衆議院が解散された。やっと、との思いが強い。去年の十一月に解散必至と見ていただけに、この八ヶ月ほどは日々解散含みだったと言っても過言ではなく、この間、陰に陽にお世話になったり、ご迷惑をおかけした皆さんに心からのお詫び、お礼と感謝の言葉を申し上げたい。


 つい三日前の18日に私は初当選いらい満十六年の記念日を迎えた。思えばあっという間の歳月だった。政治改革の嵐の中での初当選だったが、それまで38年続いた自民党政権が崩壊し、細川八会派連立政権の誕生は、まさに高揚感を伴うものであった。しかし、残念ながら長続きせず、羽田少数政権を経て、自社さ政権という形で自民党の政権への復活を許した。いらい文字通り手を替え品を変えの悪戦苦闘の自民党主軸の連立政権が続いた。公明党としては過去の恩讐を乗り越えて、自民党を政権の内側から変えることに方向転換をした。その結果、この10年でそれなりに安定した自公政権が続いてきたわけだ。


 しかし、未曾有の経済危機やら、相次ぐ不祥事も手伝って自民党は青息吐息の状態。いま、政権交代を叫ぶ民主党は、まさに王手をかけたかに見える。自民党の文字通りのジタバタ劇をみるにつけ、その思いは強い。長く日本の政治を新聞記者として、そして政治家として自民党を見てきてこれほど手詰まりの状況はなかった。この事態の淵源をたどると、あの小泉首相が発した「自民党をぶっ潰す」に行きつこう。党内抗争の活力を党全体の浮揚に利用しようとしたことの、ある意味当然の帰結なのかもしれない。


 思い返せば、小泉首相登場の際に私は、「季節外れの大雪現象で、汚い自民党の実態を覆い尽くしたかにみえるが、しかし、やがて雪は必ず溶ける、雪が溶ければ以前よりもっと汚ないものが下からあらわれる」と言った。あれから、8年経ち、みごとに実証されたといえるのではないか。


 連立政権が問われる今回の選挙にあって、民主党は果たして政権を担う力があるのか、疑わしい。一に、代表や前代表の政治献金絡みの疑惑だ。二に、社民党という全く方向の違う政党と連立を組まねばならないことからくる政策のブレと混乱だ。三に、高速道路の無料化や子ども手当て、農家への戸別補償にみる財源無視のバラマキ政策だ。所詮政治はよりまし選択だ。潰れかかった自民党を主軸にした連立と最初から潰れているといわざるを得ない民主党を中核にした連立とどっちがいいのか。おのずと連立のパートナーの質の違いに問題は収斂してこよう。


 政権交代そのものはあって当然である。しかし、09年度の今なのか。もう少し先ではないのか。民主党にはもっと自己改革をしてもらわねば・・・。もちろん、自民党は解党的出直しをせねばなるまい。


 生活を守りぬく公明党だけがこの難関を切り抜ける力を持っている、と40日間訴えぬきたい。


〔事務局より〕
「赤松正雄のブログ」は、しばらくお休みをさせていただきます。