思い出したー!
(今度は何だ)
湾岸戦争だー!!!
(また古い話を)
そう、古い。
あまりに古い話でどうしても思い出せなかった。
内容だけは覚えてたんだけど。
あまりに衝撃的で、でも冷静になって考えてみればあまりにバカバカしい作り話だったから。
(何のことやねん?)
このところずっともやもやしていた。
アメリカが深く関わっている戦争で、相手を悪の帝国、その指導者を悪魔に仕立て上げるのはアメリカの常とう手段だ。
湾岸戦争とイラク侵攻時のイラクとフセイン然り、コソボ紛争の際のセルビアとミロシェビッチ然り、そして今度のウクライナ戦争でのロシアとプーチン然り。
対象国や指導者にも十分すぎる非がある。
だからそこに尾ひれを幾らつけても、何なら全くのでっち上げでも、信じる人は信じるらしい。
おめでたいことだ。
これだけ何度も繰り返し使われてる手法にいつまでも騙される。
学習能力はないのか?
というより情に訴えかける情報に接して、他の大多数と足並みを揃えて非難することで、正義の味方になったような高揚感を味わっているのかもなぁ。
(...)
情に訴えかける極端な話が出てくればくるほど疑念を持つべきなのだ。
大体、これだけ世界中から非難を浴び、経済的にも追い詰められ、友好的だった国々からも距離を置かれるようになったロシアが、これ以上非難の的を増やすようなマネをすると思うかね?
例えばもしも本当に民間人の虐殺を行ったのなら、それそのままにして撤収すると思うか?
そんな都合の悪いこと隠ぺいしてからに決まっとろうが。もし本当に行っていたのなら。
ついでに言うと、戦場で武器を持っていたらそれはすべて戦闘員と見做される。
元が民間人であっても。
ゼレンスキーは男性国民の出国を認めず、武器を配って戦闘に参加させている。
まぁ裏でそうさせているのは米国はじめNATO諸国なのだろうが。
自国の人命が失われたら立ちどころに支持率が低下するから、ウクライナ人だけで何とかしてもらおうという算段だろう。
直接介入するか否かに同盟国か否かは関係ない。
湾岸戦争の時はクウェートが同盟国でなくてもこぞって派兵した。
もちろん、今とは環境が違うというのもあるだろうが、最大の理由はオイル利権だろう。
大いなる利権が絡む場合は同盟国だろうがそうでなかろうが、そんな基準で決めはしないのだ。
今回のウクライナにはそこまでのものがない。
元々、相手の死活問題にほんのちょっとの譲歩もせず戦争勃発を焚きつけただけだから。
規模が想定外に大きくなった点は恐らく誤算だろうとは思うけど。
だからこそ、ロシアを悪の帝国に仕立て上げることにいつも以上に血道をあげているのだろうなぁ。
それでも今度の戦争で一番得をしているのはアメリカだ。
ロシアは資源大国であり穀物大国、ウクライナもまた穀物大国だ。
この戦争による制裁と疲弊で資源価格も穀物価格も高騰し、中東やアフリカでは既に飢餓が始まっているという。
だがアメリカもまた資源大国であり穀物大国なのだ。
供給先拡大と価格高騰の恩恵を得ることができる。
しかもロシアへの制裁で最もダメージがないのがアメリカでもある。
言ってみればアメリカの一人勝ち。
クソバイデンは外敵を叩くことによって支持率も上がり、ウハウハだろう。
インフレには多少頭を悩ませているようだが。
もっと悩め。けっ
(...)
だがあくまで表面上は"正義の味方"。
国際世論を味方につけておかなければ元も子もない。
虐殺の話だけでもおかしいと思ったが、遂にはおもちゃ爆弾なる話まで出てきて呆れかえったが。
信じる人はいるのだなぁ。
「信頼できる情報」ってどこから?
そういやイラク侵攻の口実だった大量破壊兵器も「確たる証拠がある」とか何とか言ってたなぁ。
大ウソだったわけだけど。
で、このおもちゃ爆弾の話、ある少女の涙の証言とちょっと被るなぁと。
かつて1人の少女の涙の訴えが、世界中の世論をひっくり返すほどの影響を及ぼしたことがある。
先にも書いたように、内容は覚えてたんだけど、それがいつの戦争で使われたものだったかがどうしても思い出せなくてね。
(その内容とは?)
相手がイラクだったことは覚えてるんだけど。
(だからその内容は?)
とすると、イラク侵攻時かな?
いやいやあの時はイラクが大量破壊兵器を隠しているというでっちあげだった。
じゃ、いつだったかな...?
(だからその内容は?!)
うるさいな。
「ナイラ証言」で検索すれば幾らでも出てくるわい。
そうか、あの少女はナイラと名乗っていたのか。
名前(偽名)までは知らなかったなぁ。
知ってたらもっと早くに見つかったんだけど。
内容はというとですね、イラクに侵攻されたクウェートから命からがら逃げてきたという十代の少女がアメリカ議会で涙の証言をしたというものです。
曰く、「イラク兵士が新生児室に入ってきて保育器から次々と赤ちゃんを取り上げ床に叩きつけて殺した」というもの。
何たる残虐非道...!イラク許せん!という世論が燃え上がりまして。
米およびその同盟国の介入への支持が一気に高まったわけです。
いやでもちょっと待てよ。
戦闘能力はおろか、自身ではまだ生きていくことすらできない赤ん坊にそこまで手間をかけることにどういう意味が?
と冷静に考えた人もいるだろうとは思うが、考える間を与えないかのようにここで更に第2段!
真っ黒な重油まみれで動けなくなった水鳥の群れの写真が使われた。
アメリカ曰く、イラクが攻撃した油田だったかタンカーだったかから漏れ出した重油の犠牲になった水鳥たちなんだと。
これはでかでかと写真付きだったからね。
さすがに「うわ、酷いことするなー」と思ったし、2段構えで来られるとさすがに先の怪しい話まで信じかけたものだけど。
戦後かなり経ってから、実は上記のナイラと名乗っていた少女は駐米クウェート大使の娘で湾岸戦争勃発時からアメリカにいたこと、議会での証言はPR会社によるシナリオだったことが暴露された。
うーん、それでよく涙まで流せたな。
女優志望だったのかしら?
そして水鳥の写真も湾岸戦争やイラクとは無関係だったということも。
ただこういうことが暴露されるところがアメリカのまだ健全なところだよね。
そこは羨ましい気がする。
アメリカのやったことは許されるものではないけど。
この時は世界中が一端はアメリカを非難したものだが。
不思議なことに、あっという間に潮が引くようにこの話題は立ち消えになった。
そしてアメリカも一切のダメージを被ることがなかったと記憶している。
ほんの一時的に評判は落としたがそれだけ。
あっという間に忘れ去られたかのように、この話は出なくなり、アメリカは何もなかったかのように「ケロっ」。
あれは今になって考えればあまりに不自然であまりに不思議な現象だった。
虚偽で戦争を煽って拡大したのだから重大な戦争犯罪の筈なのに。
アメリカという大国がそれをやれば、それで通ってしまうのであり、都合の悪いことは情報操作でいくらでも葬り去れるのだ。
「1人を殺せば犯罪者。100人殺せば英雄」というのとなんか通ずるものがある気がするなぁ。
しかも後年、実はフセインを長年援助し育てていたのはアメリカだったということも知って愕然とした。
長らくイランと敵対しているアメリカにとって、これまた長らくイランと対立していたイラクのフセインは都合の良い利用対象だったのだ。
でもそれがいつの間にか想定以上に肥え太って米に対しても増長してきた。
つまりは邪魔者になってきていたわけよ。
そういえばアフガンのタリバーンも同じだったね。
自分で種まいといて自分で刈り取って正義面する、これがアメリカ。
今のウクライナ戦争でも、ゼレンスキーの表向きの言動はすべて米国の指示に従ってのことだろうと推察している。
各国議会での演説草稿も、書いたのは米政府に依頼されたPR会社だろう。
アメリカには戦争を文字通り食い物にして巨額の利益をむさぼる企業があるのだ。恐ろしい
アメリカは必ず敵国を悪魔に仕立て上げるけど、本物の悪魔は天使の顔をしているものだ。
だからこそ恐ろしいのだ、本物の悪魔は。
ウクライナの一般の人たちは確かに気の毒だとは思う。
でもじゃあ、ミャンマーの人たちは?
ミャンマーの人たちを助けろという声は何故ウクライナほど上がらない?
そもそも今声高にロシアを非難している人たちは、アメリカのイラク侵攻時にもやはり声を上げていたのか?
国民を弾圧し続けているミャンマー政府を同じように非難しているのか?
そうでないなら、思考力も判断力もないまま情報操作に踊らされているだけじゃないの。
今はロシアを非難しウクライナに同情することがまるでブームになっている。
他の苦しんでいる人たちを顧みることなどしない人ほど。