また癇癪を起こしたね

「 なんでこの服は脱げないんだ! 」
今回の癇癪の始まり

お父ちゃんは
ずっと昔からそうだった

自分が思うように動かせないモノにはいつも癇癪を起こし
片っ端から壊してきたよね

茜はね
そんなお父ちゃんが大嫌い

ちっちゃな頃は
モノを投げつけ乱暴な言葉を使うお父ちゃんが怖くて
お父ちゃんが癇癪を起こす度に泣いてた

そんな茜も
年を重ねる毎に
いつまでも泣いてちゃおかしいって思って
黙って見て見ぬ振りをするようになった

いつしか
見て見ぬ振りも出来なくなり
「 馬鹿じゃないの! 」と
お父ちゃんと同じように乱暴な言葉を投げつけ
その場から逃げるようになった

茜がね
ずっと思ってきたことはね
お父ちゃんが癇癪を起こして暴れている時
傍にいるお母ちゃんはどんな想いで堪えているんだろうってこと

茜がちっちゃい時は
茜が怪我をしないように守ってたよ

そして
お父ちゃんが壊してしまった"大切なモノ"たちを
黙って片付けていたよ

きっとね
本当はいつだって
泣きたかったと想うよ

それでも泣かないお母ちゃんを見ていて
茜も泣くのを止めたんだ

けどね
本当は今でも泣きたいよ

"大切なモノ"を壊すお父ちゃんは
今でも大嫌いだから

どんなに呆れるようなことを仕出かしたって
どんなにわがまま言ったって
どんなに言うことを聞かなくたって
どんなに文句ばかり言ったって

お母ちゃんは
ずっとお父ちゃんの傍で生きてきたんだよ

"大切なモノ"を壊してばかりいると
"大切な家族"を壊してしまうよ

茜はね
ちっちゃな時からずっと
自分のことは我慢出来るんだ

でもね
"大切な人"を傷つけることだけは
黙って見ていられない

"大切なモノ"を壊すと
茜にとって"大切なお父ちゃん"も
壊れてしまうんだよ

もう
分かってくれてもいいよね

「 お父ちゃん
今の自分を認めてあげて下さい
"大切なモノ"を失う前に 」

癇癪から"苦(く)を引いて
感謝に変えて生きようよ



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