がんばれ熊さん

食品スーパー店員の絵日記ブログ


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今からお話しすることは

 
素直で性格の良い人には理解できない話だと思う。
 
なので、気分が悪くなりそうなら、スルーしてもらっていい。
 
性格の悪い私は、相手が自分のために言っていることに対して、素直に受け入れられる時と、そうでない時がある。
 
たとえ正しいことだとしても、心が拒絶する。
 
何事も正しいことは受け入れるという人には理解しがたいと思うが、世の中には、そう受け止める人もいるって言うことを知っておいて損はないと思う。
 
20代前半、私は職人をしていた。

その最初の現場は工場のユニットの作業だった。

 

そこの職長(責任者)は、見た目50代後半。

後で知ったが、入社半年目の新人おじさんだった。

 

このおじさんは、とにかく何をしていいのか分かっていない。

 

「う~~~ん。どうしようかな?」と考え込んで、やっと私に「じゃあこれをこうしてくれるか」と指示をくれる。

 

私にとって初めての職人の仕事だ。

右も左も分からない。

 

しかし、この最初の現場は難しいテクニックが全くいらない仕事だった。

 

材料を所定の場所に注入するだけの仕事だ。

だから会社も新人おじさんに任せたのだろう。

 

私は早く仕事を覚えたかった。

早く認められたかった。

 

言われたことは全力で、出来るだけ早くやった。

 

早く終わらせて、次の仕事を貰いに行った。

 

すると・・・・

 

 

「う~~~ん」と考え込んでしばらく待機するように言われた。

 

そして、しばらくしてから、「よし、やること出来たから、こっちに来てくれ」と指示される。

 

おじさんは、図面とにらめっこして、何もしない。

 

こんなんでいいいのかな?と思った。

 

しかし、しばらくすると、また新人が入ってきた。

 

私よりも2歳下の女性だ。

 

この女性はとにかく男性的であった。

 

見た目が女性なのか男性なのか分かりずらいほどであった。

 

髪の毛を赤く染めていた。

 

特に後ろから見ると、どこかのヤンキーの兄ちゃんに見える。

 

後で知ったのだが、この現場はとても簡単な現場なのに、おじさんは時間をかけすぎていた。

 

ならばと、会社は人員をふやしたのだ。

 

しかし、簡単で誰でも出来るからとベテランではなく新人をいかせたのだ。

 

私は、その現場までおじさんの車に乗せてもらっていた。

 

おじさんは無口だった。

 

ほとんど会話をしなかった。

 

そんなおじさんがある日饒舌になった。

 

 

 

無口なおじさんがいきなり饒舌に説教をしだした。

 

「実は一人減らすことになったねん」

「あと少しでこの現場も終わるから、二人もいらなくなったねん」

 

「そこで、会社から、あの男とあの女。どっちを現場に残すか?と聞かれたんだ」

 

「本来なら、最初から現場にいてくれている熊君を残すところだけど、実は彼女に残ってもらうことにしたねん」

 

「何でか分かる?」

 

「それは、会社と言うものは、どっちを残すかを考えたときに、どっちが使える人間かを考えるものなんだよ」

 

「これはしっかり覚えておいた方がいいよ」

 

こんな感じの話を長々と聞かされた。

 

普段なんにも教えてくれないのに、こういう時だけ、人生の大先輩づらをして教えてくれたおじさんに、イラっと来た。

 

彼女が選ばれた理由は、こうだ。

 

あまりにも指示を出してくれないおじさんに業を煮やした彼女は勝手に判断して、材料を注入しだしたのだ。

 

「おいおい。間違ったところに注入してたらどうするねん?」と思ったが、おそらく大体は合っていたのだろう。

 

多分、図面を見ながら「う~~~ん」と悩んでいるおじさんよりも感覚的にここだろうとやった方が早いものだ。

 

そういう部分がおじさんは嬉しかったようだ。

 

つまり、彼女に私は負けたのである。

 

負けた感一杯になった。

 

そして、私は違う現場に行かされた。

 

そこでは、次から次にやることがあった。

 

もたもたしてたら怒られる。

 

これが本来の現場だと思った。

 

何年かして、あの時の後輩の彼女と話をした。

 

彼女はあの時のおじさんの現場について語ってくれた。

 

「あの、おっさんのせいで半年間無駄な時間をすごした」と。

 
彼女にとって何も得るものはなかった現場だったようだ。
 
おじさんは無口だった。
何も教えてくれなかった。
 
なのに、最後の別れの時だけ人生の先輩づらをして「会社とはこういうものだ」と言ってきた。
 
非常に後味が悪いと思った。
正直な気持ち、うざいと思った。
 
「普段、何も話をしていなかったから、最後ぐらいは」と思ったのだろうが、私にはまったく響かなかった。
 
こんなことを書くと多分あなたはこう思うだろう。
 
でも、相手はあなたよりも何十年も生きている人生の先輩でしょ?
教えてくれないと言っているけど、教えられないだけでしょ?
無口なのは仕方がないでしょ?
 
確かにそう思うのが筋だろう。
だから、私も表面上は「そうですね」と素直に聞き入れているそぶりを見せた。
 
それが最低限の礼儀だと思うから。
しかし心の中は違うのだ。
 
普段、先輩らしいことをほとんどしてくれない人に、別れの時だけ先輩づらをされても心から受け入れられないのだ。
 
これが例えば、普段から駄目な自分に指導してくれている先輩ならば、別れの時に多少きつい小言を言われても、すぅ~~~と染み込むように心に入ってくる。
 
私の気持ちは、素直で清らかな心の持ち主には、理解できないだろう。
人間は善の部分だけで出来ていない闇の部分もある。
 
世の中には、都合の良い時だけ先輩づらをしやがってと思う人もいる。
 
これは肝に銘じておいて損はないと思う。
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