連日、「線状降水帯が発生した」「大雨特別警報が発表された」「危険水位を超えた」等と大雨が西日本でニュースになっています。

被害に遭われた方々には、心よりお見舞い申し上げます。

 

このような災害を対岸の火事とせず、不動産の購入を検討している方は、その場所の浸水リスクを調べることが必要です。

浸水リスクを調べるのに、最も有用なサイトが、東京都建設局が提供してくれている「浸水リスク検索サービス」です。

 

 

「浸水リスク検索サービス」のすごいところ

1.浸水深がピンポイントで表示される。

浸水リスク検索サービス」が公開される前は、区役所などが公開している「洪水ハザードマップ」を見るしかありませんでした。

紙のハザードマップの一番の問題点は、「色が分かりにくい」ことでした。

浸水深が、浅いところから深いところへ、「黄色」「橙色」「オレンジ」「赤」のように色が変化するのですが、その場所が「黄色」なのか「橙色」なのか、分かりにくいことが多かったのです。

 

重要事項説明書での説明が義務付けられてから、区役所のホームページからダウンロードできる「ハザードマップ」の解像度も大分よくなってきましたが、我々のように義務付け以前から、浸水リスクの説明をしてきた者にとっては、この解像度の低さは本当にストレスでした。

 

分からないことを、「分からない」とお客様に伝えたのでは、リスクを感じようがないので、都度役所に電話することになります。

 

「住居表示で、XXの〇丁目△番地□号なのですが、これって、浸水深最大1mですか、3mですか?」

 

と。いちいち電話しなくてはならないってのは面倒で仕方なかったです。

 

浸水リスク検索サービス」が画期的なのは、ピンポイントで浸水深が表示されることです。

浸水リスク検索サービス」を開くと、上下の2画面に分かれています。

上の画面で、位置を特定すると、下の画面にピンポイントで浸水深が表示される仕組みです。

 

この浸水深を表示しているメッシュも非常に細かくて、公開当時、役所がよくこんな思い切ったことをするなぁと感心したものです。

 

正直、この浸水深は正解ではありません。というか、このサービスが想定している通りの降水量の雨が降ったとしても、この表示通りに浸水する場所は少ないでしょう。

ある場所では想定より深くなり、ある場所では想定より浅くなる。当然です、自然が相手なので。

 

それを恐れずにピンポイントで浸水深を公開した"勇気"に拍手を送りたいと思っています。

 

この浸水深の読み方は、この表示された数値が当たるかどうかではないんです。周囲も見た上で、浸水の傾向を掴むことが目的なのです。

 

ピンポイントで「浸水深1.0m」と表示された場所を見て、「あぁ、浸水リスクが1.0mだから、1m盛土しよう」というのは的外れです。

そこが、昔の川筋に掛かる土地なのであれば、予想を超える大雨が降ったら、表示されている浸水深を超えることは「有り得る」と考えなくてはなりません。

 

要は、隣の土地とこっちの土地のどっちの方が浸水リスクが高いのかという目安を提供してくれているという点で(こんな細かい情報を提供してくれているという点で)本当に画期的なのです。

 

2.地図がきれい

そして、「浸水リスク検索サービス」は地図が本当にきれいなのです。

上記の画面キャプチャでも表示した、大田区の矢口渡駅の東南方にある、環八通りと東急多摩川線が交差する地点を例に挙げます。

 

【大田区のホームページからダウンロードできる「防災ハザードマップ」】

アンダーパスであることの注意アイコンはありますが、この場所の最大浸水深が何mなのかは分かりにくいです。

 

同マップの凡例では、

となっていますが、色が近くて判別しづらいです。

 

【浸水リスク検索サービス】

「浸水リスク検索サービス」の地図は、解像度が高く色が鮮やかで、このアンダーパスの辺りが紫色になっていることが一目瞭然です。

 

そして、1.で説明した「浸水リスク検索サービス」の下画面を見れば、最大浸水深が「5.71m」であることが分かります。

 

繰り返しますが、この「5.71m」の数値の正確性を問題にすることは無意味です。

このマップを見れば、どこか一番深く浸水する可能性が高いのかが一目瞭然なのが”すごい”のです。

そして、その浸水深の目安を非常にハッキリくっきりと1㎝単位で表示してくれます。

※あくまで"目安"として使いましょう。

 

こんなにきれいに、ピンポイントで「ここが危ない!」と表示してくれるマップを東京都が提供しているということが本当に画期的なのです。

解像度が低く、物件の場所が特定しにくいと、リスクもぼやけてしまいます。

 

物件調査の際には、地形図の次に、必ずこの「浸水リスク検索サービス」を開くようにしてください。

 

「浸水リスク検索サービス」の注意点

ただ、注意点もあります。

このサイトで表示されるのは「中小河川の氾濫及び内水氾濫」で想定される浸水リスクです。

 

多摩川や荒川の大規模氾濫、津波や高潮による浸水などについては想定していませんので、それらについては、別途調べる必要があります。

 

とはいえ、ほとんどの立地で、この「浸水リスク検索サービス」が最高の浸水リスク検索サイトであることは疑いようがありません。

 

弊社で運営している「防災マンション東京」では、この「浸水リスク検索サービス」のきれいな地図を、東京都建設局河川部の許可を頂いてキャプチャ画像として使用しています。
使わせていただいているからという理由でのヨイショ記事ではありません。(笑)
浸水リスク検索サービス」を見ていただければ分かります。