来を信じるという、人へのまなざし」  

(2回目)

 

 

 

これがどれほど、

魂に命を吹き込むパワーを秘めているのか?

 

 

その時はわからなかった。

 

 

しかし、5年後、ヒーラー、カウンセラー、セラピスト

として起業し、6000人の方の悩みと向き合った結果

人を癒すには、これが最も大切。

 

 

と理解を深めざる得ないというか

拍子抜けするような、

そんな興味深い経験をすることになります。

 

 

続く