「防災クイズ」を作成しました。
■既存の防災クイズに不満
以前の記事
で書いた内容とかぶるようですが、既存の防災クイズを見てみると、大抵のものが
Q:地震が発生した場合に、最初にすべきことは何でしょうか?
Q:家具の転倒防止に有効な対策は何か?
Q:エレベーターに乗っているときに地震が発生したら、何をすべき?
Q:新耐震基準の建物とは、いつ以降に建築された建物のことなのか?
等の問題となっています。
勿論、これらも非常に大切で、絶対に身に着けておいていただきたい知識です。
ですが、もっと重要で、そもそも被害自体を軽減できる対策があるのです。
■最も重要で、一番効果のある防災対策は?
このブログでは何度も繰り返していますが、
そもそも地震の被害というのは「地面が大きく揺れる」から発生する訳です。
地面が揺れなければ
→建物も壊れない
→家具も倒れない
のだから、家族が負傷するという事態も防げます。
大地震が近くで発生しても、全く揺れないというのは無理ですが、震度7にはならないで済むエリアがあるというのは、分かってきています。
※断層型の地震が直下で発生してしまったら難しいですが。これは誰も把握できないので(運なので)、考慮外とします。
この揺れが比較的小さく抑えられる可能性がある「安全な場所」に住むことが、最も重要で、一番効果のある防災対策なのです。
■安全な場所に住む
特にファミリー層には、絶対にこの「安全な場所」を選んで欲しいと思っています。
大きな地震が起こると、家族のいる家が土砂に流され、「なんでこんなことに、、、」と嘆いている被災者の映像を見ます。
同情はしますし、残酷な言い方ですが、原因はハッキリしています。
裏山が急傾斜地になっている場所に住んでいたから、です。
わざわざ被災者のキズをえぐるような例を挙げているのも、このような被害を今後は出して欲しくないからです。
「安全な場所」に住むだけで、被災リスクを大幅に軽減できます。
■「安全な場所」とは?
では、「安全な場所」というのは、どのように把握すればいいのでしょうか?
それは、次に挙げる「災害危険箇所」に当てはまらない場所です。
●地震時に揺れやすい地盤である可能性があるエリア
→「J-SHIS Map」で、表層地盤増幅率が”1.8”以上であるエリア
●歴史的に最も新しい地層である「沖積層」が厚く堆積しているエリア
→「都市域の地質地盤図」の「沖積層基底面」で、黄色~緑色のエリア
●液状化の可能性がある地域
→「東京の液状化予測図」で、黄緑色以外のエリア
●高台でも注意が必要な場所
→「埋没谷」「盛土地」「崖地などの急斜面地」等
以上の「災害危険箇所」に当てはまるか否かは、WEB上で確認できます。
家族の命が掛かっている問題なので、住まいを探す際には、これくらいは調べましょう。
■建物に関する注意点
「安全な場所」が把握できても、揺れに弱い建物に住んだのでは、地震が来ても安心などといえないので、建物関連の問題も3問入れました。
ですが、上述したように、地面が揺れなければ建物は壊れないのです。
建物の問題も「安全な場所」に住むといううことが前提となります。
東日本大震災でも、マンションの被害に違いがみられたのは、「新・旧の耐震基準」の差よりも、「高台や低地」などの地形(地盤)の差でした。高台にあるマンションは、旧耐震の建物でも大きな被害がないというケースが多く見られました。
「RC造の建物なら安心だ」とか「免震構造なら安心だ」ではなく、建物というのは、「安全な場所」を選んだ後に、その安全を更に後押しする要素だと考えていただきたいのです。
ズブズブの軟弱地盤が地下30m以上続くような、プリンのように柔らかい地面の上に建っていたら、そもそも基礎杭が破損する可能もありますし、基礎が傾いたら「免震構造」も意味がないですよね。
とにかく、まずは「安全な場所」に住むこと。
これを訴えるために、クイズ形式にしました。