映画『世界は今日から君のもの』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

世界は今日から君のもの

 

 

無能企業に染まるな

 

「克服なんてしていません」その通り。そのままでいい。世間が押し付ける常識に染まる必要はない。劣等感に苛まれるのは視野が狭い毒親の悪影響。初対面の女性をいきなり襲うキモブタ強姦魔が正常な常識人なら常識なんてクソ食らえです。この物語は落ちこぼれ引きこもり少女がゲーム業界でデザイナーとしての腕を認められるサクセスストーリー。人が変わらなくとも環境が変われば関係も変わる。そうやって様々な出会いの中で利害関係が折り合う相手と凭れ合って社会は成り立っています。よく私はプロデューサーに「テメーじゃ何も作れないクセに」と憤る事がある訳だが彼らがクライアントと折衝しスケジュールを切ってくれなければ我々の仕事なんてすぐにブラック労働に陥るでしょう。自分で営業からマネージメントまで全てできるディレクターも確かにいるが私のように折衝術に劣るクリエイターはあくまでも技術アドバイザーとして打ち合わせに参加し営業やプロデューサーを介して交渉してもらう事でムチャ過ぎる条件を回避しています。そうやって自分には苦手な事でも苦にせず代行したがる人間に出会う事こそが真っ当な社会参加に繋がる。スケッチブックを盗んだデザイナーは小悪党みたいな位置付けで描かれてはいるが創作現場の実感として実は彼が彼女の自立には一番役立っているようにも思えます。ただ描きたい彼女と業界内での信頼を維持したい彼とのギブアンドテイク。むしろヒロインに淡い恋心を抱かせたディレクターのやり方は素人に仕事を振るやり方としては無責任過ぎる管理体制。切欠を与えてくれはしたがザックリと丸投げしてしまう彼の無能さが彼女の為になっているとは思えません。それにしても是枝さんの『誰も知らない』にしてもYOUは未熟でエゴイスティックな毒親を演じるのが実に上手い。

 

デバッカーを本職にしてしまう事はニートへの片道切符。絶対に蹴るべき職種。何のスキルにもならないから。デバック用AIのプログラムを組む仕事なら受けるけど。あまりにも単純で生産性が低いから真っ当な企業では真っ先にAI化が進んでいます。こんな生産性が低い奴隷労働が未だに存在するのは日本をはじめとする一部労働後進国の共産主義的な無能大企業位。最先端技術開発の誘致を蹴ってギャンブルで儲けようとする今だけ金だけ自分だけの浅ましい売国世代が退化させた企業風土。機械化よりも低賃金化で奴隷商人と化しています。そんな生産性の低い日本の労働市場を象徴するように国会で資料コピーを禁止された野党が写経するなんて事もありました。それを「大変だねえ」と与党議員が後ろから嘲笑。これこそ愚かな老害企業のマインド。誰も得をしない無駄な業務を罰ゲームのようにやらせる事で中間管理職の鬱憤を晴らしクライアントの時間を無駄遣いする横領行為。国会のクライアントは国民だから我々顧客としての選択権は限られるが日本企業の外資系クライアントはさっさとこんな無能企業は見限ります。そんな企業は倒産するのがフェアな資本社会の在り方です。スキルにならないバカでもできる職種は簡単に置き換え可能なのだから現代の労働者は能動的にスキルになる仕事を選択し労働者を飼い殺しにしようとするような無能老害企業は片っ端から蹴った方がいい。それがロスジェネの実感から云える若い世代へのアドバイス。プロ意識が低く生産性が低い連中の足の引っ張り合いによる同調圧力に諂ってスキルにならない奴隷労働で無駄な生き方をするよりは引きこもってでもスキルを磨いた方が役に立つ事もあります。だからこのヒロインのように自分らしくある事を無理矢理克服なんてしなくて良いのです。