どのぐらいそうしていたのだろう



一つに溶け合ってしまったかのような

私と彼の唇は

お互いの体温を充分に交換して

ようやく離れた



ゆっくりと顔を放すと

お互いの表情を確認するように

二人はしっかり見つめ合った



そして



「ヤバい

 全身が痺れた…」

私は素直にそう伝えると



彼は少し照れたように笑いながら

「オレも……」

そう言って

二人揃って驚きを隠せずにいた



よく分からないけれど

言葉ではなく

二人は同じ感覚を覚えたようだった

とても不思議な気持ちになった



そして

明らかにトロンとしている

彼の甘い目は

私をトキめかすには十分すぎた



終電の時間が迫っていた



二人は手を恋人繋ぎして

寄り添って

駅へ向かって歩き始めた



続きます