『エグザイル』の感想from映画生活 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

2009-02-16の投稿

エグザイル/絆

 

 

仁義ある戦い

 

初めて見た時からジョニートー作品ってB級度合いやトリッキーでちょっと気障な人情味がジョンカーペンターの娯楽に似ている印象があったけど友情ドラマが多い最近は特にそれを強く感じます。特に今作での金塊輸送の警備をしていた警官とギャング団の出会いは『要塞警察』や『ゴーストオブマーズ』を連想させられました。いわゆる危機的状況に置かれ役に立たない同僚よりも立場は違っても強い者同士の共感から芽生える友情。組織を裏切った元仲間に情をかけ一緒に最後の一仕事をして金を掴ませ高飛びさせようとした事で組織に追われるハメになった4人組ギャング団が仲間を守ろうと派手に暴れまくる物語。

 

「家に帰る!」と瀕死の仲間が叫ぶシーンがなかなか熱い。まるで帰る場を失った男たちへの皮肉のようだ。帰る場所を失い追い詰められても仲間と楽しむ余裕を忘れない。ヒールでダーティでも憎めないアンチヒーローの典型。仲間の為に命を張る価値のある仲間。舌足らずなその絆を理解できない仲間の妻。やはり男の友情には女性には計り知れない所がある。彼女の誤解が更なる危機を招くが男たちは彼女を怨んだりしない。仲間の為に、仲間が愛した女の為に笑って散ってやろうじゃないか。こんな自分勝手な自由が蔓延る個人主義とモラルハザードの時代には古臭い美徳に見えるかもしれないが、それは未だに我々の胸を熱くする。