「不動産鑑定士」などという肩書きをぶら下げて歩いておりますと、「先生」と呼ばれることがございます。
先生と呼ばれるほども偉くなく
酔って夜の街を歩いておりますと、キャバレーの呼び込みの方が、
「そこの先生、ちょっとちょっと」
太った人には「社長」、痩せている人には「先生」なんて呼びますね。
私の場合、すっかり「社長」の方に近づいておりますが...。
昔から、「先生、先生」と呼ばれる人に偉かったためしはない、なんてことを言います。
「先に生まれる」と書いて、『先生』
口の悪い人は「先(ま)ず、生きてる」
ひどい人になると「先に生(は)えてる...」
・・・これは、「知ったかぶり」が出てくる噺を演るときの落語の小噺ですが、上手いことを言うものですね。
士業同士でもお互いを「先生」と呼び合う習慣があるのですが、中には「先生」と呼ばれるのを嫌って
「『さん付け』で呼んでください」
なんて謙虚な方もおいでになります。
でも、この人は「さん」で、この人は「先生」で、と使い分ける方も大変で、誰からも尊敬されているような真の「先生」に、うっかり「●●さん」なんて(馴れ馴れしく)呼びそうになっちゃったりして、心配で夜も寝らんなくなっちゃいます。
実るほど、頭を垂れる稲穂かな
私は、学生時代に教育実習に行ったり、学習塾で講師をしていたことがあるものですから、「先生」と呼ばれることに、すっかり慣れきっちゃってまして、謙虚さの欠片もありませんね。
でも「先生、先生」と呼ばれているうちに、刷り込まれて「ちゃんとやんなきゃ」という責任感が芽生えてくるだろう、と前向きに考えることにしています。
何より、クライアント(仕事を依頼してくださる神様のような方々)は、私を信頼して相談してくださるのですから、自信を持って、胸張って「先生」を振舞っていた方が、むしろ安心して仕事を任せていただけるのではないでしょうか?
「いや、先生はやめてください。私そんな立派なもんじゃありませんから...。」
「えっ、そうなの?じゃあ、この仕事はよそにお願いするとしよう。」
これじゃ何にもなりません。
無論、踏ん反り返って偉そうにしているようではいけませんが...。
あかつき鑑定
不動産鑑定士 四方田 修
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