公正、中立を旨とすべき衆議院事務局の幹部が政権党に偏ったスタンスをとってきていたのではないか―そんな疑問を感じさせる事態が起こった。衆議院事務次長の要職にあった人がさき程定年で退職をした直後に、民主党に雇われていることが分かったのである。民主党が院のあり方などをめぐって常識はずれのことを繰り返してきたこともあり、この際勉強するために教えを恒常的に乞おうというのかだろうか。そういう誘いに乗る事務次長も事務次長だが、民主党という政党もその軽率さは、まことに理解に苦しむ。


 一方で、衆議院議長公邸を民主党の派閥グループの集まりに堂々と使うことを、当の横路議長自身が許可をしていたことも発覚した。これもその感覚を疑う。これではオープンになっていないだけで、もっと怪しげな使われ方がされているのではないかとの疑問がわいてくる。横路議長は、颯爽とした革新派ぶりが若い時に売り物だった人だが、年齢とともに色褪せたと言わざるをえない行動は嘆かわしい。


 ことほど左様に民主党という政党はおかしいことだらけだ。国会議員の歳費を月ぎめから日割りで支給しようとする法案に、民主党が最も難色を示したことも変といえば変だ。この党はなにもかも狂ってしまっているように思える。菅首相の夫人が首相就任から未だあまり日も経っていないのに、『あなたが総理になって、いったい日本の何が変わるの』などといった本を出版するというのもおかしくはないか。早く出さないと、「首相交代」においやられては、折角の本が売れそこなうというのが本音ではないかとの勘ぐりもされる。じゃじゃ馬の夫人を馴らすところが首相の取りえの一つと思ったが、意外に夫唱婦随の変型なのかもしれない。