一度読んだマンガをまた読みたくなる事ってありますよね。
「NARUTOナルト」なんか何度も読み返しちゃってるな
抑えても、抑えても、溢れ出すようなナルトのサスケへの熱い思いとか、大人の自分が読んでもいつも生きる為に大切な何かを教えてくれるんだよね
好きなキャラはいっぱいいるけど、その中でも特に、ペイン編に登場した雨隠れの3人が忘れられません。
雨隠れの里は、忍者の隠れ里のひとつです。
その名の通り雨ばかり降っている気候で、里の内部はビルのような高い建物がごちゃごちゃと乱立しています。
大国に囲まれた貧しい小国の為に大国の戦場にされ、国は荒廃していました。
雨はキライだ
この国はいつも泣いてる・・・
・・・弱虫だ
弥彦は言いました。
弥彦(やひこ)
3人の中のリーダー格で2人を支え戦場と化した雨隠れの里で生き抜く。
明るく希望を捨てないが泣き虫な面も。
長門(ながと)
三大瞳術の1つである輪廻眼を持つ。
内気だが弥彦と小南を守ろうとする気持ちは強い。
小南(こなん)
折り紙が得意で紙を用いた術を使う。いつも2人を冷静に見守る優しさを持つ女の子。
各国が警戒する謎の犯罪組織
「暁(あかつき)」
「伝説の三忍」と呼ばれ、ナルトの師でもある自来也(じらいや)は、暁のリーダーである「ペイン」が、かつての教え子の3人ではないかと疑い雨隠れの里に潜入します。
雨隠れの里で戦災孤児だった3人。
強く生きていく為に忍術を覚えようと、雨隠れに侵攻して来ていた他国の忍者である自来也に忍術を教えてくれるよう頼みます。
親も、頼れる大人もなく生きる子供たちを哀れと思ったのか物好きか、自来也は雨隠れに残り3人に忍術を教えてくれます。
厳しくも温かい自来也と共に暮らし修行した日々。
家族を殺され、寄る辺のない3人にとってどんなにか心安らいだ事でしょう。
やがて彼らの成長を見届けると、自来也は自分の里へ帰っていきました。
この国は貧しい・・・
この先 悲しい事もあるだろう
だが今度はお前たちの力で
この国を変えて行け
という言葉を残して。
3人は弥彦をリーダーとして売り出します。
武力に頼らない平和を作ろうという考えに多くの賛同者が集まり、組織は大きくなっていきます。
しかし、ある事件で弥彦は死んでしまうのです。
自分の命を捨ててまで一途に平和を求めた弥彦の姿は狂おしいくらいです。
弥彦を失った悲しみと怒りで、長門は「下道魔像」を口寄せし恐ろしい姿になっていきます。
この呪われた世界に本当の平和など存在しないと逆恨みし、「暁」は残虐な戦闘集団へと変わっていくのです。
長門はナルトに問いかけます。
お前はお前の正義のために・・・
オレはオレの正義のために
オレ達は正義という名の復讐へと駆り立てられた普通の人間だ。
だが復讐を正義と言うならば
その正義はさらなる復讐を生み・・
憎しみの連鎖が始まる。
人は決して理解し合う事のできない生き物だと悟らざるを得ない。
忍びの世界は
憎しみに支配されている。
最愛の師である自来也や仲間達を殺されたナルトは怒りを見せますが、長門の話を聞くうちに彼を許し、殺さないという決断をします。
同じ師を持つ者同士、自来也の信じた平和を、弟子を信じた心を、自分は信じるというナルト。
そのまっすぐな瞳に長門は昔の心を取り戻し
ナルトを信じてみると言い、死んだ者達を生き返らせ力尽きます。
小南には後日譚があります。
小さな頃から弥彦と長門を見守り、支え、信じてきた小南。
紙で作った花のコサージュをつけています。
雨隠れの里に弥彦と長門の遺体を持ち帰り、埋もれるような数の紙で作った花の中に安置していました。
長門の輪廻眼を奪い取りにきた「うちはマダラ」
長門の物狂いが乗り移ったかのような壮絶な闘いの末に小南は死んでいきます。
その時、止む事のない雨隠れの雨がやみ空に大きな虹がかかるのです。
雨隠れの海にたゆたう小南の死体から、一枚の紙がフワフワと風に舞いあがり飛んで行きます。
それはまるで小南の魂のように、昔、自来也
と弥彦と長門の4人で暮らした朽ち果てたアジトへと帰っていくのです
たとえバラバラになっていたとしても、
いつかここへ帰ってこよう。
雨隠れの里。
大国に踏みにじられ、人びとは希望を失い、雨ばかり降っている陽も射さぬ国。
その国に生まれ育ち、平和を求め、仲間を信じ、命を賭けて戦い抜いた3人のそれぞれの青春。
読むたび切なくなってしまいます
ぎじぼどせんせえ~