“未来を救う悪になれ。”
映画『リボルバー・リリー』を観終えた今、改めて深く胸に刺さる一言だ。
この作品が描く世界に、たちまち強い力で引き込まれていくのを体で実感しながら
「女優・綾瀬はるかは、
底しれない魅力、人間力、身体能力、
そして、人物の気持ちに深く寄り添える、
直感力、洞察力を
バランスよく持ち合わせている人だ」
と、唸らされた。
本作は、ハードボイルド作家、長浦京の代表作を
映画化したアクションサスペンス。
時は、大正末期。
関東大震災の翌年にあたる1924年。
震災からの復興で鉄筋コンクリートのモダンな建物が増え、活気づいてきた東京の街。
綾瀬はるかが演じる小曾根百合は、
16歳から腕利の女スパイとして暗躍した過去を持つ人物で
東京の花街・玉ノ井でカフェを営んでいた。
ある時、家族が何者かに無残に殺害された少年、細見慎太に助けを求められる。
彼は、消えた帝国陸軍資金の鍵を父親から託されており、
それを奪おうと躍起になっている陸軍に追われていたのだ。
慎太の父親である細見欣也は、自分の身に危険が迫る中
決死の思いで、息子・慎太に重要書類を託し、
「玉ノ井の小曾根百合を訪ねろ」と言い残し、息子一人を逃す。
慎太が父親から預かった重要書類…
それは、陸軍が戦争開始のために極秘で用意した莫大な裏金の隠し場所を示すものだった。
細見欣也は戦争を回避すべく、
その資金を反戦主義の海軍軍人である山本五十六に託そうとしていたのだ。
愛用のリボルバーを手に、執拗な陸軍勢の包囲網をかいくぐり、死闘を続ける小曾根百合。
美しき…哀しきダークヒロイン。
演じる、綾瀬はるかの雄姿に、魂を揺さぶられる思いがした。
彼女が背負った、重圧。
交錯する、過去の思い出。
それは、想像を絶する…ものなのに
そへでも、結局、彼女は
未来を守るために、
立ち向かうことを諦めない
大勢の敵を前に怯まない
その姿に、胸打たれた。
”想像力を持って生きるか…否かは、大きな違いなのだ”
そう、日常のさまざまな場面で、思い知らされることがある。
この作品から、まさに、何事にも想像力をもって生き、
自分に課せられた物事に、時に挫けそうになっても
まっすぐ向き合うべきだという
強いメッセージを受け取った。
厳しい現代を生き抜く人たちへ、
届いてほしいと、思う。
記:日下郁子
