意識のあるうちに、逢っておいた方が・・・ということで、
遠方からも親戚が、この連休に病室にやってきました。
『できることなら、変わってあげたい・・・』なんて、よく聞くけど、
誰も苦しんであの世になんか行きたくないよね。
肉体は永遠ではない。
だからこそ、精神でつながっていたいと願うのだ。
生きているうちは、ぶつかり合い、相手のことが憎く思えても、
いざ、自分の目の前からいなくなると思うと、心にぽっかり穴があくような
そんな気持ちになるのです。
多くを求めちゃ、だめ。
あなたに出会えただけで、幸せでした。
ただ、ほんのもう少し、元気なあなたと一緒に過ごしたいだけなのに・・・
からだはいれもの
からだはいれもの こころのいれもの
いつかこわれて土にかえる
死ねばからだは役目を終える
夏のセミのぬけがらのように
からだはこころを守っている
こころはからだをいつくしむ
摘んだ花はすぐにしおれる
摘まずに見つめる花は長生き
からだがほしいと思うものと
こころがなりたいと願うもの
ふたつはときにぶつかり合う
火と水のように
谷川俊太郎 詩集『すこやかに おだやかに しなやかに』より