ne me quitte pas...発音してみて。 | パリと音楽と大学と

パリと音楽と大学と

パリにて声楽、シャンソンを指導。パリの音楽学校在学中より、フランス各地・ヨーロッパで様々なコンサートを経験。フランス国家公認声楽講師資格。アラフィフの物語を振り返るつもりです。

いや別に失恋じゃありません。シャンソン ne me quitte pas のこれだけで発音のことを書きます。

「私から離れないで」=「行かないで」、去らないで、という意味のタイトルで、40年くらい前に言語のまま日本でもヒットしたとか。カタカナにすると「ヌムキトゥパ」というところ。


このタイトルの中に、母音は5つあります。


e e i e a

ne me quitte pas


比較的楽に発音できる、とうか、普通に言ってたいてい通じる部分は、この中の i と a です。

残りは3つの e ....

日本語にはないくせに、仏語にしょっちゅう出てくる音で、しかも「無音のe」とかなんとか、変な名前がついています。発音紀号は、e をさかさまにしたものです。


これは日本語の「ウ」にするのが、とりあえずいちばんちかいです。本当は、もっと広いのです。その段階が過ぎたら、もっと口をだらしなーくあけた、大昔の政治家の 「あーうー」の、しまりのない音をイメージしてみてください。


①母音だけ息の流れにのせて、発音してみる。


②そのあとで、子音をのせていきます。


さて、quitterはキテであり、キッテではありません。

オリジナルの歌い方のせいだと思いますが、キットゥと、切って歌われうがいらっしゃいます。本来の動詞は、それこそ「きらない」、キとteの間はつながっている単語だ、ということを頭の隅にとどめておいておくと、息もつなぎやすくなります。きっと。「ッ」はフランスの音ではないのです。


ひと文で、こんなに長く蘊蓄をたれてしまいました。Ne me quitte pas !