先月23日の夜にアジア・大洋州の大使たちが集まってのレセプションが都内・飯倉公館で開かれ、外務委員会理事として招かれた。大勢のゲストのなかで久方ぶりの親しい方々に出会ったり、また珍しい人にも(但し、外国人大使とはなし)出会え、有意義なひとときとなった。


 一番懐かしかったのはノンフィクション作家の石川好さん。元々は『ストロベリーロード』などの作品にみられるようにアメリカ通で鳴らした人だが、昨今はすっかり中国に関心を持ち、21世紀日中委員会のメンバーとして大活躍。かねて中国の南京大虐殺記念館で日本の戦争体験展を開くんだ、と意気込んでいた。このところ音信不通だったのに、ばったり会場で会うことが出来、四方山話に花を咲かせた。中国での催し(漫画による「私の8月15日展」)は大きな関心を呼び、中国人に強い影響を与えたとのことであった。その石川さんと交代でこのほど21世紀日中委員会のメンバーに入ったという作家・浅田次郎氏の姿も見えたので、早速に挨拶をした。この人とは初対面。本をあれこれ読んでいるので、かねての知己のごとくに話しかけた。「貴方のご著作のファンです」までは良かったが、具体的な書名が正確には出てこず、若干恥ずかしい思いをしたのはご愛嬌か。


 大使では、防衛省官房長として、また防衛施設庁長官時代に懇意にしていた北原厳男東ティモール大使とも1年半ぶりにお会いした。紛争があったかの地の今について聴いたところ、順調に回復しているとのことだった。安西祐一郎前慶大塾長、重村智計早大教授や村田晃嗣同大教授らとも話せた。重村さんとはアメリカで初めて会ってからもう15年程が経つ。当時は毎日新聞記者だった。朝鮮半島問題の専門家で、私が最近読んだ『半島へ、ふたたび』を巡り読後感をかわした。他にも平林博元フランス大使や榎泰邦元インド大使、塩尻孝二郎インドネシア大使らとも話せた。驚いたのは榎さんが創価大学法学部の客員教授になっておられること。豊富な外交体験を教えてもらえる創大生は幸せだと思う。


 パーティの効用は一気に大勢の人とアポなしで会えることだが、束の間なのは切ない。