埼玉県八潮市にある県道54号線の中央一丁目交差点で道路の陥没事故が起きました。

 

詳細は分かりませんが、陥没した穴の側面はきれいな壁になっているように見え、地下に人口の工作物があったのではないかとも推測されます。

 

さて、推測だけでは意味のない情報なので、公開情報から事故現場の地盤を見てみましょう。

 

中川低地の地盤は悪い

八潮市は「中川低地」のど真ん中にあります。

「中川低地」とは、文字通り中川の流域に広がる低地帯です。

中川は、江戸時代初期まで利根川や荒川の本流だったので、流域には分厚い沖積層が形成されています。

 

さて、今回の事故の場所です。

国土地理院地図の「土地条件図」で見ると、赤い斜め点線で示された「低地」であることが分かります。

 

因みに、標高は2.8mほどのようです。

東京湾から20kmほど離れているのに、標高が3mもないんです。ちょっと驚きですよね。

昔々、この辺りは海(奥東京湾)だったと知れば納得ですが。

©江戸東京博物館

 

この場所をJ-SHIS Mapの表層地盤で見てみると、

と、見事に一番揺れやすい地盤を示す濃いピンク色のエリアに位置しています。

地盤増幅率は「2.47」と、全国的にみても最悪レベルの数値です。

大地震が発生し、震源がそれなりに近かったら、震度7となる可能性が高い場所です。

 

今回の道路陥没事故の原因は不明ですが、地盤の悪い場所では陥没事故が起きやすいのも確かです。

 

過去の陥没事故

以前の記事でも取り上げた外環道のトンネル工事で陥没した「つつじヶ丘」や「横浜」も地盤の悪い場所でした。

 

 

2016年11月に陥没した福岡県の「博多駅前2丁目交差点」も、地形が「氾濫平野」や「自然堤防」です。

 

 

まぁ、杜撰な工事が行わたことが原因であることが多いのですが、地盤が悪いと、工事の難度が上がり、陥没事故を招くという面もあるように思えます。

 

このように、大きな地震がなくても陥没したりするような地盤の悪い場所には住まない方がいいです。

 

上の方に、縄文時代の東京湾の地図を掲示しましたが、縄文時代でも陸地だった場所を選びましょう。