易経一日一言は8月8~9日の2日分です。
※易経一日一言を一年間通して読まれれば、
易経に書かれているおおよその内容を把握出来ます。
 

~帝王学の書~8月8日の『易経一日一言』(致知出版社)

 ☆慎独(しんどく)のすすめ
     ―夕べに てき若(じゃく)たり☆

 
夕べに てき若たり。
あやうけれども咎(とが)なし。
          (乾為天)
 
日中はひたすら前向きに物事を推し進めるが、
夜独りになったときには畏(おそ)れ悩むほどに一日を省みる。
そのようであれば、地位が危うい時であっても、
落ち度があって咎められることはない。
 
一つの道を究めるためには、
自らの危うさに学び、反省することが求められる。
 
物事の基礎を身につけ、ある程度できるようになると、
気が緩み、些細なミスを起こすようになる。
これを放っておくと重大な事件につながりかねない。
 
失敗に学べというが、夜独りになったときに、三十分でいいから、
細心の注意を払って、その日の自分の行動を省みる。
「今日は本当にこれでよかったのか、もっといい方法はなかったか」と
繰り返し反省し、直すべきことがあれば次の日に実践する。
このような反省が人間を育て、その人の技術や質に、
より一層磨きをかけることになる。
 
「てき若」とは
畏れかしこまり、独りを慎む(慎独)こと。
客観視する技術でもある。
 
 
 
 
~帝王学の書~8月9日の『易経一日一言』(致知出版社)

 ☆時を畏(おそ)れる☆
 
故(ゆえ)に乾乾(けんけん)す。
その時に因(よ)りておそる。
             (文言伝)
 
終日勤勉に努力する。
いかなる時も畏れ謹むことを忘れない。
 
無駄に時が過ぎるのを惜しみ、今、何をすべきか、
その時々に徹して、今という時を活かしきることが大切である。
 
過ぎてしまった時は二度と戻ってこない。
一瞬たりとも無駄にしないために大切なのが、
時を畏(おそ)れるという姿勢である。
 
        ​『易経一日一言』(致知出版社)