日本皮膚科学会がテレビ局に対して抗議文を発表したというニュースがありました。

ある番組で、ひどい肌荒れの方がステロイド外用剤を中止したことによりきれいな肌をとりもどしたという内容で、番組内のナレーションに「ステロイドは本来体内で作られるが、彼女の場合、ステロイド薬を使いすぎたことで体内でステロイドが作られなくなったと思われる」、「再び体内でステロイドが作られるようにするには、ステロイド薬を断つしかない」など、「科学的に明らかに根拠のない内容」があったとのこと。

 

ステロイド外用剤は、皮膚科の診療で欠くことのできない薬です。常識的な使用をしていれば安全で有用な薬です。

ですが、外来診療をしていると、「ステロイドって強い薬ですよね?」という質問を、1日1回はお受けします。

 

日本皮膚科学会の、皮膚科Q&A、アトピー性皮膚炎のページ内に、以下の記述があります。

 

(Q13どうしてもステロイド外用薬をつけるのが怖いのですが?)

 マスコミや一部の医師による無責任なステロイド批判により、ステロイド外用薬は恐い薬という誤解が生まれてしまった時期がかつてありました。ステロイド内服薬による全身的な副作用と混同していたずらに恐がったり、急に中止したための単なる症状悪化をすべて副作用であると混同したりして、ステロイド外用薬は使いたくないとおっしゃる患者さんもまだ少数いらっしゃいます。恐がってきちんと塗らないと十分に炎症を抑えることができず、かえって使用期間、使用量が増えてしまいます。疑問点や不安が多いときには皮膚科を専門とする医師とよく話し合って、納得されてからお使い下さい。

 

本当にその通りです。

ステロイドの外用薬は確かに漫然と使っていれば、皮膚に副作用を起こします。ステロイドざ瘡(ニキビ)、ステロイド潮紅、皮膚萎縮、多毛、細菌・真菌・ウィルスによる皮膚感染症、アレルギー性接触皮膚炎などです。ステロイド外用剤を中止して良くなる皮膚症状があることも確かです。

しかし、ステロイド外用薬は効果の強さが5段階に分類されていますが、必要以上に強いステロイド外用薬を使わず、皮疹の重症度に見合った薬剤を選び、適切に使用すれば、安全に使用することができます。

 

外用剤は、患者様ご自身が皮膚につける薬ですので、治療には患者様のご理解、ご協力が必要になります。

当院でも、患者様の不安を取り除けるよう、そして患者様と協力して皮膚症状をしっかり治療できるよう、より一層、丁寧な説明をこころがけていきたいと思っています。

 

とても当たり前のことなのですが。なんとなく書いてみました。