Vol.292-1/2に続けてご覧ください。
<ぶらり気まぐれsketchシリーズ>
1-⑱:ことでん志度線《今橋駅~琴電志度駅》
志度線は総延長12.5KMで、駅は16(瓦町駅~琴電志度駅)、瓦町~琴電志度を約35分で運行します。
テーマを表す写真
▼今橋(いまばし)駅、今橋駅のホームと車庫
日本の電車は左側通行が常識だが、ことでんは、52駅中4駅が右側通行。
100年前の始発駅今橋もその一つ。
松島二丁目駅は、明治の駅舎は記念撮影したくなるおしゃれな洋館。
旧志度街道千代橋まで続く松島商店街の賑わいに大きな花を添えたが、500m先に旧出晴駅が完成し、わずか3年で始発駅の座を奪われた。
100年前創業時に最新型だった1型車の最高時速は25マイル(約40km)。現在の電車は時速100km以上でも平気だが志度線はカーブなどの関係から60km制限。特に今橋から沖松島まではカーブが多いので速度はせいぜい30km台前半。
となると100年前も今も到着時間に差はなかったかもしれない。
▼春日川(かすががわ)駅、潟元(かたもと)駅
駅北東の春日川べりは野鳥の楽園。
100年前ものどかな干潟に水鳥が群れていたことだろう。
潟元駅の東徒歩8分、1953年建設の屋島陸上競技場は国際大会も行われた由緒ある施設。
老朽化と狭さがネックで県営から高松市営となった。現在はサッカーJ2のホーム化も断念、2種公認競技場としての再生を待つ身。
▼琴電屋島(やしま)駅、古高松(ふるたかまつ)駅
琴電屋島駅はクラシックな雰囲気のかわいい駅舎が観光客に人気。旧来の駅舎は屋島グラウンド駅として使用された。2009年、近代化産業遺産に認定。
古高松駅の南徒歩15分、真言宗御室派「喜岡寺」は16世紀まで高松郷にあった高松城(別名喜岡城)の本丸跡にある。境内に頼邑と唐人弾正、片山志摩の3武将の墓がある。
▼八栗(やくり)駅、六万寺(ろくまんじ)駅
八栗駅の東徒歩7分。真言宗「洲崎寺」はお遍路ツアーに欠かせない番外札所。四国八十八カ所巡りを広めた江戸期の僧・真念の墓がある。
毎年の「石あかりロード」では恒例のライブ公演が開かれる。
六万寺は駅北東徒歩10分。宝亀年間(770~780年)に除疫祈願の霊験を現し、領民6万人が1戸1体の仏像を奉納して「六万寺」の名が生まれた。
▼大町(おおまち)駅、八栗新道(やくりしんみち)駅
大町駅の東徒歩10分。真言宗「開法寺」は八栗寺の末寺で、古くは六万寺の支院だった。
宝物の「板彫阿弥陀曼荼羅(まんだら)」は国の重要文化財。
八栗新道駅はJR高徳線讃岐牟礼駅と国道11号を挟んでほぼ同じ場所にある。
志度線はこうした高徳線との路線重複があだとなり、第二次大戦中の1945年1月に八栗~志度間が廃止され、レールは戦時供出された。
昭和24年に復活するまで線路は通勤者の専用道になった。
▼塩屋(しおや)駅、房前(ふさざき)駅
塩屋駅は塩竈(しおがま)神社へ北徒歩5分。遺構は確認されてないが、塩屋の名前や古文書の記録から塩田があったとされる。「天保8年(1837)11月」の石の鳥居があり、天保期には4町歩ほどの塩田があったと伝えられている。
道の駅「源平の里むれ」に隣接する房前公園に、旧琴電の1926年製「335号電車」が展示保存されている。同社の開業時に自社オリジナルとして新造した3000形電車。座席数40、定員96人。琴平線を振り出しに志度線、長尾線と転属し、2000年8月まで80年にわたって活躍した名車。
▼原(はら)駅、琴電志度(しど)駅
原駅から琴電志度駅にかけての旧道沿いはカキ焼きの店が15軒ほども集まるカキ焼きの聖地。県外客には強火で焼いた熱い鉄板にシャベルでカキを盛り上げて焼く元祖カキ焼きが衝撃度ナンバーワンだろう。
86番札所「志度寺」は広大な寺域を持つ東讃随一の名刹。本堂、山門、本尊十一面観世音、不動明王、毘沙門天は国の重要文化財。
能「海士(あま)」の題材となった「海女の玉取伝説」でも有名。
取材の動画
志度線全線の動画で、今までのシリーズ取材時の写真に加え、駅構内への入線時の写真は、フリーきっぷを使って撮影したものをWindows Live ムービーメーカーで編集し、WMVファイルに変換した上で、YouTubeにアップロードしたものです。電車の中からガラス越しのため、ピンボケなど見苦しいのはご勘弁を。
<再生時間:10分強>
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次報は2つ目の路線、長尾線を案内します。
--今報了--



















