2014-11-06の投稿
あの頃、君を追いかけた
悪ガキ軍団
今平学校の先輩の作品にブルースリーに憧れた男の子が意中の相手にブルースリーのフィギアをプレゼントして引かれるってな青春映画があったけど、この作品も正にそんな感じ。万年中二病の空回り。男は強くなければならないと頑なに信じる事で大切な人をちゃんと見てやれない。その愚かさこそが青春って所だろうか。いわゆる学園ドラマ要素が強い作品な訳だが、この手のジャンルは映画よりもTVが向いてる気がします。TVは変わらない日常という妄想を植え付けるものだが映画は一度限りのお祭り。学園ドラマはお祭りには向かない。とはいえ母校の卒業制作には学園ドラマが多い訳だが、やはりそれは学校以外の世界を実感として知る人間が少ない学生が撮ったなら当然だろう。ただこの作品にもそれと似た学生的なノリを多分に感じます。授業中にオナニー対決してクラス全員にチンポを晒す羽目になったり下ネタ多めのコメディセンス。
この物語は90年代から近年に至るまでが舞台となる。すっかり忘れていたがウーイフォンの傑作ドキュメント『命』を思い出した。つまり921大地震。今となっては喉元過ぎれば熱さを忘れるじゃないけど、この作品では割とコミカルに描かれています。それも良い切っ掛けとして。この悲劇の裏側でこんなラッキーも進行していたのかって明るい気分にさせられます。ただ必ずしもハッピーな恋ではない訳だが。それにしてもクライマックスのモンタージュは長過ぎ。ほどんどダイジェスト版って感じ。そんなに丁寧に見せなくてもファーストショットにあった青いインク付のシャツの意味は誰でも分るから。それにしても主人公を中心とした悪ガキ軍団の弾けっぷりは振り切っちゃってる感じで見ていて楽しい。下手に想い出のエピソードみたいにしないで単に学園コメディとして見せた方がスッキリしそう。どちらにせよコメディとして充分に楽しめる内容でした。
