ここの家はずっと、祖父母とその子供達の家、父親とおばさん達の家だったな。
祖父母が長生きだったからね。
亡くなっていたらそのタイミングで変わっていたのかもしれないけど。
父はいいよ。結婚してからもずっと息子でいられる。今思うと親と同居していたから、父親や夫の面より、息子の面の方が強かったんだろうな。
でも、母も孫である私も、なんだかよその人の家に居候させてもらっているみたいな感じが、小さいころからずっとある。弟は長男だし、姉はコミュニケーション能力が高かったからまた違ったのかも。
おばさん達が大きな顔していっつも家に来ているし。おばさん達も親と同居だったから、嫁ぎ先で落ち着けなかったのかもしれないけど。
父親も、自分の親>妻と子供 だったのかも。
一緒に過ごす時間の長さで考えると。
っていうか、おばさん達も従兄弟達も来過ぎ。
お嫁さんが入って子供が生まれても、自分の実家ってことで、変わらないんだなあ。
自分達が実家を出て行く前、使っていた部屋もそのまま残っていて、おばさん達が昔使っていた部屋を今私が使っていたりもするし……。
昔と家が変わらないから、気持ちも変わらないよなあ……。
もうお嫁に行ったのに、自分達が子供のころ、実家に住んでいたころと同じ気持ちでいるんだろう。
それをまた祖父母がそういうふうにさせたがっていて。むしろ、祖父母が変わらないんだよ、って言っていて。
長男が親と別居だったらそれでもまたよかったのかもしれないけど。
祖父母の親の代は早くに亡くなったからな。
祖父の下のお姉さんは近所にお嫁に行ったけど、私が物心ついたころにはもうあまり家に来なくなっていた。
祖父の下のお姉さんも気の強い人だったらしいから、やっぱり気の強いタイプの祖母とは合わなかったんだろう。
多分、なにかしら嫌な思いをして、もううちには来ない、疎遠になろうって決めたような気がする……。