おととい、港区役所&区議会も「仕事納め」でした!

今年も1年、本当にお疲れさまでした。

やっとお仕事も、ひと段落。ふう。

年の瀬でバタバタですが、最後に、これを書いておかないと。

 

先日、南青山の「児童相談所」建設の件で、日テレの朝の情報番組「スッキリ」のインタビュー取材を受けました。

 

 

 

1時間近く、「港区のすべての子育て世帯のセーフティーネットになる施設で、”迷惑施設”ではない」というお話を一生懸命したら、最後には「よくわかりました! みんな児童相談所についてよく知らないから。明日にでも作ってもらいたい施設ですね!」と言っていただけて、すごく嬉しかったです。

 

でも、取材を受けて、いろいろ考えさせられることがありました。

 

一つは、児童相談所について、不安を煽るような情報をバンバン流す人たちがいるので、近隣に住んでいる人たち、ママたちが不安に思ってしまうんだよなあ。。ということ。

 

もう一つは、そもそも、記者を含め、世の中の多くの人は、「児童相談所」に関わりがないので、どういう施設なのかよく知らないし、デリケートな家庭の問題を扱う施設なので、情報の取り扱いが難しく、広報がうまくできないし、できていない、ということです。

 

 

私自身、「一時保護所」や「母子生活支援施設」というものは、おおっぴらに「ここにありまーす!」と公表する施設ではないので、どれくらいの情報を外に出してよいものなのか、はかりかねていたし、何か迷惑があってもいけないな、と思って、あまり発信してきませんでした。

 

でも、今回、テレビを見た多くの人たちから「正しい情報をきちんと発信して」と言われ、目が覚める思い。

 

「どうして必要なのか」「なんで南青山なのか」という話以前に、「一体、どういう施設ができるのか?」という説明が必要なんだな、と思うに至ったので、ちょっとそのことを書いておきます。

 

 

※「どうして必要なのか」「なんで南青山なのか」ということについては、前のブログ記事に書いてます。

 

→ 「『白金台保育室』延期に。南青山『児童相談所』も反対運動。」

https://ameblo.jp/aizeye/entry-12414125676.html

 

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■ 親子で遊べる&相談できる「子ども家庭支援センター」

 

港区が南青山に作る予定の施設は、「児童相談所」と「一時保護所」「子ども家庭支援センター」「母子生活支援施設」が一緒になった複合施設で、こんな感じです。

 

 

 

「子ども家庭支援センター」は、三田にある「みなと保健所」の中の2階に入っています。

これが、南青山の施設に移転する予定です。

 

 

 

奥には「子育てひろば」(港区でいえば”あっぴい”)があって、親子ヨガやベビーマッサージ、英語や音楽のクラスなどが開催され、年間約2万5000人が利用しています。

「子育て講座」は年約200回開催し、8000人以上が参加。

保健師や臨床心理士、子育てコーディネターなどの専門相談には、3000人以上の利用があります。

 

親子で気軽に遊びに来れて、そこで、悩みごとも相談できる。

というのが、とても大事な機能です。

わたしも子どもが小さい頃、よく利用していました。

 

 

 

 

新しい施設は、もっと広くなり、多世代交流ができるCAFEコーナーも設置される予定です。

閉館してしまった「こどもの城」のように、クオリティの高いプログラムやイベントを、たくさん展開してほしい、と要望しています。

 

 

「子ども家庭支援センター」は、産後うつや子どもの発育の相談から、障害、虐待、死別や病気などによる養育困難、いじめ、非行、親子関係の悩みまで、幅広い子育て相談を受ける施設です。

 

わたしはママたちからの相談をよく受けるので、「子ども家庭支援センター」には、しょっちゅうお世話になっています。

 

たとえば、「深刻な産後うつで、子どもの面倒が見れなくなってしまって、育児放棄寸前なのに、保育園にも入れない。預け先もない」という相談を、毎年のように受けますが、そういう時はすぐに「子ども家庭支援センター」につなぎます。

 

そうすると、職員がすぐに家庭訪問に行き、親身に相談に乗ってくれます。

外国人の場合は通訳が同行します。

「家事支援サービス」や産後ケアを行う「産後ドゥーラ」を自宅に派遣したり、保育園の「緊急一時保育」や、一週間子供を預かる「ショートステイ」につないだり、子供に障害がある場合は、障害者支援につないだり、区のあらゆるセーフティーネットに繋ぎ、継続的に相談にのってくれます。

 

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■ 「児童相談所」と「子ども家庭支援センター」の違い

 

 

区の「子ども家庭支援センター」が受ける相談の中で、深刻な虐待が疑われるケースなどが、東京都の「児童相談所」(港区を管轄しているのは新宿区にある「児童相談センター」)に送られます。

「児童相談所」にしか、家庭に立ち入り、親子を引き離して、子供を保護する権限がないからです。

 

時々、誤解があるな、と思うのは、23区内に7か所の「児童相談所」がありますが、これらはすべて東京都(都庁)が持っているもので、区(区役所)は「児童相談所」を持っていません。

 

そして、一度、「児童相談所」に送られてしまったら、区からその子に直接アクセスすることはできません。

保護者から相談が来ても、「すみません、もう東京都の管轄になっちゃったので、区としては何もできません。。」というしかありません。

 

 

東京都と区の連携がうまくいかずに、2010年に江戸川区の小学校1年生の男の子が虐待死した事件を受けて、特別区長会が「23区に児童相談所の移管を!」と強く訴えるようになりました。

 

区が自分たちで、「児童相談所」を持っていたら、自分たちの判断で迅速に子どもを救えるのに。もっと丁寧に子どもたちをケアできるのに。その後も、家庭を継続的にフォローしていけるのに。というのが、現場の長年の思いです。

 

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■ 区で「児童相談所」をもった方がよい理由

 

 

こうした要請を受けて、ついに2016年に児童福祉法の改正があり、23区でも独自に「児童相談所」を持てるようになりました。

 

背景には、児童虐待数の急増、と現行の体制では対応しきれない実情があります。

全国的に児童虐待相談対応件数が急増していて、2017年度は13万件を超え、27年連続増加で過去最高となり、30年で100倍に増えた計算です。

2016年度の虐待死(心中28人を含む)は77人。

 

東京都は児童虐待相談件数が約1万4000件で、大阪府、神奈川県についで全国で3番目に多いですが、児童虐待相談件数は、この5年で3倍近く増えています。

港区も同様です。

 

2016年度、港区の「子ども家庭支援センター」が受けた新規の相談件数は948件、そのうち児童虐待相談件数は477件。

東京都の児童相談所が受けた港区分の児童虐待相談件数が301件、一時保護数が49件。(警察への通報はすべて、児童相談所の方に直接行くことになっているので、大半が警察経由)

港区が継続的にフォローしている子どもの数(虐待を含む要支援児童)が多い時で500人以上、となっています。

 

東京都の児童相談所が、急増する虐待相談件数に対応しきれていないことは、報道などでも伝えられています。

 

「児童相談所」が、子どもを家庭から引き離して一時保護しても、「一時保護所」を出た後の受け皿になる、「児童養護施設」や「里親」が足りないため、本来2か月までしかいられない「一時保護所」に長期で預けられるケースが増え、入所率100%を超える施設が多数あり、東京都はすべて溢れているという調査結果が出ています(毎日新聞、2015年度)。

https://mainichi.jp/articles/20170116/ddm/003/040/164000c

 

東京都の一時保護所が、劣悪な環境にある、と訴える声もあります。

 

わたし自身、港区のママから相談を受けて、児童相談所に連絡することもありますが、担当者が3日間つかまらない、など「本当に忙しいんだな。。」と思うし、緊急性の高いケースが優先になるので、一時保護所がいっぱいで待たされること、相談が後回しにされること、などもあります。

 

でも、その相談一つひとつが、こちらからすれば、相談者の人生を大きく狂わすほど重大で深刻で一刻を争うものであったりもします。

 

今年3月に目黒区で「おねがい、もうゆるして」というノートを残して亡くなった結愛ちゃんの虐待死事件があり、その直後には、港区でも高輪で、4歳女児が熱したフライパンを背中に押し付けられて大やけどし、母親が逮捕される事件がありました。

 

どちらも、地方から転居してきた直後に起きた事件で、もともと住んでいた自治体の児童相談所との連携が課題でしたが、そうしたことへの対応も、児童相談所に余裕がなければ難しいだろうと思います。

 

子どもたちを代わりに家庭で育ててくれる「里親」の普及も急務となっています。

それも、「児童相談所」の重要な役割ですが、虐待対応でいっぱいいっぱいで、そこまで手が回っていない現実もあります。

 

東京都には、親と暮らせない子どもが約4000人いて、その9割が「児童養護施設」や「乳児院」に入っていて、「里親」委託は、まだ1割に満たない状況です。

国では、2020年度までに「里親」委託を22%まで引き上げることを目標にしていますが、港区では「養育里親」に登録しているのは9家庭で、預かってもらっている子どもは5人です。

 

さらに、2016年度、東京都の児童相談所が一時保護した2071件のうち、施設入所や里親委託などの措置は365件で、全体の17・6%に過ぎません。

虐待を受ける多くの子どもたちが、「受け皿」がないために、家庭に返されていると思わざるをえない状況で、実際に、家にも学校にも居場所がない子どもたち、特に性を搾取される少女たちの問題が顕著になってきています。

 

少人数の「一時保護所」を作って、傷ついた子どもたちを丁寧にケアしていくことも、「里親」を増やして支援しながら、地域で子どもたちを守っていくことも、家にかえった子どもたちを大人になるまで見守っていくことも、区がやれるようになった方が、”切れ目のない支援”をできるだろう、と思います。

 

 

※ 「児童相談所」を出た後の子どもたちの問題、「里親」の不足については、以前にブログ記事に書いています。

→ 「児童相談所のもう1つの役割。「里親」支援」

https://ameblo.jp/aizeye/entry-12415088520.html

 

 

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■ 「港区の子どもは港区で守る」という覚悟

 

 

2016年の児童福祉法の改正で、23区も独自に「児童相談所」を持てるようになったことを受け、練馬区をのぞく22区が、設置に手をあげて、準備を進めています。

先行は、荒川、世田谷、江戸川区で2020年度に開設予定。

次いで、港、新宿、中野、板橋、豊島、台東区が2021年度の開設を目指しています。

 

 

港区は現在、人口約25万5000人。

この10年、毎年5000人くらいずつ増えてきましたが、今後10年も同様に増え続ける予測で、人口30万人を突破する見込みです。

10年後の0〜15歳の人口は、約4万6000人で、今より1万人以上増える見込みです。

0歳児はこの10年で2倍になりましたが、さらにこの先10年で今より1・5倍増え、小学生人口も今後10年で1・5倍に増える予測です。

 

人口流入の多くが子育て層で、その9割が核家族で、マンション住まい。

頼れる親族が近くにいない、という人たちがほとんどです。

 

こうした状況を考えても、港区で自分たちの「児童相談所」を持って、「家庭支援機能」を強化していくことは、重要なことだろうと思います。

 

「子ども家庭支援センター」「児童相談所」「一時保護所」「母子生活支援施設」が一体化した複合施設になることで、施設内で瞬時の情報共有が可能になり、ワンストップで機能的な対応ができるようになります。

「教育センター」も一緒にあれば、なお良かったのですが。。

 

人材不足や経験不足を指摘する声もありますが、これから作るのだから、そのための万全な準備を進めているところです。

全国を飛び回って研究し、人的ネットワークを築き、職員を全国の児童相談所に派遣して研修を積ませ、「日本一の施設をつくる」という意気込みで、専門家の意見を聞きながら、日々取り組んでいる職員の姿を見ています。

 

「児童相談所」は本当にシビアな機関なので、区の負担は、はかりしれないほど重くなります。

これまで、何かあっても、最後は「東京都の責任」で逃げられたところを、「自分たちの責任」として受け止めることになります。

 

それでも、「港区の子どもたちは港区で守る」と宣言し、大変でもこれだけはやり切らなければいけない、という覚悟を持って進めているのを、港区で子どもを育てている一母親として心強く思います。

 

 

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■ 金沢市の”あたたかい”「一時保護所」

 

 

「港区議会で反対意見なんて聞いたことありません」

と言ったら、取材の方がビックリされて、そのことにビックリしてしまいました。


議会の視察で、これまでに、金沢市や福岡市の「児童相談所」、別府市の「児童養護施設」などに行ってきましたが、地域に信頼されているのがよく伝わってくる施設ばかりでした。

 

↓ これは、「金沢市こども総合相談センター」の視察。(2017年1月)

 

 

 

「児童相談所」は都道府県と政令市に最低1か所の設置が義務付けられていますが、2006年に中核市でも設置が可能になりました。

 

財政面や人材面の負担の重さから躊躇する自治体が多く、現在、金沢市と横須賀市でしか設置が進んでいません。来年度、兵庫県明石市が設置予定です。

(明石市にも視察に行って、話を聞いてきました。明石市は港区とほぼ同じ人口規模の自治体です)

国では、「中核市に児童相談所の設置を義務化」することも議論されています。

 

金沢市もやはり、「県との二重行政がなくなり、迅速にきめ細かく対応できるようになった。代わりに、市の負担はものすごく重くなった」と言っていました。

一時保護所は、年間約110人の受け入れで、稼働率は40%ですが、夏休みはいっぱいになってしまう、と言っていました。

少人数で丁寧なケアがされていて、小さな子たちが落ち着いて机を並べて勉強していました。

子どもたちが「また、遊びに来るね」と言って笑顔で出て行く施設だそうで、そういうあたたかい「一時保護所」を港区にもつくりたい、と思っています。

 

 

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■ 全国モデルの福岡市の「児童相談所」

 

こちらは、福岡市こども総合相談センター「えがお館」の視察。(2018年11月)

 

 

ここは、児童相談所、一時保護所のほか、適応指導教室や不登校支援、スクールソーシャルワーカー活用事業などを行う教育相談課、県警の少年サポートセンターなどが一体になっていて、所長は公募で選ばれた精神科の医師で、常勤の弁護士が設置され、素晴らしい成果を上げていることで、全国的にも注目されている施設です。

(「児童相談所改革と協働の道のり」という本になっています。)

 

子どもの泣き声が心配などの通告への対応をNPOと連携して実施し、「里親」の普及啓発もNPOと連携することで、里親委託率を6・9%(平成16年)から、39・7%(平成29年)まで上げています。

 

こうしたNPOや民間との連携が、今後の「児童相談所」運営の”カギ”になってくると思うので、港区でも積極的に進めていこう、と思っています。

 

「常勤弁護士」が、すべての業務の法的サポートをしてくれることで、職員の疲弊は大きく軽減され、この施設では、職員が誰も辞めたがらないそうです。

人材育成には10〜15年かかるもので、それをどうやって計画的に進めていくか、という話も参考になりました。

 

本にも書かれていますが、この施設だって、試行錯誤の連続で今があります。

 

日本の「一時保護所」が、一律に外出制限をされていて、小学校や保育園に通えず、施設の中で勉強することになっていることなどを「子どもの人権侵害」と疑問視し、ここでは、子どもたちを個別に丁寧にケアするための改革も進められています。

 

そして、この施設の目の前では、タワーマンションを建設中でした。

 

 

 

”迷惑施設”なんていう認識はないし、すべての子育て家庭に対するセーフティーネットとして存在し、地域で安心して子育てするための拠り所になっていると思いました。

 

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■ 「児童相談所」は”迷惑施設”ではない

 

なので、南青山の「児童相談所」について、反対運動のビラが撒かれて、説明会でも怒号が飛び交ったり、それを見たママたちが「こんな施設ができるなんて聞いてない!」と不安になったりするのを見て、本当にビックリしてしまいました。

 

児童相談所が、まるで鑑別所とか刑務所のように言われていますが、児童相談所の一時保護所で預かるお子さんは、ほとんどが死別や虐待など、理由があって親と一緒に暮らせない小学生以下の子供たちで、18歳未満の愚犯少年(家出や徘徊など法に触れないもの)と14歳未満の触法少年(主に万引きなど)も入れることにはなっているけれど、港区ではほとんどないし(親と一緒に面談してカウンセリングはしますが、一時保護が必要になるケースはまずない)、みんな家庭になにかがあるSOSを出している子たちで、それで何か児童相談所の周辺で問題があったということも聞いたことがないです。

(昔はあったのかもしれないけど)

 

まして、14歳未満の重大犯罪なんて起きていないし、万が一あったら、警察警備ですぐに家裁送致されるし、そんなことを心配する必要はないと思います。

 

「脱走」というのもおかしくて、子供を「保護」しているのであって、「監禁」する施設ではありません。

 

たとえば、子どもの人権を重視する福岡市の一時保護所では、月に1回は公園や動物園に行くようにしていて、そこで時々、おうちに帰っちゃう子もいる、と言っていました。

そうしたら、また親子関係の解決を児童相談所が一からやり直し、というだけの話であって、何か凶悪犯が脱走してくるみたいなイメージで語られると、「何の施設の話をしてるんだ??」と思ってしまいます。

 

住民説明会などで、「散歩はあるのか?」「学校に来るのか?」と聞かれたら、「外には出ません」「学校にはいきません」「声も外に漏れません」と言うしかないし、「ポリスボックスは設置されるのか?」と聞かれたら、「警察が警備しなければならないような事態が想定されていないから設置しません。子供たちの安全のために警備員が24時間警備します」と答えるけど、なんだかなあ。。と思います。

 

(しかも、反対運動に使われているのが、東京都の一時保護所がいかに劣悪な状況かという資料で、こんな子どもたちを囚人のように扱うひどい施設が来る!みたいに言われているのですが、だとしたら、そういうところに子どもたちを置いておけないから、港区で小規模のあたたかい一時保護所をつくる必要があるわけで。。)


 

ちなみに、私は西麻布に住んでいて、今回の南青山の建設予定地から徒歩10分くらい。歩いてすぐのところに「児童養護施設」(子どもたちが一時保護所を出た後、生活する施設)もありますが、当たり前だけど何の問題もないし、そんなこと言うのも本当に申し訳ないくらい。

逆に、なにか支援してあげられることがないかな、とは思うけど。

 

でも、施設を見たこともなく、どんな施設なのかまったく知らなかったら、「よくわからない施設」が近くにできる、というだけで、誰だって少なからず不安になるかもしれないなあ、と思いました。

 

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■ すべての子育て世帯のための”セーフティーネット”

 

この施設は、すべての子育て家庭の「駆け込み寺」です。

親が急に死んでしまって子供が残された時に面倒を見てくれたり、家庭のトラブルを解決してくれたり、子供たちを虐待から守って支えてくれたり、ちょっとした発達の気になること、いじめなどの相談を気楽にできる場所。

 

「だから、行くだけで気が滅入るようなところではなく、できるだけ、気軽に行ってみたいと思えるような楽しい場所にあるべき」

と、福岡市の児童相談所の所長がおっしゃっていました。

 

「一時保護所」も「母子生活支援施設」も、親やDV加害者が追いかけてくるような事態が想定されるケースは、別の場所に逃がします。

DVを受けて逃げる母子が緊急に入る「シェルター」は、場所がわからないところにあります。

 

「母子生活支援施設」は、もともとあの近くにあったものが老朽化して取り壊しになって、移転してくるだけです。

急に旦那さんがいなくなって途方に暮れている、離婚がこじれて行くあてがないなど、困っている母子が自立できるまでの一時期、生活を立て直して、希望を持って生きていけるように支援するための施設です。

 

どれも貧困家庭で起きるというものでもないし、港区の場合、特に、虐待やDVは貧困が原因ではなく、子供や妻に過度の期待をしすぎる精神的虐待が多いのが特徴です。

子どもたちが、自分から「保護してほしい」と言ってくるケースがあるのも、港区の特徴と言われています。非行が少ないのも。

母子の相談でも、私が受けるのはほぼ全て、これまで超がつくほど裕福に暮らしてきて、ある日突然、路頭に迷ってしまう、というものばかりです。

 

誰も、明日どうなるかなんてわからないのだから、本当に親子が困り果ててしまった時の最後の砦であり、子供たちが大人になって自立できるまであたたかく見守ってくれる、すべての港区の子育て家庭に対するセーフティーネットだと思っています。