㈱日本プラスチックがゼロ戦のプラスチックモデルを発売した昭和31年10月以前に、英工社(後の三和模型)がオールプラスチック製の完成模型を発売していたことはすでに紹介した、
(昭和29年4月 日本教材新聞)
そう、この英工社のオールプラスチック製の完成品モデルの「スピードマスター号」である、
この日本教材新聞の広告を見るまではまったくその存在を知らなかった、
実は、この昭和29年4月号は僕は持ってない、
これはヤフオクで出品されたもの、当然欲しかったが見事に敗北、
さて、あらためてよく見てみると、単1号乾電池2個で3時間はたっぷり走る、とある、
エッ、単1号乾電池とは今の単1乾電池のこと?
単1乾電池2個使用となると、結構大きな模型になる、
そこで、念の為に調べてみた、
「日本乾電池工業会史」、
ここに、712,713ページに単1乾電池のラベルが載っているとのことなので、見てみると、
確かに、単1号となっている、
つまり、「スピードマスター号」は単1乾電池2本を使用する結構大きなプラスチック製の模型だったのだろう、
ただ、その昭和29年4月の広告以降は「スピードマスター号」の広告、記事などは一切出てこない、当時としては画期的なプラスチック製の模型だったはずだが、売れなかったのだろうか、
おそらく、売れなかったのだろう、時代が早すぎたのかもしれない、
その後、三和模型はプラスチックという素材には目もくれづ、木製模型に突っ走ることとなる、
もしその時、三和模型が本気でプラスチックモデルというものに取り組んでいたら、それこそ日本初のプラモデルメーカーになっていたかもしれない、
それにしても気になるのは、その「スピードマスター号」を製造したメーカーである、
そう、三和模型が直接製造したものではないので、
それを特定するのは今となっては難しい、
それこそ、妄想するしかない。