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この国のかたち 5巻

司馬 遼太郎
この国のかたち〈5〉1994~1995

日本、日本人とは何か?

それは、今の日本人を示す事であって、この今の日本人をどこから見つけたらよいのだろうか?

どうも、司馬さんはこの目線で「この国のかたち」を書いているようである。


我々も、江戸時代の日本人と、戦国・織豊時代の日本人が違う事も理解しているし、戦前の日本人と、戦後の日本人が違う事も知っている。そうすると、今の日本人をどこから求めたらよいのか?難しい問題である。例えば、物質的なものは遡り探る事ができるが、人間の精神構造となるといささか不透明となります。


この5巻においては、「神道」「宋学(朱子学など)」をメインに探りだしている。

神道が、我々の精神に何を与えたのか?それを書いてあります。この神道においては5巻だけに限らず、様々な巻において書かれています。非常に興味深いです。


そして、形而上学的な宋学となりますが、これがアジアに与えた影響、日本に与えた影響を書いています。

神社の系譜

宮元 健次
神社の系譜 なぜそこにあるのか

神社の系譜。


自分では、あまり買わないジャンルです。

たまたま、図書カードを貰ったので購入してみました。


内容は、神社がなぜそこにあるのか?神様とは何かを解き明かしている本です。

太陽暦であったり、時の権力の祈願であったり、陰陽道であったり、様々な要素によって設置されていると書かれている。

まぁ、哲学や思想が背景にありますよという事です。


まぁ、まぁ、面白いです。

ちなみに、Amazonでは高評価です。

漫画の日

すっかりご無沙汰です。


気力、体力が充実しなく、惰性で生きている今日この頃です。

さて、本のレビューですが、本も同様でして読んでいるものがない。

というか、家にある本をかいつまみ読んでいる状態です。


では、その中からご紹介をいたします。


手塚 治虫
Black Jack―The best 12stories by Osamu Tezuka (1)

まずは、「ブラックジャック」

あのコミック本よりも、小さい本ですね。

著名なのでレビューを書くまでも無いですが、私はブラックジャックがあまり好きではない。なぜなら、暗いからです。ここまでシニカルに書かなくても良いのではないかと思います。子供の頃に、これを読んで人生や死の怖さを知りましたね(笑)まぁ、もっとも医者という、人間の生死と関わり高い仕事なので、否が応でも死というものに向かい合わなければならないストーリーになってしまう。



秋本 治
こちら葛飾区亀有公園前派出所大入袋 (1)

次は、「こち亀」の「大入袋 こち亀」

これを読んで驚くのは、こち亀のキャラが、年代により大きく違うと言う事です。

初期のキャラは全員がボケキャラですが、中期には両さんだけが異常な強靭キャラになり、周りは普通になる。そして、現在は、両さんが異常な軟弱キャラになる。この中で唯一変わらないのは、大原部長だけでした。


しかし、息の長い漫画です。年代を問わずに話題にできる漫画ですね。



漫画ばっかり読んでいる今日この頃でした。

新世代ビジネス、知っておきたい60ぐらいの心得

タイトル: 新世代ビジネス、知っておきたい60ぐらいの心得
著者:成毛 真

成毛さんという、もとマイクロソフトの社長さんが書いた本です。タイトルで行くと、項目ごとに新世代ビジネスの心得のような事が書かれているかと思いますが、実はそうではなくビジネスマンの心得のような事が書かれている。ですから、タイトルは「ビジネスマンの心得60」と言う方がしっくりします。

同意が出来たのが、上場企業が全てが凄いのではないという項目ですね。私も、上場基準が甘いんじゃないかと感じています。それは近年の事件をみてもそう感じた人が多いと思います。サントリーは上場していない企業で有名ですが、サントリーが上場していないからと言って無名でもないし、弱小でもないし、いい加減な会社でもない。ただ、日本の場合には銀行が貸し渋りするから、上場で資金を集めなければ成らないと言う側面はありますね。

また、面白いのがアメリカがグローバルスタンダードではないという考えです。これも私も同感です。特に教科書的な資本主義は、アメリカには悪結果を落としている。その最大のものが貧富の差だと思います。最近、日本では「格差社会」「勝ち組・負け組」なんて言葉で問題になっていますが、バブル後にアメリカを真似始めた結果、こんな所まで同じになってしまった。

何もかも真似る必要もない。

ちなみに、発行は2000年ですので内容的に古くはあります。

星:★★★☆☆

機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (13)

タイトル: 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (13)
著者:安彦 良和, 矢立 肇, 富野 由悠季

ガンダム。

13巻が出ました。しかし、長い。長すぎる。物語を新たに付け加えているので、本当に長い。今回は、コロニー落としが主軸です。「コ、コロニー落とし?」と思う方は、Wikipediaをご覧ください。

しかし、ギレンの野望は暗い。


星:★★★☆☆

人間はどこから来たのか―地球環境と人間の歴史

タイトル: 人間はどこから来たのか―地球環境と人間の歴史
著者:森戸 潔

非常に平易な文章で書かれた本で、科学絵本の編集をしていた人が書いただけあって、スパッ!と最初から最後までを一気に読めてしまう。表紙にも「小学校高学年以上の人が読めるよう、書かれています」と記されているのが納得できます。

内容的には、宇宙の始まりから、人類の誕生あたりまでを書いてあります。

面白いです。甥姪に「どうして?」「なんで?」と聞かれたときに説明ができるようになりました。しかし、東大に行くと言い出した甥の頭の方が、私より知識が深そうなので何処まで持つのやら。


星:★★★★☆

「紫の牛」を売れ!

タイトル: 「紫の牛」を売れ!
著者:セス・ゴーディン, 門田 美鈴

紫の牛を売れ!この世界には紫の牛が居る。それを探して億万長者になろぉー!という本ではないです。サービス・商品にイノベーションを起こせと言う事です。イノベーションとは革新ですが、マーケで言うと、イノベーター、アーリー・アドプターに対して商品を売っていくことが、多産時代には適した戦略ですと言う事です。

それで、イノベーターとはいわゆるオタク(オピニオン・リーダー)です。
オタクというと秋葉の人たちをイメージしますが、そうではなく全般的にあるサービス・商品に対して深い知識をもっている人間の事で、その人たちは一般の人たちよりも先んじて先進的なものを好む。その人たちをターゲットにしたサービス・商品を作るべきだと言う事です。

この理論は「イノベーター理論 」と言われて、ブームを作る、または新興企業がとる戦略ですが、そこには革新的で、先進的なものであるという条件が必要となります。

ですから、紫の牛とは、革新的、先進的なものを意図する言葉です。

著者は「バイラルマーケティング 」「パーミションマーケティング―ブランドからパーミションへ 」で有名なセス・ゴーディンです。この本を読んで興味を持ったら、「シンプルマーケティング」と「ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する 」を読むと、より深い知識を得れるでしょう。


星:★★★☆☆

できる人とできない人の小さな違い

 

タイトル: できる人とできない人の小さな違い
著者:ジェフ・ケラー, 弓場 隆



私は自己啓発の本というのを読んだことがありませんでした。なぜなら、人生とは与えられた中で切り拓いていく事が大事であって、その心構えなどは生きていく中で「必然的に身につく」もので、他人の成功体験に頼ったところで、一体何の解決があるのだろうと考えていました。

しかし、実際には人生は容易いものではない。「必然的に身につく」事が出来ない理由がある。それは、人間には切の無い願望がある。恐怖心がある。怠惰もある。怒りもある。それが曇らせるのである。これは万人がそうなのである。人生とは、そういう曇りを取りはぶく事ではないかと思います。


曇りを一括りすると何か?先に書いたように願望であったり、怠惰であったり、怒り、恐怖心ですが、それらすべてはネガティブな要素です。ネガティブな事から生じた結果などは、ネガティブでしかない。だから、「心の姿勢」が大事です。

では、大事な「心の姿勢」とはポジティブとなる。ポジティブな姿勢から生じた結果はポジティブになる。例えれば、「私が営業が不得意だ」という人が、良い成績を収めるだろうか?

彼に対して、「なぜですか?」と問えば、その人は、その「信念」を支える為の「言葉」を探し出します。「それは違うでしょ?」と問えば、彼は更に、その「信念」に見合う「行動」を起こします。また、彼は営業が上手く行かなくなれば、その「信念」を持ち出して、事を諦めてしまう。

だから、ネガティブな心の姿勢からは、ネガティブな結果しか生じてこない。よく言われる「原因」と「結果」である。あなたがネガティブな原因を作るから、ネガティブな結果が訪れる。これは運が悪いのではなく、必然的な事です。


この書籍は、その「心の姿勢」の重要さを説いています。著者自身が人生の失意から人生に立ち向かう時に、先人が著した自己啓発の本を読んで自分を再発見した。そこの所が非常に文章に説得力を持たせているように感じます。


私の中では、上半期一番の刺激的な本でした。


星:★★★★★

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する

タイトル: グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する
著者:佐々木 俊尚

Googleがインターネットで果たす役割と言うのは、検索エンジとして、利用者に目的のサイトへと案内する役目を持っています。そして、最近では、この検索エンジン結果のページに広告を差し挟む事によって、デジタル広告業界に新風を吹き込みました。

そして、現在ではGoogleNewsや、Ajaxを用いたGoogleMapなどの無料であり、かつ実用性の高いサービスを提供しています。また、これ以外にも、日本ではあまり知られていないが「Googleベース」や、計画の噂がある無料ISP事業があります。

これらサービスによって、インターネットの世界、既存ビジネス、我々にどのような変化が訪れるのか?が書かれている本です。

久々に、面白かったです。

確かにGoogleがもたらす衝撃と言うのは、私たちの生活に変化を与える事は確かです。本書を読む前に、一度この「EPIC2014」を見てもらうと面白いかもしれません。もちろん、これは大げさですが、この本を読んでみようと思う契機になるのでは?

■EPIC2014
http://www.probe.jp/EPIC2014/


星:★★★★★

名将に学ぶ人間学

タイトル:名将に学ぶ人間学

著者:童門 冬二


戦国から江戸時代の人物の行動から、処世術を学びましょうという内容です。

著者は童門冬三さんで、この方の本というのは歴史小説ですが、前述した通りに、歴史から生きた方や経営、管理術をを学ぼうというコンセプトの歴史小説のように感じます。


そして、書かれる対象はメジャーな人物よりも、実務家の人間を捉えての内容が多いように感じます。

特に、上杉鷹山公の小説は有名です。ちなみに、上杉鷹山公は日本よりもアメリカで有名で、ケネディ、クリントンなどは、日本の政治家で尊敬できる人物としてあげています。しかし、それを聞いた記者は知らなかったと言う逸話があります。最近では、小泉首相のおかげで認知度も高まりました。



さて、この本は面白いです。

なるほどとうなずいたのは、細川忠興公の部下管理が気に入らないと文句を垂れている部下が居た。

何処にもいますね。理想の上司像を求めている方。私もそうなんですが、、、。

この部下は、そのうちにふてくされて仕事を怠けるようになった。それで、忠興公が呼び出して仕事に不足があるのか?と問いただすと、いや違うと言う。しかし、再びふてくされているので、私が不足なのか?と問いただすと、そうだと答えた。


それで、忠興公は怒り、部署を移すと言い出した。だが、部下は移るのはあなただと怒り出す。それで、忠興公は、おまえは仕事に不平が無い、その通りに私は誰にも同じ情報・方針を教え与えている。多くの部下は、それで上が求めるとおりの仕事をしている。だが、おまえだけが文句を言う。それは、おまえが自分の考えた方を変えようとしないからだ。悪いのは他人であって、自分は正しいと思っている。それもある固定観念を持っている。その固定観念は、私を嫌いだと言う事だ。仕事では歩み寄りが出来るが、嫌いだと言う感情はどうしようも出来ない。お互いが不幸だし、仕事の生産性も落ちる。



と言ったそうです。なるほどなと思いました。

最近では、部下の管理術と言うので、期待される上司像を求めすぎている所があるので、この逆説的なモノの言い方は刺激的でした。



歴史が好きな人には、たまらなく雑学的に面白いですし、サラリーマンの方は違うものの見方を学ぶには良いのではないかと思います。



星:★★★★☆